2015年09月

【イスラム国】「アブウマル・バグダディ師訓練キャンプ」での新兵訓練

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番号:216
題名:تخريج دفعة جديدة من معسكر الشيخ أبي عمر البغدادي
和訳:アブウマル・バグダディ師訓練キャンプでの新兵訓練
公開:2015年9月30日
組織:イスラム国(IS、旧ISIS又はISIL)
出所:キルクーク県広報部(イスラム国傘下)
音声:アラビア語

【動画の内容及び解説】
イラク北部のイスラム国「キルクーク県」広報部による、新たな戦闘員の一団の訓練の様子を伝える広報動画。訓練キャンプには、「アブウマル・バグダディ」という、イスラム国の前の指導者の名前が冠せられている。

動画では、「アブズベイル」と名のるキャンプ責任者のナレーションで、身体の鍛錬や武器の使用法、イスラム教の学習といった訓練の詳細について解説している。今回訓練を完了した戦闘員たちは、第19期生だとしている。

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イエメンのイスラム国「アデン・アビエン県」による初の宣伝動画 シーア派武装勢力との戦闘を公開

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番号:215
題名:أباة الضيم
和訳:不義に抗う者たち
公開:2015年9月30日
組織:イスラム国(IS、旧ISIS又はISIL)
出所:アデン・アビエン県広報部(イスラム国傘下)
音声:アラビア語

【動画の内容及び解説】
イエメンの首都サヌアや北部を実効支配するシーア派武装勢力「フーシ派」(ホウシー派などの表記もあり)と戦うイスラム国の戦闘員たちの宣伝動画。「アデン・アビエン県」はイエメンの南西部に当たり、この地域ではフーシ派は撃退され、ハディ大統領も亡命先のサウジアラビアからアデンへの帰還を果たしている。

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ガザの「ハマス」に対抗するジハード主義組織「ウマル・ハディード師部隊」 イスラム国との関係は?

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番号:214
題名:قصف اليهود في عسقلان المحتلة بصاروخ غراد
和訳:占領地アシュケロンのユダヤ人をグラッドミサイルで砲撃
公開:2015年9月21日
組織:エルサレムのウマル・ハディード師部隊
         (سرية الشيخ عمر حديد - بيت المقدس)
出所:エルサレムのウマル・ハディード師部隊の公式ツイッターアカウント
音声:アラビア語

【動画の内容及び解説】
パレスチナのガザ地区は、イスラム主義組織の「ハマス」による実効支配が続いているが、イスラム法「シャリーア」の即時適用を主張するサラフィー主義者に対する取り締まりを続けている。

こうした中、2015年の6月から「エルサレムのウマル・ハディード師部隊」と名のる新手のジハード主義組織が登場し、ガザ地区からイスラエル領内のアシュケロンやアシュドッドに向けてロケット弾による攻撃を繰り返している。サラフィー主義者を弾圧するハマスを批判する声明のほか、イスラエルへのロケット砲撃の動画をインターネット上に公開している。

イスラム国をはじめとするジハード主義組織によって広く使用される「預言者ムハンマドの指輪」の紋章を象った黒旗が、「オマル・ハディード師部隊」の動画・声明にも用いられている。ただし、イスラム国との関係は現時点で明らかではない。「ウマル・ハディード師」とはパレスチナにゆかりのある人物ではなく、2004年にイラクのファルージャでアメリカ占領軍との戦闘によって殉教したイラク人のジハード戦士である。このことから、将来的にはイスラム国との連携、そしてバグダディ指導者への忠誠も視野にいれているとも考えられる。

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エルサレムのウマル・ハディード師部隊 公式声明リンク一覧

【イスラム国】イクメンのジハード戦士登場 犠牲祭で息子と至福のひと時

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番号:213
題名:عيد مجاهد
和訳:ジハード戦士の祝日
公開:2015年9月29日
組織:イスラム国(IS、旧ISIS又はISIL)
出所:アレッポ県広報部(イスラム国傘下)
音声:アラビア語

