ジハード戦士の動画・声明の記録





________YouTube公式は
こちら 
新規公開動画のリンク切れについては随時修復
 اسمع منهم لا تسمع عنهم 

2016年05月

【安田純平氏拘束】シリア人ジャーナリストが新たな画像をツイッターで公開 『助けてください これが最後のチャンスです』

シリアのアルカイダ系組織「ヌスラ戦線」に拘束されていると見られる日本人ジャーナリスト・安田純平氏の新たな写真を、シリア人ジャーナリストのタリク・アブドルハック氏がツイッターで公開した。なお、アブドルハック氏は、2016年3月にも安田純平氏の動画を公開している。
TWITTER
ターリク・アブデルハック氏のツイートの内容は、 次のとおりである。
 「シリアで拉致されたジャーナリストのヤスダ・ジュンペイが、『助けて下さい、これが最後の解放のチャンスです』と嘆願するメッセージを送っている」

また、NHKの報道によると、アブドルハック氏は、「ヌスラ戦線と直接連絡を取り合っている別の男性から依頼を受け、写真を投稿した」としている。

なお、先日終わったばかりのG7伊勢志摩サミットでは、日本政府が議長国としてまとめた首脳宣言で、「テロ集団」には身代金を払わないと明言し、すべての国に対し、そのようにするよう求めていた。


※追記
朝日新聞も、ターレク・アブドルハク氏に取材している。身代金の金額や期限にまで言及するなど、NHKよりも内容が具体的である。イスラム国に引き渡すおそれも指摘している。

以下、朝日新聞記事の該当部分を引用

写真の投稿者は30日、朝日新聞の取材に応じた。3月に安田さんとみられる男性の動画を公開したのと同一のシリア人で、現在トルコにいるという。

 投稿者によると、写真の公表は交渉仲介者から依頼された。その際、仲介者は「6月28日でヌスラ戦線が安田さんの身柄を拘束して半年になる。身代金1千万ドル(約11億円)を要求したが、日本政府や関係者が交渉に動かないので、期限を切ることにした。身代金支払いに1カ月の猶予を与える」と話したという。

 さらに、日本側が応じなければ、過激派組織「イスラム国」(IS)と人質を交換するため安田さんを引き渡すだろう、とも述べたという。実際にヌスラ戦線が安田さんを拘束しているのかどうかは不明で、別の組織が名前を利用している可能性もある。

 ヌスラ戦線は外国人ジャーナリストや人道援助関係者らの誘拐を繰り返しているが、身代金を得られれば解放するケースが多い。5月上旬には、昨年7月にシリア北部で拘束し、人質にしたスペイン人ジャーナリスト3人を解放した。

 トルコ紙イェニ・シャファクなどによると、スペイン政府はトルコ、カタール両政府に協力を要請。ヌスラ側は当初、身代金として計2500万ドルを要求したが、トルコ、カタール両政府が仲介者を通じてヌスラ側と交渉を重ね、人質1人につき370万ドルをスペイン政府が払うことで決着させたという。

 スペインメディアによると3人は一時期、安田さんとともに拘束されていたという。ただ、いつ、どこで一緒だったかなどの詳細は明らかになっていない。
 

【アフガニスタン首長国(タリバン)】ハイバトゥッラ・アクンザーダ新指導者に忠誠を誓う戦闘員たち(※追記あり)



 
2016年5月21日、「アフガニスタン首長国」(アフガニスタンのタリバン)のアクタル・マンスール指導者が、米軍の無人機による空爆で暗殺されたことを受け、ハイバトッラ・アクンザーダという人物が、「信徒たちの長(アミール・ムウミニン)」として新たな指導者に就任したと25日に発表された。

上の動画は、タリバンの戦闘員たちが、アクンザーダ指導者に忠誠を誓う様子を撮影した動画である。2016年5月27日に、タリバンの広報活動を担っているSNS(テレグラム)アカウントから配信された。

