【イスラム国】イスタンブールのナイトクラブでの銃乱射事件に関する「犯行声明」和訳全文

2017年1月1日未明、トルコ最大の都市イスタンブールで何者かがナイトクラブを襲撃して銃を乱射し、39人が死亡したと報じられている事件で、2日、作戦はイスラム国(IS)の戦士によるものとする公式声明が発出された(ISの公式ラジオ放送「アルバヤン」や、IS系メディアの「アマク通信」でも、声明と同じ内容が報じられた)。

↓アラビア語の「犯行声明」の画像(クリックして拡大表示)
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(和訳)
速報:イスタンブールのナイトクラブでキリスト教徒向けの邪教の祝祭に参加していた150人が死傷
  トルコ ヒジュラ暦1438年ラビウ・アヒル月3日(※西暦2016年1月2日)
 十字軍の守護者であるトルコに対してイスラム国による祝福されるべき作戦が続く中、カリフ国の英雄戦士たちの一人が、キリスト教徒どもによる邪教の祝祭が行われていた最も有名なナイトクラブの一つを襲撃した。キリスト教徒たちを手りゅう弾や機関銃で攻撃し、キリスト教徒どもの喜びを苦悩に変え、150人を死傷させた。これは至高のアラーの教えに則る復讐であり、十字軍の召使いであるトルコを標的にせよという信徒たちの長(※ISのバグダディ指導者)からの呼びかけに応えたものである。攻撃の成功について、称賛されるべきはアラーである。トルコの軍用機や大砲によってイスラム教徒の血が流されるならば、至高のアラーのご意思により、トルコ国内において炎が燃え上がるということを、背教者のトルコ政府は思い知れ。アラーはそのご命令を必ず果たされるが、大半の者はそれを知らない。称賛は世界の主であるアラーにこそある。


↓「アマーク通信」によるイスタンブール銃乱射事件に関する報道
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↓(アマク通信が配信した関連報道の和訳全文)
イスラム国の戦闘員がイスタンブールでの攻撃を実行
アマク通信のセキュリティ筋によると、一昨日の土曜夜(※原文ママ)に新年を祝う催しが開かれていたイスタンブールのナイトクラブでの攻撃は、イスラム国の戦闘員によって行われた。この筋によると、手りゅう弾や機関銃を用いてナイトクラブが襲撃された結果、(対IS)有志連合の国々の西洋人を含むおよそ150人のキリスト教徒が殺害または負傷した。けがをした者の中には、銃撃を受けてボスポラス海峡の水の中に身を投げた者もいたとしている。
なお、イスラム国はその戦闘員や支持者たちに向けて、イスラム国との戦いに参加しているトルコに対する攻撃を呼びかけていた(2017年1月2日付)


↓イスラム国が発出したトルコ語版の声明画像
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↓アマーク通信報道と声明の英語版
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【イスラム国】ベルリンでの大型トラック突っ込み事件の実行者の遺言映像(アマーク通信の配信動画)



報道によると、ドイツの首都ベルリンで開かれていたクリスマスの屋外市場に大型トラックを突っ込ませ、12人を死亡させた事件で、2016年12月23日にチュニジア人のアニス・アムリ容疑者が、イタリア北部のミラノで警察官と銃で撃ち合い、殺害された。次のとおり、イスラム国系メディアのアマク通信も速報で報じている。
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無題 (2)


さらにアマク通信から、「ベルリンとミラノでの攻撃を行ったイスラム国の戦士からの遺言」と題する、アニス・アムリの自撮り動画も配信された。動画の冒頭、アニス・アムリはイスラム国のバグダディ指導者に忠誠を誓っている。そして、「毎日イスラム教徒を空爆している十字軍たちへのメッセージ」として、「豚め、我々はお前たちを殺す。唯一神を信じるイスラム教徒たちの後ろには、我らでつくるウンマ(※イスラム教スンニ派の共同体)がいるのだ。彼らが空爆されたら、その血が無駄に流されることはない。我々が必ず復讐するからだ」と警告している。また、イスラム教徒に向けて「ジハードに立ち上がれ、ヨーロッパで豚の十字軍と全力で戦え」と呼びかけている。
↑アマーク通信が配信したアニス・アムリの自撮り動画

【イスラム国】モスルのIS戦闘員がベルリンの市場でのトラック突っ込み事件に祝意(アマク通信配信動画)

【キャプション】
2016年12月21日、イスラム国系メディア「アマーク通信」は、 イラク北部のニナワ県(モスル)でイラク政府軍やシーア派の民兵組織と戦っているジハード戦士たちが、ドイツの首都ベルリンのクリスマス市場で起きたトラック突っ込み事件や、ヨルダン中部の観光都市カラクでの銃撃事件などについて、実行者たちに向けて祝意のメッセージを送る動画を配信した。