【動画の内容及び解説】
イスラム国のジハード戦士が、イスラム教の巡礼月の犠牲祭に合わせて戦場から自宅へ戻り、息子とともに祝日を過ごす様子を紹介する宣伝動画。

アラビア語が分からなくとも、映像だけで十分に理解できるストーリー仕立てとなっている。
このブログの管理人は、これまでにジハード主義組織の宣伝動画を1000本以上見てきてたが、その中でも最高の出来栄えではないかと感じた。おかげで先日ツイッターのアカウントを凍結された憂さも十分に晴れた。

銃を背負ったジハード戦士が、甲斐甲斐しく子守をしながら買い物をするシーンが特に印象的である。家庭を顧みない日本の企業戦士の方々も、このイクメンぶりは見習うべきであろう。

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#イスラム国 _イラクの首都バグダッドでシーア派民兵組織の拠点を標的に自動車の仕掛け爆弾による攻撃

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番号:212
題名:لهيب المفخخات
和訳:仕掛け爆弾の炎
公開:2015年9月27日
組織:イスラム国(IS、旧ISIS又はISIL)
出所:バグダッド県広報部(イスラム国傘下)
音声:アラビア語

【動画の内容及び解説】
イラクの首都バグダッドにおける自動車の仕掛け爆弾による爆発の様子を撮影した動画。イスラム国による宣伝動画の中で、活気のある市街地での爆破映像は珍しい。

冒頭、首都バグダッドにおけるイランやシーア派の勢力拡大の様子を伝える映像が流され、シーア派の跋扈に警鐘を鳴らす故アブムスアブ・ザルカウィの過去の演説などが引用される。その後、首都バグダッドのシーア派民兵組織の拠点に対し、夜間に自動車の仕掛け爆弾による攻撃が行われた際の映像に移る。

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ヨーロッパへ向かうシリア人難民は #イスラム国 から逃げているのではない ※追記あり

先日、当ブログでヨーロッパへ向かう難民に関するイスラム国の動画についての記事をアップしたが、NHKも漸く、こうした動画に関するニュースを報じた。ところが、本ブログでの関連記事の配信から3日遅れであり、一連の動画に関する分析を行うための十分な時間があったにも拘わらず、非常に残念な内容である。

以下、NHKの記事を引用する。

*     *     *
 ISが「欧州に行くな」 呼びかける動画
9月21日 1時09分配信

ヨーロッパにシリアなどからの難民や移民が大勢、押し寄せる中、過激派組織IS=イスラミックステートが、ヨーロッパに行くのを思いとどまるよう呼びかける動画を相次いで公開し、支配下の住民が流出するのを防ぐねらいがあるとみられます
 
シリアやイラクを拠点とするISは、先週ごろから、インターネット上に、相次いで動画を投稿しました。これらの動画には、ISの支配下で暮らす一般の住民とされる男性たちが登場し、「私もヨーロッパに住んだことがあるが、彼らはイスラム教徒を決して好きにならない」とか、「ヨーロッパに行けば子どもたちは間違った考えに影響される。ここにいるほうが安全だ」などと述べ、ヨーロッパに行くのを思いとどまるよう呼びかけています。さらに、ヨーロッパ各国が難民を受け入れているのはイスラム教徒の国を破壊しようと目論んでいるからだなどと主張しています。
 
この動画について、ISの動向に詳しい東京外国語大学の青山弘之教授は「ISは住民から取り立てる税金などを資金源としているため、住民の流出が続いて支配地域の経済が立ち行かなくなることを防ぐねらいがあるとみられる」と話しています。
(以下略)
*     *     *

イスラム国各県の広報部が配信した一連の動画の内容を確認すれば明らかであるが、イスラム国はヨーロッパを目指す難民たちに対し、イスラム国の支配地域である「カリフの土地」(※シリアやイラクに限定されない。イスラム国の勢力範囲は中央アジアや北アフリカにも及ぶことに注意)への移民を促しているのであって、支配地域の住民の流出を懸念してはいない。

実のところ、シリア人難民の90%は、イスラム国の支配地域からではなく、アサド政権やその他の反体制勢力の支配地域から避難しているのである。アラブ世界では最も著名な識者の一人であるファイサル・カーセム氏のツイートを、以下引用しておこう。

