2016年06月

【イスラム国】「サイバー・カリフ国連合(UCC)」がカナダ人1万2千人の殺害リストを配信

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2016年6月29日(日本時間)イスラム国のサイバー部門を名乗るSNSアカウント、「サイバー・カリフ国連合(United Cyber Caliphate)は、カナダ人12000人の個人情報(住所、氏名、電話番号、メールアドレス)リストを配信し、殺害を呼び掛けた。内容の性質上、当ブログ上でのダウンロード先リンクの掲載は控えることにする。
上下のバナー画像が、リストとともに配信されている。


ブラックが香るサイバー部門「UCC」が配信したバナー画像↓
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「十字軍どもよ 我らはお前たち全市民の情報を把握している。お前たちのすべての個人情報を保有している。お前たちのシステムは、最も基本的なデータの保護に失敗した。我らはお前たちを見張っている。そしてお前たちを殺すだろう」

【イスラム国】カリフ国の建国から2周年を記念する動画

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↑画像をクリックして動画を視聴又はダウンロード↑

題名:Two Years Since the Caliphate
和訳:カリフ国の建国から2年
公開:2016年6月27日
組織:イスラム国(IS、旧ISIS又はISIL)
出所:アレッポ県広報部(旧シリア領)
音声:アラビア語
重要:★★☆☆☆

【内容及び解説】
カリフ制再興及び建国宣言から2周年を迎えた、イスラム国の現況について紹介する宣伝動画。内容は次のとおり。なお、ハッド刑による処刑のほか、一部に遺体の映像が含まれているところ、リンク先の動画の視聴には注意願いたい。


・冒頭:公式スポークスマンのアドナーニ師によるカリフ制復活及び建国宣言
・カリフであるバグダディ指導者に忠誠を誓うため、世界各地の傘下組織から発せられた声明のリレー
・喜捨「ザカート」の徴収と貧困層への配布の取り組み
・ダアワ(宣教)、ハッド刑の施行、イスラム法裁判所の運営、次世代への教育
・ヒスバ(宗教警察)の活動、故ザルカウィ指導者によるカリフ制復興に関する言及など


↓画像をクリックして動画を視聴又はダウンロード↓
20160627_IS_Halab_Two Years Since the _Caliphate

【イスラム国】ボスニアとフランス出身の戦闘員がフロリダ州やパリ郊外で起きた事件と同様の攻撃を呼びかけ

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題名:أنجع لنا وأنكى بهم
和訳:我らには より有益であり、彼らには より有害である
公開:2016年6月26日
組織:イスラム国(IS、旧ISIS又はISIL)
出所:ニナワ県広報部(旧イラク領)
尺長:9分44秒
音声:ボスニア語、フランス語(アラビア語字幕)
重要:★☆☆☆☆

【内容及び解説】
ボスニア及びフランス出身のジハード戦士3人(と幼児1人)が登場し、フロリダ州のナイトクラブでの銃乱射事件と、パリ郊外での警官刺殺事件を称賛し、同様の攻撃を行うよう欧米諸国のイスラム教徒に呼びかける動画。過去の類似動画はこちらを参照。

↓画像をクリックして動画を視聴又はダウンロード↓
20160626_IS_Ninawa_Anja'u_Lana_Anka_Bihim

【日本語字幕】イスラム国スポークスマンのアドナニ師が登場する貴重な資料映像



イスラム国の公式スポークスマンであるアブ・ムハンマド・アドナニ師は、音声のみの声明を出すのが通例となっており、ここ2年ほどは映像に姿を見せていない。
上の動画は、2012年1月、まだイスラム国が「イラクとシャーム地方のイスラム国」であった頃に公開された宣伝動画『アンバールの春』から、アドナーニ師が登場するシーンを抜粋し、日本語字幕を付したものである。内容は、権力に阿り、信徒を救おうともしないイスラム教スンニ派の導師たち「ウラマー」を非難するものである。顔にボカシがかけられているが、久方ぶりに動くアドナーニ師を、是非堪能していただきたい。

【アラビア半島のアルカイダ】フロリダ州のナイトクラブでの銃乱射事件を分析、イスラム国に忠誠を誓う実行者を称賛して同様の単独型ジハードを呼びかけ

20160623_AQAP_Malahim_NEW INSPIRE GUIDE (ORLANDO OPERATION)
↑AQAP「インスパイア・ガイド」の英語版を閲覧又はダウンロード