当ブログ管理人はパシュトー語は解さないので、詳しい内容は不明だが、忠誠の誓いはアラビア語によって行われている。報道関係の方々は、マンスール指導者の暗殺後のタリバンの資料映像として、是非活用いただきたい(※以下、5月29日に追記した動画の方がインパクトがあり、画質もよいので、そちらをお勧めしたい)。

※2016年5月29日追記
タリバンの殉教攻撃部隊「アハル・ジャンナ(天国の民)」がアクンザーダ師への忠誠を誓う動画(2016年5月29日配信)
↓画像をクリックして動画を視聴またはダウンロード
画像をクリックして動画をダウンロード又は視聴画像をクリックして動画を視聴またはダウンロード



↓「信徒たちの長」ことハイバトッラ・アクンザーダ新指導者
Shaikh Alhadith Mavlavi Hibatullah Akhunzada
 イスラム法学者であり、「クルアーンとハディースの師」という称号の持主

↓米軍の無人機による空爆で暗殺されたマンスール前指導者
20160609_Taliban_Afghanistan_Akhtar_Mansour

【安田純平氏の拘束】G7首脳宣言で「テロ集団への身代金不払い」

G7 身代金不払い
G7伊勢志摩サミットで、首脳宣言が採択された。
宣言の内容で注目されるのは、所謂「テロ集団」への身代金の支払いに関する独立した項目をわざわざ立てて、「我々は身代金を支払わず」「全ての国に対し、そのようにするよう求める」と明記している点である。

現在、日本人フリージャーナリストの安田純平氏がヌスラ戦線によって拘束されていると見られる。そうした中、日本はG7サミットの議長国としてこの声明文をとりまとめたのであり、安田氏の解放のために身代金を払うというオプションを(少なくとも表向きには)完全に放棄した形となった。仮に密かに身代金を払ったことが発覚すれば、G7首脳宣言に対する明白な違反である。しかも、「すべての国に対し、そのようにするよう求め」てしまっては、仲介国が代わって巧妙に支払うことさえ許されない。

中東地域に対して欧米諸国のような人脈や政治力がある訳でもなく、人質交換のための捕虜や受刑者を確保している訳でもない日本が、身代金を払わずに安田氏を解放させるのは、極めて困難なのが現実である。せっかく議長国だったのだから、邦人救出のための手段を自ら制限することもなかったのではないか。遺憾ながら、安田氏の苦難は長引きそうだ。

【イスラム国】宗教警察がアイスキャンディー工場を査察・・・ハラールの確保には不断の努力を要する

00
↑画像をクリックしてモスルのアイスキャンディ工場の画像を閲覧

イスラム国のニナワ県広報部が、モスル市内のアイスキャンディー工場の様子を撮影した写真を公開した。一部の画像においては、査察に訪れたイスラム国の宗教警察「ヒスバ」の隊員が、製造工程の監視と検査を行っている状況が確認できる。

食品のハラールを確保していくためには、工場やレストラン等に対し、抜き打ち査察や強制的な検査を行う権限を有する公的機関を設置して、シャリーアに精通した職員による不断の努力が不可欠なのだ。

外国人観光客の急増を受け、日本でもようやく「ハラール」に関する意識が高まっているが、「豚肉やアルコールは使用していません」という根拠薄弱な自己主張や、商魂たくましい民間団体が発行する怪しげな「ハラール認証」などでは、全く不十分である。廃棄処分のビーフカツ等が堂々と転売されているアナーキーな日本の流通業界において、多少なりとも意味のある「ハラール認証」制度の実施など、夢の又夢であろう。


↓原料の貯蔵庫
0102

↓アイスキャンディーの生産現場で過酷に働く労働英雄たち
03
07
09
10
16
21

↓生産工程を厳しく監視・検査する宗教警察「ヒスバ」の隊員
18
19

↓イスラム教徒の食の安心確保の道程は、かくも険しい。
20

【イスラム国】ジャブラ・タルトゥースでの連続爆破作戦を敢行した殉教者10人の氏名を公表…多数の地元出身者を含む

2016年5月24日、イスラム国のアラビア語公認紙『アルナバア』の第32号が配信された。23日にシリア北西部の都市ジャブラとタルトゥースで敢行された連続爆破事件に関する記事の中で、作戦の実行者10人の氏名を公表した。