هل تعلم ان تسعين بالمائة من اللاجئين السوريين هربوا من مناطق لا وجود لداعش فيها مطلقا. هل يعلم بوتين هذه الحقيقة؟




なお、ファイサル・カーセム氏は上記ツイートで、イスラム国を「ダーイシュ」と呼んでいることから分かるように、イスラム国には批判的な立場である。

また、イスラム国の支配を受け入れず、カリフであるバグダディ指導者に従わないスンニ派部族に対するこれまでの苛烈な対応等に鑑みれば、「支配地域の経済が立ち行かなくなることを防ぐねらいがある」との見方は如何なものか。専ら経済的合理性からイスラム国の動向を分析することは、事の本質を見誤るおそれがあると言わざるを得ない。

ともかく、正確な報道のためには、無責任な外部の研究者や他の報道機関からの伝聞や憶測に安易に頼ることなく、自ら一次情報の解析を行うことを、NHKには是非ともお勧めしたい。

※2015年9月30日追記
この青山という人物について調べてみたが、「アサド政権の事情に詳しい」人物であって、NHKが思うような「IS(※イスラム国)の動向に詳しい」識者ではない。イスラム国の動向を分析するには、「シャリーア」や「ジハード」、「カリフ制」に関する一定の理解が必要であり、宗教を避けて通ることはできない。しかし、青山の宗教嫌いは筋金入りであり、それは「宗教至上主義を超えて」などという仰々しいタイトルが付けられているこのインタビューからも十分に伺える。

日本の中東研究者の現状は、青山のようなパワーポリティクス論者が圧倒的主流派であり、「宗教至上主義」などというものは存在しない。大半がムスリムでもなく無宗教の日本の中東研究者たちが、「宗教至上主義」などになりようがない。アラブの春以前は、各地の独裁政権の権力機構とその動向を調べるのが、日本の中東研究者の仕事であって、宗教は関心の枠外であった。

ところが、こうした独裁政権が次々と崩壊して行くと、独裁政権の専門家に過ぎない中東研究者たちの知識や人脈は用済みとなっていった。シリアの安定化のためにはアサド独裁政権の協力が必要と主張する青山には、研究者としての自らの復権という事情もあるだろう。最早ラタキアやタルトゥースなどシリアの一部地方の軍閥にまで落ちぶれたアサド政権の専門家では、世間からの評価と需要は期待できそうにない。他方で、「グローバル・ジハード」のような、青山が嫌悪する宗教的なアプローチによる研究が新たに脚光を浴びるようになっている。

ジハード戦士による「殉教攻撃」は「自爆攻撃」ではない

フランスのメディアで活躍中のジハード主義組織を専門とする著名なジャーナリストが、ジハード戦士による「殉教攻撃」を「カミカゼ」と表現していた。

ところで、意外に思われるかもしれないが、ジハード戦士による「殉教攻撃」は、必ずしも死ぬことを前提として行われるものではない。そのため、「カミカゼ」はもとより、「自爆攻撃」、「自殺攻撃」などといった訳語は正確ではない。敵の標的を破壊するという目的を達成して、なお生還できるのであれば、当然ながら生還すべきなのである。そもそもイスラム教においては自殺は大罪であり、100%死ぬことを前提とした作戦はありえない。

次の動画は、シリアのアルカイダ系ジハード主義組織「ヌスラ戦線」が最近公開した動画である。


この動画では、2人のジハード戦士が殉教攻撃を行うが、その内一人は生還を果たす。爆発物を満載した車両を敵陣奥深くに進めてから脱出し、遠隔操作で車両を爆破した後、仲間のジハード戦士たちのところへ見事帰還するのである。果たして仲間の反応はどうであろうか
[
動画の最後のシーンを見ていただければ分かるように、仲間たちは歓呼して殉教攻撃からの生還を祝うのである(画像は仲間の一人が飲み水を与えているシーン)

これが「カミカゼ」であったとすれば、「生き恥を晒した」、「先に死んでいった者たちに申し訳が立たぬと思わぬか」などと理不尽に罵倒され、大変な不名誉ということになろう。イスラム教のジハード主義組織は、旧日本軍のように非合理的で野蛮な組織ではない。