3番目にドイツ語話者の戦闘員が登場する。
画像をクリックして動画を視聴またはダウンロード 
ドイツ語話者のイスラム国ジハード戦士
【サウンドバイト】
「不信心者の国に居る一神教の信徒(※スンニ派のイスラム教徒)たちに告ぐ。立ち上がれ、イスラム国に移住して、アラーのために戦え。移住できないなら、カリフ(※バグダディ指導者)のお言葉に従え。敵の夜を昼に転じ、地獄を見せてやれ。表に出て、アラーのためにできることをするのだ。敵を叩け、殺せ、ナイフで刺せ、我らの仲間がチェチェンやドイツ、ヨルダンで行ったように、不信心者と戦うのだ。アラーよ、我らの仲間たちを受け入れたまえ」

【イスラム国】ベルリンでのトラック突っ込み事件に関するアマク通信速報「イスラム国の戦士が実行」

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2016年12月19日、ドイツの首都ベルリンで市場に大型トラックが突っ込み、12人が死亡した事件で、イスラム国系メディアの「アマーク通信」は2016年12月20日付の速報で、「セキュリティ筋の情報」として、「ドイツのベルリンでのひき殺し作戦の実行者は、イスラム国の戦士であり、有志連合の国の市民を標的にせよという呼びかけに応じて作戦を実行したものである」と報じた。アマーク通信が上の速報画像を配信した時刻は、日本時間の21日午前4時過ぎであった。

なお、12月11日に起きたエジプトの首都カイロのキリスト教(コプト正教)の教会での爆破事件や、12月18日に起きたヨルダン中部の観光都市カラクでの銃撃事件についても、イスラム国の戦士が行ったものとする公式の声明がでており、最近イスラム国による対外作戦が相次いでいる。

↓ヨルダン中部のカラクにおける銃撃事件に関するイスラム国声明
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↓エジプトのキリスト教会爆破事件に関するイスラム国声明
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↓ISが配信したキリスト教の教会を爆破した殉教者「アブアブドラ・ミスリ」の画像
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【イスラム国】イギリス人ジャーナリストのジョン・キャントリー氏、イラク軍の機甲部隊の墓場となったモスルの病院からリポート

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↑画像をクリックして動画を視聴又はダウンロード↑

題名:صيادو الدروع
和訳:装甲の狩人
公開:2016年12月13日
組織:イスラム国(IS、旧ISIS又はISIL)
出所:ニナワ県広報部(旧イラク領)
音声:アラビア語、英語(アラビア語字幕付)
尺長:47分11秒

【キャプション】
イラク軍が使用しているアメリカ製の戦車や装甲車などに対するイスラム国の戦闘員たちの勇猛果敢な戦いぶりを紹介する宣伝動画。イギリス人ジャーナリストのジョン・キャントリー氏が登場し、モスル南東部のサラーム病院をめぐる戦闘で破壊されたイラク軍の戦車や装甲車の残骸について現地レポートする。

【サウンドバイト】
SnapShot(1)
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「私の前にあるスクリーンに映っていたのは、アメリカ製のエイブラムズ戦車です。近代戦用テクノロジーの結晶で、航空機用のタービンエンジンを動力とし、レーザー安定化ターゲットシステムと複合装甲を搭載しています。1991年、この戦車は旧サダム・フセイン政権の軍隊をたった3日で壊滅させたほか、2003年のアメリカによる対イラク侵攻でも活躍しました。それ以降、世界中の軍隊に売却され、莫大な利益を上げました。そして現在、ジハード戦士との戦いに投入されています」


SnapShot(2)
「エイブラムズ戦車の価格は、1台9億ドルといったところでしょうか。まったく高価なオモチャです。常勤の整備クルーが必要で、年に1度オイル交換をすれば足りる訳ではありません。それでも、信仰心をも打ち砕くほどの兵器とはいえないのです。2004年以降、ジハード戦士たちは試行錯誤を重ねながら工夫を凝らした武器でエイブラムズを破壊してきました」


SnapShot(3)
「安物の火炎瓶や、IED(着用爆弾ベルト)、SPG-9、そして今では、ロシア製のコルネット・ミサイルが使われています。私はイスラム国に捕虜として滞在し、ジハード戦士たちが僅か数百ドル以下の武器を駆使してエイブラムズの進攻を阻止する場面を目撃しました。2011年、アメリカはイラクから撤退し、オバマ大統領は再び軍が戻ることはないと約束しました。ところが、アブムハンマド・アドナニ師は、米軍が戻って来ると予言し、ジハード戦士たちは、それを待ち構えていたのです」