An Naba Banner_32

まず、タルトゥースの作戦での殉教者は、次の5人(括弧内は出身地、※はシリア北西部地中海沿岸の都市)である。

1.アブ・アブドラ・タルトゥーシ           (※タルトゥース)
2.アブ・ジュライビーブ・テル・カルク (※テルカルク)
3.アブ・オマル・ムハージル             (いわゆる「外国人戦闘員」)
4.アブ・オスマン・ダルアウィ            (ダルア)
5.ジャッラーハ・バニヤシ                 (※バニヤス)

そして、ジャブラの作戦での殉教者は、次の5人である。

6.アブ・タマム・サーヒリ                  (※沿岸地方)
7.アブ・マリク・ジャブラウィ             (※ジャブラ)
8.アブ・ヤジド・ラズカーニ              (※ラタキア)
9.アブ・アイマン・シャーミ               (ダマスカス)
10.サラカ・ルブナーニ                    (レバノン)

実に10人中6人が、今回の殉教攻撃の現場に近い地方の出身者である。イスラム国はアサド独裁政権の根拠地において、現地の事情に通じた地元出身者のリクルートに成功していることをうかがわせる。現地社会に溶け込みながらネットワークを築いているとなると、摘発は一筋縄にはいかず、アサド独裁政権にとってはさぞや脅威であろう。せいぜい疑心暗鬼となり、根拠薄弱な容疑で無実の人間まで闇雲に拷問するぐらいしか手はあるまい。

「アルナバア」のバックナンバー・リンク一覧はこちらから。電子版全号(第10号から)の閲覧が可能である。
英語広報誌『ダビク』のバックナンバー・リンク一覧はこちら。 

【イスラム国】シリア北西部の地方支部「サーヒル県」が復活

20160523_IS_Saahil_Jablah_Attack_Statement
2016年5月23日に発生した、シリア北西部の都市ジャブラとタルトゥースでの連続爆発事件に関し、イスラム国「サーヒル県」から、攻撃を行った旨の声明(※上の画像をクリックするとオリジナルサイズの声明画像をダウンロード可能)が発出された。一連の爆発で、多神教徒のヌサイリ派(※アラウィ派)150人超を殺害、その倍の負傷者が出たとしている。

Uyuun_Umma_Wilayah_Saahil

「サーヒル」とは、「沿岸」を意味するアラビア語である。シリアの当該地方について「サーヒル県」というイスラム国地方支部の名称が使用されるのは、上の画像を見てのとおり、前身組織である「イラクとレバント地方のイスラム国(所謂ISIS又はISIL)」の時代に遡り、カリフ制復興を宣言してからは初めてである。

当該地方はアサド独裁政権の牙城であるが、このレベルの連続爆破攻撃を成し遂げたということは、イスラム国は再び組織として浸透したと見てよい。

↓アウマーク通信社による速報バナー
20160523_IS_Amaq Agency Tartus&Jablah Attack

そして、関連のNHK報道は次のとおりである。わが国公共放送が、遂に「アマーク通信」について言及した点が注目に値する。


シリアで7回の爆発 78人死亡 ISの犯行か
5月23日 20時45分
シリア北西部にある2つの町で、爆弾を積んだ車などによる爆発が7回相次いで、これまでに少なくとも78人が死亡し、過激派組織IS=イスラミックステートにつながりのあるアマーク通信は、ISが実行したものだと伝えました。
シリアの国営通信によりますと、北西部の地中海に面した2つの町、タルトゥースとジャブラで、23日、爆発が相次ぎました。このうち、タルトゥースでは、駐車場に止めてあった車が突然爆発したあと、集まってきた人たちを狙ったとみられる自爆テロが起きたということです。
また、タルトゥースから北に40キロほど離れたジャブラでも、同じように駐車場で爆発があったあと、続けて自爆テロが起きたほか、病院の入り口などでも自爆テロが相次ぎました。
シリア国営通信によりますと、合わせて7回の爆発で、これまでに少なくとも78人が死亡し、けが人も多数出ているということです。また、シリアの内戦の情報を集めているシリア人権監視団は、一連の爆発の死者は100人を超えているとしています。
今回の爆発のあと、過激派組織ISにつながりのあるアマーク通信は、「ISの戦闘員がアラウィ派の集まる場所を狙って攻撃した」として、ISが、アサド政権を支持するシーア派の一派を標的に実行したものだと伝えました。