シリアでヌスラ戦線に拘束されたと見られる #安田純平 氏の解放の可能性に関する一考察

フリージャーナリストの安田純平氏がシリア北部で消息を絶ってから、およそ2か月が経過した。アラビア語国際紙『アルクドゥス・アルアラビー』の2015年7月15日付の報道によると、アルカイダ系のジハード主義組織「ヌスラ戦線」に拘束された可能性がある。

この報道によると、安田純平氏はシリア北部の反体制派の支配地区から入国後、まもなく拘束されたとしている。また、日本のテレビ局のために働いているエジプト人ジャーナリストの話として、安田氏は密入国手配業者と合意し、トルコ・イドリブ(シリア北部)間を結ぶ道を通って不法入国したとしている。密入国業者の名前は「マアムーン」だったという。

このエジプト人ジャーナリストは、安田氏がアルカイダ系のジハード主義組織「ヌスラ戦線」に拘束された可能性を懸念しているほか、安田氏は別の反体制組織「アハラール・シャーム運動」の所に向かっていて、行先はトルコ国境に近い町ヤアクビエだったとしている(拘束等に関するヌスラ戦線からの声明は確認されていない)。

一方、「アハラール・シャーム運動」の広報事務所は国際アラビア語紙の取材に対し、安田氏を受け入れて安全を保証する予定だったことや、安田氏に同行していた通訳が、安田氏単独での入国を手配していたこと、そして途中の検問所で安田氏が拘束されたことなどを明かした(安田氏が拘束された検問所の場所も把握しているという)。

反体制派の各組織は、欧米の情報機関が外国人のジャーナリストらをスパイとして利用しているのではないかとの疑いを常に持っているという。

安田純平氏の安否については今も明らかでないが、過去のヌスラ戦線による外国人拘束事例を見る限り、余程の下手な対応でもしない限り、無事解放される可能性が高いと見られる。以下、時系列でなく恐縮であるが、具体的事例を列挙する。


・2013年11月にヌスラ戦線によって拘束されたスウェーデン人宣教者2人が、2015年の4月に無事解放されている(関連報道はこちら)。解放にあたっては、スウェーデン政府がパレスチナ自治政府とヨルダンの情報機関の仲介努力に対して謝意を表明している。

・2014年8月にヌスラ戦線によって拘束されたイタリア人援助関係者2人が、2015年1月に無事解放されている(関連報道はこちら)。イタリア政府による交渉が行われていたと見られる。

・2012年10月にヌスラ戦線によって拘束されたアメリカ人ジャーナリストが、2014年8月に無事解放されている(関連情報はこちら)。解放にはカタール政府の仲介があったとされている。

・2015年6月には、ヌスラ戦線によって拘束されたイギリス人の女性が7か月ぶりに解放されている(関連記事はこちら)。女性はメンタル面で問題のある人物だったとしている。

・少し状況は異なるが、2014年の9月には、ヌスラ戦線によってゴラン高原で一時拘束されたフィジー国籍のPKO隊員45人が解放されている(関連報道はこちら)。


いずれの場合も、有力な仲介者を通じた働きかけや、拘束者の出身国政府をはじめとする関係者によって、長期に亘る粘り強い取り組みが功を奏している。安田氏の日本国政府に対する姿勢等はともかく、邦人保護に当たられている方々のご尽力に期待したい。


【アラビア半島のアルカイダ】イエメン情勢に関する声明 シーア派武装勢力に対する抵抗運動を称賛

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番号:211
題名:رسالة إلى رجال المقاومة في اليمن
和訳:イエメンの抵抗者たちへのメッセージ
公開:2015年9月17日
組織:アラビア半島のアルカイダ(AQAP)
出所:マラーヒム・メディア(AQAPの公式広報部門)
音声:アラビア語