SnapShot(4)
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「イラク軍の兵士たちは、アメリカ製の武器を手に入れた自分たちは最強だと思い込みました。エイブラムス戦車だけでなく、ハンヴィーや、M4カービン銃まであるのだからと。しかも米兵の訓練を受けたのだと。あるいは映画を見て、ランボーになったつもりだったのでしょう。しかし、イラク兵には精神力が欠けています」


SnapShot(6)
「他方、ジハード戦士にはアラーがいます。どんな兵器よりも強力です。映像の『アブルワリード』と『アブフザイファ』という2人のジハード戦士は、エイブラムズ戦車に突撃しました。彼らの武器といえば、手榴弾のほかには勇気だけでした。この捨て身の攻撃で、アブルワリードは聴力を失い、アブフザイファも負傷、別の一人は命を落としました。しかし、ジハード戦士は死を恐れません。現世よりも天国へ行くことを望んでいるからです。死ぬことは敗北ではないのです」


SnapShot(7)
「真のイスラム教徒は、現世の安楽に執着しません。家や家族、そして、金銭の誘惑を断ち切り、ジハード戦士として戦うためにイスラム国にやって来ます。臆病者のイラク兵とは全く異なるのです」


SnapShot(8)
「例えば、デンマークでの豊かな暮らしを捨てて、戦うためにイスラム国に来たアブアクラマというジハード戦士がいます。」


SnapShot(9)
「アブアクラマは、エイブラムズ戦車3両を破壊しました。使ったのは手榴弾だけです。恐れずに戦車まで歩いて近づく、とんでもない勇気の持主です。50トンの鉄の塊に立ち向かうには、快適な戦車の中で標的が現れるのを座って待っている者とは比較にならない精神力と勇気が必要なのです」


SnapShot(10)
「ジハード戦士たちの勇敢さは、アメリカだったら輝かしい勲章に値したことでしょう。彼らを題材とした映画が製作されたことでしょう。しかし、彼らはイスラム教徒であるが故に、メディアからはテロリストと呼ばれています」


SnapShot(11)
「私たちは今、戦闘が行われているモスル東部の前線に来ています。私の背後には、まるでスティーブン・スピルバーグの映画のような光景が広がっていますが、これは現実です」


SnapShot(12)
「ここはかつて、イラク軍がモスルでの基地として駐留していましたが、ご覧のとおり完全に破壊されました。数えてみますと、破壊されたBMPは18両から25両ぐらい。ハンヴィーもたくさんあります。まさに修羅場です。ジハード戦士によりますと、イラク軍は餌に喰らいつく魚のように、まんまと罠に嵌まったとしています。ジハード戦士たちは、大量のイラク軍の車両をこの場所へに誘い込んだのです」


SnapShot(13)
「ちょっと数えてみましょう、1、2、3、4、5、6、7台。ブルドーザーやBMPがプラスチックのオモチャのようにバラバラに破壊されています」


SnapShot(14)
「これを見て下さい。アメリカの警告文が書かれています。ここにヘルファイア・ミサイルが落とされたことが分かります」


SnapShot(15)
「こちらは、M16自動小銃の残骸ですね。もう役には立ちません。それでは下に降りて、あちらの方を見てみましょうか。それでは、注意して行きましょう。足元に不発弾があるかもしれません」


SnapShot(17)
「これこそモスルの戦いです。このハンヴィーを見てください。完全に破壊されてしまいました。見事に燃え尽きて、何も残っていません」


SnapShot(18)
「地面に落ちているのは、吹き飛ばされたBMPの砲塔ですね。オモチャのように転がっています。奥のブルドーザーは、まだ使えそうです。ジハード戦士の役に立ってくれるでしょう」


SnapShot(19)
「ここはサラーム病院といい、以前は患者もいました。幸いにも、ジハード戦士たちのおかげで、ほとんどの患者は戦闘が起きる前に避難できました。しかし、病院自体は完全に破壊されてしまいました。現在、ブルドーザーなどを使って残骸の撤去作業が行われています」


SnapShot(20)
「このBMPは、対戦車攻撃を専門とするジハード戦士たちの部隊によって破壊されたものです。イスラム国建国から3年で、彼らは対戦車戦の専門家となりました。これらの車両を狙いどおりの場所へ誘い込み、様々な兵器で奇襲を仕掛けました。次々にミサイルを撃ち込んだのです。分厚い装甲だったのでしょうが、砲塔は破壊され、まるで紙切れのように破れていますね。相当な数のミサイルが使われたのでしょう。キャタピラも子どものオモチャのように壊れています。こんな光景は長らく見た憶えがありません」


SnapShot(21)
「おや、こんなところにイラク軍のヘルメットが。しかし、こりゃ無用の長物ですな」


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