【イスラム国】NHKが新たな声明の発表受け、アドナニ師の重傷報道を事実上修正


イスラム国の公式スポークスマンであるアドナニ師による先の声明について、NHKも報じた。その報道の末尾で、今年の1月8日にイラク政府の発表として伝えていた「アドナニ師が空爆により重傷を負った」という報道について触れて、婉曲的ではあるが事実上修正した。

イラク政府が発表する情報の信憑性の問題については、改めて言及する必要はないだろう。

ところで、最近NHKは、「アドナニ」のほか、「ナシード」といった一般には未だ耳慣れないであろう固有名詞や専門用語を使うようになってきている。シリア北西部のジャブラ及びタルトゥースでの相次ぐ爆発に関するこちらの報道では、何とイスラム国公式の「アマーク通信」に言及して引用までしている。

わが国においても、イスラム国やジハードをめぐる詳しい情報に接する機会が増えており、NHKとしてもリテラシーの向上を意識しておられるのだろう。アドナニ重症説に関する今回の修正についても、公共放送としての使命感と誠意が感じられる。

今回声明に関するNHKの報道の内容次のとおりである。

*     *     *

IS 断食月にテロ促す音声メッセージ ネットで公開

5月22日 19時13分

過激派組織IS=イスラミックステートは、欧米の国々で暮らす支持者に対して、来月上旬から始まるイスラム教の断食の月の間に自国でテロを行うよう促す音声メッセージを21日、インターネット上に公開し、欧米の国々を動揺させるねらいがあるとみられます。
およそ30分に及ぶアラビア語の音声メッセージは、過激派組織ISのスポークスマン役を務めるアドナニ容疑者のものとして21日、インターネット上に公開されました。

ISはこのところ、イラクやシリアなどで劣勢が伝えられていますが、メッセージでは、現在ISが支配している拠点都市が仮に制圧されたとしてもISを屈服させたことにはならないと主張しています。

そのうえで、欧米で暮らすISの支持者に対し、来月上旬から始まるイスラム教の断食月ラマダンに合わせ、「ISに加わろうとするより、自分が今いる場所で十字軍に昼夜を問わず罰を与えよ」と述べ、欧米の各国で政治や経済の中枢を狙って、テロを行うよう促しました。

断食月はイスラム教徒の信仰心が高まる時期で、ISとしてはこの時期に合わせて支持者の行動を促すとともに、フランスやベルギーで起きたテロ事件を連想させるメッセージを出すことで、欧米の国々を動揺させるねらいがあるものとみられます。アドナニ容疑者は、ことし1月にイラク政府軍の空爆で負傷したと伝えられていました。

*     *     *

NHKは、先のイラク政府が発表したアドナニ師の空爆負傷情報を、次のとおり伝えていた。

*     *     *

 

スポークスマン 空爆で重傷か

NHK 1月8日 18時49分配信

過激派組織IS=イスラミックステートとの戦いを進めるイラク政府軍は、イラク西部で行った空爆でISのスポークスマン役を務める男に大けがを負わせたと発表しました。

イラク政府軍は7日、声明を発表し、首都バグダッドからおよそ200キロ離れた西部のアンバール県のバルワナで空爆を行い、過激派組織ISでスポークスマン役を務めているアドナニ容疑者に大けがを負わせたと発表しました。