【動画の内容及び解説】
アラビア半島のアルカイダのスポークスマンであるハーリド・バートルフィ師によるイエメン情勢に関する声明。

イエメンは現在、イスラム教シーア派の武装勢力「フーシ派(※ホーシー派などの表記もあり)」に対し、ハディ現大統領を支持する勢力及びサウジアラビア等の合同部隊が掃討作戦を展開しており、内戦状態にある。最近では南部の各地において、スンニ派部族などでつくる「人民抵抗勢力」と呼ばれる民兵組織が攻勢に出ている。

こうした状況を受け、アラビア半島のアルカイダのバートルフィ師は本声明で、「ジハード戦士」たちによるイエメン各地での勝利を称賛するとともに、シーア派との戦いはイラクやシリアでも行われているとして、ジハードの継続を呼びかけている。また、こうした戦果を世俗勢力などに利用されないよう警告している。

これまでアルカイダ系の組織は、欧米や、欧米に協力的な現地勢力を特に敵視するなど、シーア派のような身近な敵よりも遠方の欧米の権益に対する攻撃を重視してきた。今回の声明では、むしろシーア派への攻撃に力点が置かれている。こうした姿勢は、アルカイダと競合・対立関係にあるイスラム国の戦略に近く、激動する地域情勢に対応した戦略の変化が伺われる。

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【 #イスラム国 】ヨーロッパへ向かう難民に警告 イスラム国への移住を慫慂する動画を大量公開

現在、ヨーロッパへ向かうシリア人難民らの問題が注目を集めている。こうした中、イスラム国から難民問題に関する多数の動画が一斉に公開された。これらの動画では、イスラム国の戦闘員や住民たちが登場し、イスラム教の国から「不信心者の国」へ向かうイスラム教徒の難民たちに対し、イスラム法学の観点から警鐘を鳴らすとともに、イスラム国への移住を促している。 

同一のテーマでこれだけ多数の動画が同時に公開されるのは異例である。何十万人ものイスラム教徒たちが、「イスラム教徒の理想郷」であるはずのイスラム国を目指さず、どれほどの苦難に見舞われようとも、世俗法と異教徒が支配するヨーロッパを目指す現状は、イスラム国にとって忸怩たるものがあろう。異例の数の宣伝動画の背景として、必ずしも移民に寛容な国ばかりでないヨーロッパほどにも移民を集めることができないイスラム国としての危機感が垣間見える。

動画の宣伝バナー画像をクリックして視聴又はダウンロード
↓カイル県(シリア)広報部 『失望のキャンプへ』 
カイル県広報部による動画へ

↓ハドラマウト県(イエメン)広報部 『不信心者の国へ向かう難民へのメッセージ』
ハドラマウト県広報部による動画へ

↓ユーフラテス県(シリア)広報部 『イスラム教徒から不信心者の国の避難民へメッセージ』
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↓ファルージャ県(イラク)広報部 『不信心者の国へ移住する軽率な者たちへの警告』
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↓サラハディン県(イラク)広報部 『良い物の代わりに悪しきものを求めるのか』
サラハディン県広報部による動画へ

↓バラカ県(シリア)広報部 『不信心者の国へ向かう難民への忠告』
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↓ホムス県(シリア)広報部 『不信心者の国へ避難するイスラム教徒たちへ』
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↓チグリス県(イラク)広報部 『イスラム教徒による不信心者の国への移住と居住』
チグリス県広報部による動画へ

↓ニナワ県(イラク)広報部 『カリフ国の名誉か、欧米の屈辱か』
ニナワ県広報部による動画へ

↓アルジャジーラ県(イラク)広報部 『難民たちに告ぐ』
アルジャジーラ県広報部による動画へ

↓ラッカ県(シリア)広報部 『避難する者たちへ』
ラッカ県広報部による動画へ

↓アレッポ県(シリア)広報部 『アラーはお前たち以外の者を立てるだろう』
アレッポ県広報部による動画へ

↓ジャヌーブ県(イラク)広報部 『難民たちに十字軍の狡猾さについて警告』
ジャヌーブ県広報部による動画へ

【アルジャジーラの終わり】イスラム国が配信した映像を盗用・加工して「自社の独占入手」などと主張して報道



イスラム国傘下の報道機関「アウマーク通信」は、イスラム国の戦闘員たちに従軍取材し、現地の戦況を独自の映像により伝えている。ごくわずかな例外を除いて外国人の記者による取材をイスラム国は認めていないため、こうした映像を配信できるのはアウマーク通信だけである。