アラビア半島のアルカイダ(AQAP)の広報部門「マラーヒム・メディア」は2016年6月23日、「インスパイア・ガイド-オーランド作戦」と題する記事を公開した。記事は英語とアラビア語で配信され、フロリダ州のナイトクラブでの銃乱射事件について分析し、在米のイスラム教徒に向けて、同様の作戦を行うよう呼びかける内容である。記事の日付は6月17日となっており、6月13日の事件発生から間もなく執筆されたということになる。

ところで、当該作戦の実行者であるオマル・マティーン氏は、AQAPのようなアルカイダ系組織ではなく、それとは敵対関係にあるイスラム国に忠誠を誓っていたことが明らかになっている。この点について記事では、「所属する組織にかかわらず、イスラム教徒による対アメリカ攻撃を支持する」、「単独型ジハードは、アルカイダや他の組織によって独占されるものではない」として、すべてのジハード主義組織に対して、単独型ジハードの採用を呼びかけている。


↓AQAP「インスパイア・ガイド」のアラビア語版を閲覧又はダウンロード
20160623_AQAP_Inspire_Orland_Nightclub_Attack_Arabic
 

【イスラム国】サイバー部門「UCC」が殺害リストを配信 日本人の氏名も

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日本テレビのニュース報道によると、イスラム国の「サイバー部門」が、世界各国4000人以上の氏名や電話番号など、個人情報が書かれた名簿を公開し、支持者らに対し、名簿にある人たちを殺害するよう呼びかけた。名簿には日本人も約70人含まれているとしている。

イスラム国のサイバー部門を名乗るSNSアカウント「UNITED CYBER CALIPHATE(サイバー・カリフ連合国)」が、以下のバナー画像のメッセージとともに、当該名簿のエクセル・ファイルを拡散している。(内容の性質上、当ブログでのダウンロード・リンクの掲載は控える。英語の資料ということもあり、普通にインターネットで検索すれば、見つけられないことはないだろう。)

暗殺リスト配信バナー画像

トヨタの「isis」に続き、UCC上島珈琲(株)も、とんだ迷惑であろう。

ucc_Terrorist

↓この琥珀色の画像などは、日本人には香ばしさしか感じられまい。

UCC

↓タイミングの悪いことに、
殊更
「ブラック」を強調・・・

【イスラム国】ロシア軍兵士3人が乗る車両を爆破し殺害 車両の残骸の映像と所持品の写真を公開


イスラム国系メディアの「アマーク通信」の2016年6月22日付報道によると、21日、シリア北部のイスリヤ・ラッカ間道路での戦闘の最中、イスラム国の戦闘員は、逃げるロシア軍の兵士が乗っていた車両を追撃して爆破し、兵士3人を殺害した。
上の動画は、「アマーク通信」が配信した、ロシア軍の兵士が乗っていた車両の残骸を撮影したものである(※遺体の映像はない)。
また、アマーク通信は、死亡したロシア軍兵士の一人が所持していたとする写真や資料の画像9点も公開している。

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【イスラム国】「フィリピン州」として初の公式動画 東南アジア出身の戦闘員3人がラッカ県からジハードを呼びかけ

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題名:البنيان المرصوص
和訳:堅牢な建物
公開:2016年6月21日
組織:イスラム国(IS、旧ISIS又はISIL)
出所:フィリピン州広報部
音声:インドネシア語、マレーシア語、タガログ語、英語(アラビア語字幕)
重要:★★★☆☆

【内容及び解説】
イスラム国「フィリピン州」としての初の公式宣伝動画。フィリピンの4つのグループがバグダディ指導者に忠誠を誓った際の映像や、シリアのラッカ県で撮影されたインドネシア人戦闘員、マレーシア人戦闘員及びフィリピン人戦闘員からのビデオ・メッセージ、フィリピン軍との戦闘の動画、既に殉教した戦闘員たちの資料映像によって構成されている。

戦闘員たちは、出身国の同志たちに対し、イスラム国への参加(シリア又はフィリピン州への移住)や、自国内でのジハードを呼びかけている。また、これら3人の戦闘員たちが、十字軍連合のスパイとされる3人を殺害するシーンも含まれているので、リンク先の動画の視聴には注意願いたい。