空爆は数日前に行われたもので、アドナニ容疑者は手当てを受けるためISが拠点としているイラク第2の都市モスルに運ばれたとしています。

アドナニ容疑者は隣国のシリア出身で、10年以上前にイラクでアメリカ軍に対する武装闘争に加わり、現在はISの指導者のバグダディ容疑者の側近だとも言われています。また、アドナニ容疑者はISが出す声明の中で、イスラム教徒に対して欧米などとの戦いに加わるようたびたび呼びかけていて、アメリカ政府が500万ドル(日本円でおよそ6億円)の懸賞金を懸けて行方を追っていました。


↓参考:アドナニ師の前回(2015年10月)の声明はこちらから↓
image

【イスラム国】公式スポークマンのアドナニ師による7か月ぶりの声明 死亡が報じられた最高幹部ウマル・シシャニは健在か

画像をクリックして動画を視聴又はダウンロード
↑画像をクリックして音声の声明を再生又ははダウンロード↑

題名:وَيَحْيَى مَنْ حَيَّ عَن بَيِّنَةٍ
和訳:生き延びる者は明証によって生き延びさせる
公開:2016年5月21日
組織:イスラム国(IS、旧ISIS又はISIL)
出所:フルカーン・メディア(イスラム国公式)
音声:アラビア語
重要:★★★☆☆


【内容及び解説】

イスラム国の公式スポークスマン・アブムハンマド・アドナーニ師の音声による声明。アドナーニ師の声明は、2015年10月13日以来、実に7か月ぶりとなる。声明のタイトルは、『聖典クルアーン』の「戦利品章」からの引用である。

このところ劣勢が報じられているイスラム国であるが、アドナニ師は声明で、これまでのイラクでの13年に及ぶアメリカとの戦いを振り返り、アメリカは勝利していないと断じている。イスラム国が支配下にあった街をどれだけ失おうとも、何人幹部を殺害されようとも、アメリカの勝利を意味するものではなく、イスラム国が敗北するとすれば、アメリカがイスラム教徒の胸から聖典クルアーンを奪い去った時だけだと主張している。

その文脈で、「もし(オマル)シシャーニやアブバクル(バグダディ)を殺害したら、お前たちが勝利したことになるというのか」とアメリカを挑発している。この発言から、殺害されたと一部で報道された最高幹部の一人であるオマル・シシャニ師は健在であることを示唆している。

また、ラマダン月をジハードと征服の月であるとして、次のように呼びかけている。
冒頭より28分29秒辺りから 28分55秒まで
「ヨーロッパとアメリカにいるカリフの国の戦士と支持者に告ぐ。アラーのしもべたちよ、イスラム国への移住の扉を悪魔の政府に閉ざされたなら、その国内でジハードの扉を開けよ。そうして彼らに後悔させるのだ。諸君らの国々でのささやかな行為は、ここ(イスラム国)での最大の行為よりも、我々にとっては遙かに喜ばしい」



↓ラジオやメディア・キオスクでアドナーニ師の声明を聴くラッカ市民たち
1
6
7
8

↓ジャヌーブ県では声明の視聴だけでなくテキストの配布も行われた。
adnani4
adnani3
adnani1

【イスラム国】インドネシアとマレーシア出身のジハード戦士たちの動画 ナシードの古典的名曲『グラバー』を披露

画像をクリックして動画を視聴又はダウンロード
↑画像をクリックして動画を視聴又はダウンロード

題名:جيل الملاحم
和訳:激戦地の世代
公開:2016年5月16日
組織:イスラム国(IS、旧ISIS又はISIL)
出所:バラカ県広報部(イスラム国傘下、旧シリア領)
音声:インドネシア語、アラビア語
重要:★★☆☆☆

【内容及び解説】
インドネシアとマレーシア出身のジハード戦士たちによる宣伝動画。少年兵の訓練の様子や、パスポートを集団で焼却するシーンなどが含まれている。
何と言っても注目すべきは、インドネシア人のジハード戦士がナシード「グラバー(奇妙な者たち)」を披露する感動的な場面だろう。該当部分を抜粋した動画を、日本語字幕を付してYoutubeにアップしておいたので、ナシードの古典的名曲を是非堪能してほしい。当ブログの過去記事も参考になるだろう。