カタールを拠点とする国際放送局「アルジャジーラ」は、「アウマーク通信」が配信した映像から、右端のアウマーク通信のロゴを削除した上で、「アルジャジーラが独占入手した」などと主張し、エジプト軍がシナイ半島北部で行っている空爆作戦の様子を報じた。

これに対し、アウマーク通信は、「某報道機関」によるロゴの削除と無断盗用に抗議する声明を発した。上の動画は、イスラム国を支持するSNSアカウント運営者が、アルジャジーラによる盗用であることを突き止め、その報道ぶりと、アウマーク通信によるオリジナル配信映像をまとめて紹介するものである。

「アルジャジーラ」と言えば、基本的に言論の自由のない中東地域で、数少ないまともな国際放送局だと今でも思われている節があるが、すでにそうした評価は地に落ち、今では単にカタール政府のプロパガンダ機関である。有能なスタッフのほとんどは去り、報道の質の低下が著しい。ジャーナリズムの基本さえ知らないのではないかと思われる稚拙なレポートが散見されるようになって久しい。アラビア語の国際報道なら、BBCやスカイニューズのアラビア語版の方が遥かにレベルが高い。

↓アウマーク通信による抗議声明 アルジャジーラを名指しすることは避ける「配慮」を見せている↓
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アルカイダのザワヒリ指導者の声明『イスラムの春』 続編 第2回

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番号:210
題名:الربيع الإسلامي - الحلقة الثانية
和訳:イスラムの春 第2回
公開:2015年9月13日
組織:アルカイダ(本部)
出所:サハーブ・メディア(アルカイダの公式広報部門)
音声:アラビア語(アラビア語テキスト起こしはこちら

【動画の内容及び解説】 
2015年9月9日に公開されたアルカイダのアイマン・ザワヒリ指導者による声明の続編(第2回)
注目すべき点としては、

・前回に続き、イスラム国のバグダディ指導者のカリフ地位を否定しつつも、同じジハード主義組織として、十字軍(欧米)、世俗勢力、シーア派との戦いにおいては協力するよう、配下のジハード戦士たちに呼びかけ

・イスラム国のバグダディ指導者が、過去にザワヒリ指導者宛てに送った書簡の中で、ザワヒリ指導者に忠誠(バイア)を誓っていたと主張し、それにも拘わらず、忠誠を誓っていないと嘘をついていると非難

・イスラム教徒に改宗した人質については殺害すべきでないと主張(米国人の人質ピーター・カッシグ氏の斬首を関節的に非難)

イスラム国 英語広報誌「ダビク」&「ルミヤ」ダウンロード・リンク先(随時更新中!)

※2017年9月10日現在、「ルミヤ」最新号は第13号である。
※2016年7月31日現在、「ダービク」最新号は第15号である。

「RUMIYAH(ルミヤ)」2017年9月10日配信 第13号
Rumiyah 13 - EN

「RUMIYAH(ルミヤ)」2017年8月12日配信 第12号
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「RUMIYAH(ルミヤ)」2017年7月14日配信 第11号
20170713_IS_Alhayat_Rumiyah_EN


「RUMIYAH(ルミヤ)」2017年6月7日配信 第10号
Rumiyah_10_EN

「RUMIYAH(ルミヤ)」2017年5月4日配信 第9号
Rumiyah_9

「RUMIYAH(ルミヤ)」2017年4月6日配信 第8号
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「RUMIYAH(ルミヤ)」2017年3月7日配信 第7号
Rumiyah 7 - Banner [EN]