↓画像をクリックして動画を視聴又はダウンロード↓
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إِنَّ اللَّهَ يُحِبُّ الَّذِينَ يُقَاتِلُونَ فِي سَبِيلِهِ صَفّاً كَأَنَّهُم بُنيَانٌ مَّرْصُوصٌ
『真にアラーが好むのは、堅牢な建物の如く隊列を組み、アラーのために戦う者たちである』

【イスラム国 ホラサン州】ネパール人兵士が乗るバスへの殉教攻撃で16人死亡 「タリバン」も声明で実行を主張

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↑カブールでネパール人兵士のバスを攻撃した殉教者アルファナッラ・アフマド

イスラム国のホラサン州(※アフガニスタン支部)が発出した声明によると、2016年6月20日、首都カブールのバーニ地区で、アメリカ大使館の警護を担当していたネパール人兵士が乗っていたバスに対して、アルファナッラ・アフマドという人物が爆弾ベルトで殉教攻撃を行い、ネパール人兵士16人が死亡した。
↓イスラム国 ホラサン州から発出された声明の画像

20160620_IS_Khurasan_Kabul_Nepalese_Attack

ところが、この事件について、「タリバン」(※アフガニスタン首長国)が声明を出したとの報道もある。


一方、アフガニスタン・イスラム首長国の英語版サイトで確認出来る限りでは、「タリバン」側の主張は以下の内容に留まっている。
”Over 20 invaders killed and wounded in Kabul martyr attack
KABUL, Jun. 20 – Reports arriving from the country’s capital say that a martyrdom seeker of Islamic Emirate targeted a mini-bus carrying guards of foreign invaders in Banaie area, PD9 of Kabul city.
Officials say that the attack killed and wounded over 20 foreign invaders and destroyed the vehicle.
More details will be updated later.”

殉教者の画像を公開するなど、イスラム国は「タリバン」よりも具体的かつ詳細な内容の声明を出しており、現時点での信憑性としては、圧倒的にイスラム国の方が高いと言えるだろう。

以下、参考までにNHKの関連報道の引用。


アフガン 自爆テロで14人死亡 タリバンが声明
6月20日 16時57分
アフガニスタンの首都カブールで、外国企業を守る警備員を狙った自爆テロがあり、少なくとも14人が死亡して反政府武装勢力タリバンが犯行を認める声明を出しました。現地ではタリバンに対する警戒を強めているところでした。
アフガニスタンの首都カブールで20日朝早く、警備会社の宿舎を出たマイクロバスの近くで爆発が起き、乗っていたネパール人の警備員など少なくとも14人が死亡しました。
内務省によりますと、道路脇にいた男がバスに近づき、身に着けていた爆弾を爆発させたということです。
カブールでは各国の大使館や企業を守るため、多くのネパール出身の警備員が働いていますが、自爆テロ事件のあと、反政府武装勢力タリバンが声明を出し、警備員を狙ったと犯行を認めました。
タリバンを巡っては先月、最高指導者のマンスール師がアメリカ軍による空爆を受けて殺害されたばかりで、カブールではタリバンからの報復に備え警察が警戒を強めていました。

【イスラム国】5人の外国人戦闘員がフロリダ州銃乱射事件とパリ郊外警官刺殺事件を称賛 各国でのジハードを呼びかけ ※追記あり


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題名:لا تكلف إلا نفسك
和訳:其方が負う責めは、己に対してのみ
公開:2016年6月19日
組織:イスラム国(IS、旧ISIS又はISIL)
出所:ユーフラテス県広報部(イスラム国傘下、旧シリア領)
音声:英語、ロシア語、インドネシア語、ウズベク語、フランス語(アラビア語字幕付)
重要:★★★☆☆

【内容及び解説】
アメリカ・フロリダ州のナイトクラブでの銃乱射事件と、パリ郊外での警察官刺殺事件について、イスラム国の外国人戦闘員5人が登場し、当該事件の実行者を称賛するとともに、それぞれの出身国のイスラム教徒に向けて、国内でのジハードを呼びかける宣伝動画。