【アラビア半島のアルカイダ】公式広報誌『インスパイア』第15号 英語版とアラビア語版を同時配信

20160514_AQAP_Inspire_poster_English_120160514_AQAP_Inspire_poster_English_2
↑画像をクリックして『インスパイア』英語版を閲覧又はダウンロード↑

2016年5月14日、アラビア半島のアルカイダ(AQAP)の公式広報部門「マラーヒム・メディア」より、広報誌『インスパイア(INSPIRE)』第15号の英語版及びアラビア語版が同時配信された。『インスパイア』は、2015年の9月に14号が配信されて以来、8か月ぶりの新刊となる。「プロの暗殺」と題して、ローン・ウルフ型と呼ばれる単独でのジハードのノウハウ紹介や、AQAP幹部であるフバイブ・スーダーニ師のインタビューが掲載されている。

↓アラビア語版のダウンロードはこちらから↓
20160514_AQAP_Inspire_poster_arabic_a_small
20160514_AQAP_Inspire_poster_arabic_a_small_2
↑画像をクリックして「インスパイア」第15号を閲覧又はダウンロード↑

【イスラム国】子ども向けアラビア語アルファベット学習アプリ公開…「ジ」は「ジハード」の「ジ」※追記2件あり

20160510_IS_Himmah_huruf_banner_01
↑画像をクリックしてアンドロイド用アプリをダウンロード↑

2016年5月10日、イスラム国の公式出版部門「マクタバトルヒンマ」が、子ども向けアラビア語アルファベット・スペル学習用アンドロイド・アプリ『タトビーク・フルーフ』を公開した。アラビア語のアルファベットや、「せんしゃ」「ライフル」等の単語のスペルをゲーム感覚で学ぶことができる。
らいふるたいほうせんしゃ

アプリにはアルファベット学習用のナシードもある。子ども用といって侮ってはいけない。次の動画で聴くことができるが、日本人のアラビア語学習者で、このナシードをスラスラと口ずさめるレベルにある者は稀であろう。


「ジ」は敵に「ジ」ハードしよう~♪・・・「こ」は偶像を「こ」わしたよ~♪

※↓2016年5月18日追記
NHKがこのアプリについて報じた。わが国公共放送が「ナシード」という単語を解説つきで使用したのは初めてではないだろうか。聞きなれない外来のカタカナ言葉を使うだけでクレームを入れてくる視聴者がいるにもかかわらず、なかなかの英断である。イスラムに関するリテラシーが着実に向上していることは喜ばしい。

NHKによる関連報道
IS幼児向け教育アプリ エジプトが警告「洗脳のおそれ」
5月18日 6時55分
過激派組織IS=イスラミックステートがスマートフォンの幼児向けの教育アプリを公開し、これに対し、エジプト政府は子どもたちがISのプロパガンダに洗脳されるおそれがあると利用者に警告しました。
過激派組織ISは今月10日、スマートフォン用の幼児向け教育アプリをインターネット上のファイル共有サイトなどで公開しました。
アプリのトップ画面には「アラビア文字を学ぶ」などのメニューが書かれたかわいらしいイラストとともに、ISのシンボルマークが書かれた黒い旗がデザインされていて、イスラム教の宗教歌、ナシードが流れます。そして、アラビア語の文字や単語をイラストで学べる仕組みですが、単語には「銃」や「戦車」「弾薬」「大砲」など、軍事的なことばが不自然に多く登場します。
アプリの公開を受け、エジプト政府で宗教を管轄する当局は、利用者の親に向けて声明を発表し、「アプリのねらいは幼い子どもたちを勧誘することであり、子どもたちを洗脳のためのプロパガンダの標的とさせてはいけない」と警告しました。
エジプトでもISなどイスラム過激派組織の活動が活発化しており、エジプト政府が過激思想の広がりに神経をとがらせていることがうかがえます。