「RUMIYAH(ルミヤ)」2017年2月4日配信 第6号
20170204_IS_Alhayat_Rumiyah 6 - Banner


「RUMIYAH(ルミヤ)」2017年1月6日配信 第5号
20170106_IS_Rmiyah_EN_05

「RUMIYAH(ルミヤ)」2016年12月8日配信 第4号
20161208_IS_RUMIYAH_4_EN

「RUMIYAH(ルミヤ)」2016年11月11日配信 第3号
20161111_IS_Alhayat_Rumiyah_3_Banner

「RUMIYAH(ルミヤ)」2016年10月5日配信 第2号
20161005_IS_Alhayat_Rumiyah in English_2

「RUMIYAH(ルミヤ)」2016年9月5日配信 第1号
20160905_IS_Alhayat_Rumiyah_01

『DABIQ(ダビク)2016年7月31日配信』 第15号『十字架を砕け』
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『DABIQ』(ダビク)2016年4月13日配信 第14号『背教者の同胞団』
画像をクリックして広報誌「ダビク」を閲覧又はダウンロード

↓画像をクリックでオリジナルPDFファイルのリンク先へ移動
『DABIQ』(ダビク) 英語版 第1号「The Return of Khilafa」(カリフ制の復活)
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『DABIQ』(ダビク) 英語版 第2号「The Flood」(洪水)
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『DABIQ』(ダビク) 英語版 第3号「A Call to Hijrah」(移住の呼びかけ)
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資料名:『ダビク』(※DABIQ、報道機関によっては『ダービク』の表記も) 英語版 第4号 「十字軍の挫折」(the Failed Crusade)
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資料名:『ダビク』(※DABIQ、報道機関によっては『ダービク』の表記も) 英語版 第5号 「存続し拡大する」(REMAINING AND EXPANDING)
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『DABIQ』(ダビク) 英語版 第6号「AL QAIDAH OF WAZIRSTAN A TESTIMONY FROM WITHIN」(ワジルスタンのアルカイダ ~ とある内部証言)
 ↓画像をクリックでオリジナルPDFファイルのリンク先へ移動
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先日、イスラム国の戦闘員によって殺害されたヨルダン人戦闘機パイロットのインタビューが掲載されている。

↓画像をクリックで「ダビーク」PDFファイルのリンク先へ移動
『DABIQ』(ダビク) 英語版 第7号「FROM HYPOCRISY TO APOSTASY - THE EXTINCTION OF THE GRAYZONE」(偽善から背教へ グレーゾーンの消失)
B9oYV-nIEAA1cjw画像をクリックして動画を視聴


『DABIQ』(ダビク) 英語版 第8号「SHARI'A ALONE WILL RULE AFRICA」(イスラム法のみがアフリカを支配する)

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『ダビク』第9号~第12号 ↓クリックでpdfファイルダウンロード
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アルカイダのザワヒリ指導者 イスラム国のバグダディ指導者のカリフ地位認めずも、共闘を否定せず


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番号:209
題名:الربيع الإسلامي - الحلقة الأولى
和訳:イスラムの春 第一回
公開:2015年9月9日
組織:アルカイダ(本部)
出所:サハーブ・メディア(アルカイダの公式広報部門)
音声:アラビア語

【動画の内容及び解説】
内容は、以下の毎日新聞の記事を参照

アルカイダ:ISと共闘模索か ネットに声明
毎日新聞 2015年09月10日 12時03分(最終更新 09月10日 17時38分)

 【カイロ秋山信一】国際テロ組織アルカイダの最高指導者ザワヒリ容疑者の声明とされる音声記録が9日、インターネット上で公開された。声明は、敵対する過激派組織「イスラム国」(IS)の正統性を否定する一方で、「イスラム聖戦士は残酷な十字軍(米欧諸国)に対して団結すべきだ」と述べ、米国などに対して共闘する必要性を訴えた。

 音声は約45分間で、「イスラムの春」と題する一連の声明の第1弾として公開された。ロイター通信によると、8カ月以上前に録音されたとみられる。

 声明はISのバグダディ指導者について「カリフ(イスラム指導者の伝統的称号)だとは絶対に認められず、イスラム教徒は従う必要などない」と批判。一方で、「私がイラクやシリアにいれば、(ISと)共にキリスト教徒や世俗主義者と戦う。カリフを巡る論議よりも大きな問題だからだ」と述べた。(※以下略)