動画の冒頭や途中で、両事件に関する国際ニュースの引用映像が挿入されている。また、動画の最後には、パリ郊外での警察官刺殺事件の実行者であるラロシ・アバラ(アブドラ・ラルーシ)の自撮り動画が引用されている。この自撮り動画については、当ブログ過去記事を参照。

動画に登場するジハード戦士たちは、以下のとおりである。


↓イスラム国のアメリカ人戦闘員「アブ・イスマイル・アメリーキ」
アブ・イスマイル・アメリーキ

↓イスラム国のロシア人戦闘員「アブドルラフマン・ローシ」
アブドルラフマン・ローシー

↓イスラム国のインドネシア人戦闘員「アブ・ヌサイバ・インドネーシ」
アブ・ナシーバ・インドネーシ

↓イスラム国のウズベキスタン人戦闘員「アブ・ズバイル・ウズベーキ」
アブ・ズバイル・ウズベーキ

↓イスラム国のフランス人戦闘員「アブ・ジャンナ・フランシ」
アブ・ジャンナ・フランシ

↓画像をクリックして動画を視聴又はダウンロード↓
20160619_IS_Furat_La_Tukallif_Illa_Nafusaka


※追記 イスラム国の他県・州の広報部からの同様の動画
6/19配信 ホラサン県広報部 『お前たちが安全を夢見ることもないだろう』
20160619_IS_Khurasan_Lan_Tahulumuu_Bilamn


【イスラム・マグレブ諸国のアルカイダ】人質の女性宣教師「スイス政府に感謝」

Swiss hostage Beatrice Stockly
↑画像をクリックして動画を視聴又はダウンロード↑

題名:كما تأسرون.. تؤسرون
和訳:お前たちが拘束しているように、お前たちも拘束される
公開:2016年6月16日
組織:イスラム・マグレブ諸国のアルカイダ(AQIM又はAQMI)
出所:アンダルス・メディア(AQIM公式)
音声:アラビア語(英語字幕付) 
重要:★★★☆☆

【内容及び解説】 
イスラム・マグレブ諸国のアルカイダ(AQIM)に人質として拘束されている、キリスト教宣教師のスイス人女性 Beatrice Stockly氏に関するメッセージ動画。

女性がAQIMに拘束されたのは、2016年1月7日とされる。過去に公開された動画については、当ブログの過去記事を参照。この人質の女性は過去にもAQIMに拘束されており、その際には、二度と宣教活動をしないという条件で解放されたものの、再び舞戻って来たという経緯がある。日本であれば、間違いなく「自己責任論」が吹き荒れるケースであろう。なお、AQIM側は人質解放の条件として、マリで拘束されている戦闘員の解放を要求している。


人質の女性は動画で、「スイス政府に感謝する、私のためにあらゆることをしてくれている」と述べる場面がある。スイス政府が解放交渉に全力で臨んでいるのは明らかである。AQIM側は、人質の無事を証明する意味もあって、今回動画を公開したと見られる。

ところで、日本もアルカイダ系組織による自国民の拘束案件をかかえている。「邦人の安全確保は最重要、全力で対応」とは、スイス政府のような対応でなくてはならない。政府たるもの、世間の空気を読んで、放置しても内閣支持率に影響がなさそうだなどと、内心でほくそ笑んでいてはいけない。

【イスラム国】アラビア語週刊紙『アルナバア』第35号配信 パリ郊外での警官刺殺事件の記事を掲載

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↑画像をクリックして『アルナバア』第35号を閲覧又はダウンロード

2016年6月13日に発生したパリ郊外での警察官刺殺と立て籠もり事件に関する記事が掲載されている。記事によると、作戦を行ったカリフ国の兵士アブドラ・ラルーシ(※アラビア語表記のママ、他の報道では「ラロシ・アバラ」とも)は立て籠もってから殺されるまでの間、インターネットを通じて自撮りの動画メッセージを送信していた。(この動画については、アマーク通信が配信しており、当ブログの過去記事を参照。)

アブドラ・ラルーシはこの動画メッセージで、イスラム国の指導者であるアブ・バクル・バグダディ師に忠誠を誓ったほか、刑務所に収監されているイスラム教徒に向けて、忍耐を説く一方、看守に対する攻撃を呼びかけていた。看守に危害を加えることは「ハラール」であり、看守が「ムハンマド」や「アーイシャ」といったイスラム教徒だと分かる名前であっても、悪魔の手先なのだから、殺すようにと訴えている。