※2016年5月29日追記
アラビア語アルファベット学習アプリのPC版と、プロモーション動画が公表された。


↓画像をクリックしてPC用アプリをダウンロード
20160529_IS_Maktabah_Himmah_huruf_PC_banner_02

↓画像をクリックして学習アプリの宣伝動画を視聴又はダウンロード
20160529_IS_Maktabah_Himmah_Huruuf_Banner


【イスラム国】宣伝動画の傑作10選 ダイジェスト映像

20160509_IS_Alhayat_Selected_10
↑画像をクリックして動画を視聴又はダウンロード↑

題名:SELECTED 10 VIDEOS FROM THE WILAYAT OF THE ISLAMIC STATE
和訳:イスラム国各州・県からの動画10選
公開:2016年5月9日
組織:イスラム国(IS、旧ISIS又はISIL)
出所:アルハヤト・メディア・センター(イスラム国公式)
音声:アラビア語(英語字幕)


【内容及び解説】
イスラム国から最近公開された動画の中から、傑作10本をまとめて簡潔に紹介する内容。これまでにも、下記のような大型宣伝バナーが「ダビク」などに掲載されていたが、ダイジェスト動画が作成されるようになっている。

↓画像をクリックして動画を視聴又はダウンロード↓
20160509_IS_Alhayat_Selected_10_List

【イスラム国トリポリタニア州】リビアの有力部族の族長たちと会合 社会的支持基盤の確立を推進

no title
 
イスラム国のリビア西部支部「トリポリタニア州」が、リビア有力部族の族長(シェイク)たちと会合し、関係の強化に努めている。部族社会であるリビアを長期的に統治していくためには、各地域の伝統的有力部族からの支持が欠かせない。イスラム国はリビア社会への浸透に本腰を入れていることが分かる。

↓リビア最大部族「ワルファラ族」の族長たち↓
1
2
4
6

↓南西部フェザーン地方の有力アラブ系部族「アウラード・スレイマン」族の族長たち
7

故カダフィ指導者の出身部族であった「カザーズィファ族」の族長たち
9

シリア内戦の行方 国際社会は揃ってアサド独裁政権の存続を容認

アサド独裁政権とロシアの連合軍が、シリア北部アレッポの反体制派支配地区に対して、徹底的な空爆作戦を行っている。ジュネーブでの和平協議と並行して行われていた、アサド独裁政権と反体制派の停戦は事実上崩壊状態にある。

アサド独裁政権と、その同盟国であるロシアが、一般市民の虐殺をものともせずに極めて強気の戦略に出られる理由は、シリアの和平プロセスにおいてアサド独裁政権を存続させることを、国際社会が一致して容認したためだ。このことは、『アルアラビ・アルジャディード』紙 による国連の機密書類のリーク記事で明らかになった。

カタール王室がスポンサーをしている、この国際アラビア語紙によれば、国連でシリア問題を担当するデミストゥラ特使が安全保障理事会に提示していた、シリアの和平プロセスに関する「ジュネーブ宣言の履行枠組み文書」の「第一案」を入手し、その全文を2016年4月25日付記事として報じた。

↓画像をクリックして「ジュネーブ宣言の履行枠組み文書」の「第一案」を閲覧
ジュネーブ宣言の履行枠組み文書・第一案全文を閲覧又はダウンロード


文書本文の第17節及び第18節には、次のとおり記されている。

「17.既存の国家機関は維持されるが、改革が行われる。当該機関には、軍、治安機関及び司法機関も含まれるものとし、専門性の確保と多様性の拡充が行われる。」
「18.バアス党の根絶措置は行われない。移行プロセスにおける信頼醸成に鑑み、暫定合意では、紛争における役割に鑑みて公職に就くことを許されない120名のリストについて、諸派の合意を得るものとする(特定の諜報機関については閉鎖される)。」