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ザワヒリ指導者の声明のアラビア語テキスト起こしはこちら

【イスラム国】英語広報誌「ダビク」最新第11号 パルミラ遺跡のベル神殿爆破 ノルウェー人と中国人の人質公開

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イスラム国公式の英語広報誌「ダービク(DABIQ)」の第11巻が発刊された。

注目すべき内容としては、シリア中部のパルミラ遺跡のベル神殿を爆破した際の写真と、ノルウェー人と中国人の人質の存在を公開し、身代金を払う用意がある者を募っていることだろう。

イスラム国の広報誌「ダビク」が、アルカイダの広報誌「インスパイア」と同じ日に発刊されたのは、果たして偶然だろうか。

※追記 2015年9月11日 NHK報道
IS 攻撃対象に日本の外交官も
9月10日 21時25分

過激派組織IS=イスラミックステートは、機関紙の最新号で、ISに対抗する国々の国民を攻撃するよう支持者に呼びかけていて、具体的な攻撃の対象としてインドネシアやマレーシアなどに駐在する日本の外交官も挙げました。
過激派組織ISは9日、インターネット上で公開した英語版の機関紙「ダービク」の最新号の中で、ISの支持者に対して「十字軍の連合に加わる国は70か国以上ある。十字軍の国民であれば、世界のどこであっても殺すべきだ」と、ISに対抗する国々の国民を攻撃するよう呼びかけました。そのうえで、具体的な攻撃の対象として、ボスニア・ヘルツェゴビナやマレーシア、それにインドネシアに駐在する日本の外交官や、アルバニアやコソボなどに駐在するサウジアラビアの外交官などを挙げています。また、アメリカでは、ロサンゼルスやミシガン州ディアボーンに住むイスラム教シーア派の人たちを狙うよう呼びかけています。ISが、今回なぜ、こうした人たちを攻撃の対象に選んだのか、その理由については触れていません。インドネシアの首都ジャカルタにある日本大使館は「ISの機関紙に出た内容は承知している。大使館ではふだんからテロ対策を講じており、今後も対策を続ける」と話しています。

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↓パルミラ遺跡のベル神殿を爆破したことを示す写真
ベル神殿

ノルウェー人と中国人の人質について人定事項を公開し、これらの人質を見捨てた政府の代わりに身代金を払う用意のある者を募っている。
ノルウェー人の人質中国人の人質

「アラビア半島のアルカイダ」の公式広報誌『インスパイア』の最新第14号「暗殺作戦」発刊

「インスパイア」の発行は、2014年12月の第13号以来である。

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ジハード主義の信奉者たちに向けて、バーナンキ前FRB議長やマイクロソフトの創業者ビル・ゲイツ氏といったアメリカ経済界の重要人物を暗殺の標的として挙げている。

イスラム国シナイ州によるエジプト軍との戦闘動画 フリゲート艦の破壊映像を公開

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番号:208
題名:حصاد_الأجناد
和訳:戦士たちの収穫
公開:2015年9月1日
組織:イスラム国シナイ州(旧アンサール・エルサレム)
出所:シナイ州広報部(イスラム国傘下)
音声:アラビア語

【動画の内容及び解説】
イスラム国シナイ州がこれまでに行ってきたエジプト政府軍に対する攻撃作戦等をまとめた宣伝動画。

冒頭、「タウヒードとジハード集団」や、「アンサール・エルサレム」など、これまでシナイ半島を拠点としてきたジハード主義組織の歩みを紹介しながら、「アンサール・エルサレム」がイスラム国のバグダディ指導者に忠誠を誓い、「イスラム国シナイ州」となったことや、ムバラク政権崩壊後のエジプト情勢の顛末に触れた後、「シナイ州」による数々の対エジプト軍攻撃作戦の映像が公開される。

重要な内容としては、イスラム国シナイ州がコンクルス型対戦車ミサイルを使用してエジプト軍のフリゲート艦を破壊する映像だろう。イスラム国シナイ県は、過去に爆発し炎上するフリゲート艦の写真を公開していたが、エジプト当局は単に「火災である」として、シナイ州側の主張を否定していた。今回映像が公開され、エジプト軍の発表が虚偽に過ぎないことが明らかになった。

動画タイムコードの32分22秒から、フリゲート艦の破壊映像
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