既存の統治機構は、「改革」された上で維持することを明言し、バアス党の根絶もなされず、120人の公職追放のみということは、アサド政権は、ほぼ現状のまま存続を許されたも同然である。

さらに「第一案」の付属文書4の第51節では、「シリア大統領」であるバッシャール・アサドの存続を明示している。すなわち、『以上に加えて、(※政権の移行段階における)準備期間の設定は、大統領が当該期間中に一部の任務を遂行する可能性を暗に示すものである。ただし、軍事や治安に関する事項の監督といった主要な任務については、当初から暫定統治機構の責任とする(なお現政府は、暫定統治機構内において代表されることになる)。』と記されている。

この報道によれば、安全保障理事会の常任理事国の中で、唯一フランスが『第一案』に難色を示したため、デミストゥラ特使は、第51節やその他の項目を削除して新たな文書案を作成したという。そこでは、大統領が『儀礼的な権能を維持する』といった表現が盛り込まれ、アサド大統領の処遇は曖昧にされたとしている。

すなわち、米英を始めとする反体制派を支援してきた国々も、デミストゥラ特使が示した和平プロセス案を了承したことを意味している。修正された文書案に対するフランスの態度は明らかでないが、デミストゥラ特使が実際に協議を仲介しているということは、アサド政権の存続を前提とする和平案が、国際社会により一致して容認されたものと解される。

わが国のアサド独裁政権研究の第一人者
は小躍りして喜んでいることだろう。他方、今振り返ってみると、2016年2月26日に配信されたヌスラ戦線のジュラーニ指導者による声明は、まさに事態の核心を突いていたのだ。和平協議という空虚な茶番劇と無惨な停戦の崩壊をもって、ジュラーニ指導者の慧眼が、まさに証明されたと言えるだろう。

最高幹部アブ・アリ・アンバリ師 逝く…イスラム国からの本格的な追悼声明はないまま

2016年5月1日、イスラム国ニナワ県(旧イラク領)から次の声明が発せられ、イスラム国の支持者たちがつくるSNSコミュニティの間で衝撃が走った。

↓画像をクリックするとオリジナルサイズの声明を閲覧可能
20160501_IS_Ninawa_Ghazwah_Sheikh_Alanbari

声明の主な内容は、イラクのモスル北東部のバアシーカ及びサラーヒーヤートという2つの地区で、イスラム国の戦闘員がクルド人背教者部隊「ペシュメルガ」の拠点計5カ所を襲撃したという、局地的な戦況を伝えているに過ぎない。

注目されたのは、イスラム国が行った当該作戦の呼称である。声明によれば、「アブ・アリ・アンバリ師の戦い(アラーよ彼を受け入れたまえ)」と名付けられている。(アラーよ彼を受け入れたまえ)という文言は、ジハードの最中に命を落とした殉教者に送られるものである。このような作戦名が用いられるということは、イスラム国の最高幹部の一人であるアブ・アリ・アンバリ師の殉教を、公式に認めたことに他ならない。

なお、2015年の12月、イラク政府軍が空爆により、アブ・アリ・アンバリ師を殺害したなどとする未確認情報が、一部で報じられていた。

かつてアブ・アリ・アンバリ師と双璧をなしていたもう一人の最高幹部であるアブ・ムスリム・トルクマーニ師の殉教については、公式スポークスマンであるアブ・ムハンマド・アドナニ師の肉声による追悼声明が2015年の10月に発出されていた。アブ・アリ・アンバリ師の地位に鑑みるならば、 同様の追悼声明が既に出されていてしかるべきだが、個別の戦況に関する日報において、アンバリ師の死亡を認めることが奇しくも先行する形となってしまった。

イスラム国が旧シリア・イラク領の各地で支配地域を失い、劣勢にあると報じられている。卓越したメディア戦略を誇ってきたイスラム国であるが、らしからぬ最高幹部の死の発表は、その情報配信においても、かつてのような能力を失っていることの現れかもしれない。

記事検索
amazon.co.jp
カテゴリー