また、この動画で、欧米諸国で暮らすイスラム教徒に対しては、自分と同じように、アラーの敵に対するジハードを仕掛けるよう呼びかけている。標的としては、イスラム教徒に危害を加える不信心者の長たちや、イスラム教を侮辱する警察官、ジャーナリスト、歌手を列挙している。

また、フランス政府当局に対しては、イスラム教徒たちがイスラム国へ移住するための扉を閉ざしても、悲惨な事態を招くだけだとしている。すなわち、「これ(警官刺殺)こそが、我々に対してカリフ国の地への移住の扉を閉ざした結果なのだ。我々はお前たちの国の中で、ジハードの扉を開けるのだ。」と述べている。これは、去る5月21日にイスラム国の公式スポークスマンであるアドナニ師の声明に対する応答となっている(当ブログ過去記事参照)。

更に動画の終わりでは、それまで連絡を取っていたイスラム国の同志たちへのメッセージとして、 アドナニ師の呼びかけに応えたと伝えて欲しいと求めている。

※『アルナバア』電子版のバックナンバー全号一覧はこちらから。

【イスラム国・アマーク通信】パリ郊外で警察官を刺殺したラルーシ・アバラの自撮り動画を公開

20160614_IS_Amaq_Video of #LarossiAballa
↑画像をクリックして動画を視聴又はダウンロード↑

題名: فيديو لـ عبدالله_العروسي منفذ هجوم_باريس يوم أمس
和訳:昨日パリでの攻撃を行ったアブドラ・ラルーシの動画
公開:2016年6月14日
組織:イスラム国(IS、旧ISIS又はISIL)
出所:アマーク通信(イスラム国公認の報道機関)
音声:フランス語
重要:★★★☆☆

【内容及び解説】
パリ郊外で警察官とその妻を刺殺したラルーシ・アバラの自撮り動画を、イスラム国系メディアの「アマーク通信」が公開した。
ラルーシ氏は動画で、イスラム国のバグダディ指導者に忠誠を誓っているほか、イスラム教徒に向けて、公式スポークスマンであるアドナニ師の命令に従って攻撃を行うように呼びかけている。関連するアドナニ師の声明については、当ブログの過去記事参照。

アマーク通信による迅速な動画公開のタイミングに鑑みれば、今回のパリ郊外での警官刺殺事件の実行者は、事前にイスラム国と何らかの関係を有していたのは間違いないだろう。「F24」放送の解説員であるワシーム・ナスル氏も次の動画で指摘するとおり、イスラム国系のメディアで「カリフ国の兵士」と呼ばれた実行者は、作戦に関する具体的な指令までは受けていないにせよ、イスラム国と何らかの関係を有していたのは明らかである。

ワシーム・ナスル氏は、英語、仏語、アラビア語の三か国語で解説を担当している。

【イスラム国】フロリダ州銃乱射事件の実行者が連帯を表明したヌスラ戦線のアメリカ人殉教者の動画

NHKの報道によると、FBIのコミー長官は記者会見で、フロリダ州オーランドのナイトクラブでの銃乱射事件の実行者が、事件の現場から警察などにつながる緊急電話番号にみずから電話をかけて、イスラム国のバグダディ指導者に忠誠を誓う発言をしたほか、シリアで殉教攻撃を敢行して死亡した武装組織「ヌスラ戦線」のアメリカ人ジハード戦士への連帯を示す発言をしたと明らかにした。


↑画像をクリックしてヌスラ戦線のアメリカ人戦闘員の動画を視聴

シリアで殉教攻撃を行った ヌスラ戦線のアメリカ人ジハード戦士とは、「アブ・フライラ・アメリーキ」、本名ムニール・ムハンマド・アブ・サーリハ氏である。アブ・フライラ・アメリーキが登場する殉教作戦のドキュメンタリ動画『イドリブ県・ジャバル・アルバインの戦い』は、2014年7月に、ヌスラ戦線の公式広報部門「マナーラ・バイダ・メディア」から公開されている。以下、動画中の場面のスナップ画像である。報道関係者の方々等に活用していただければ幸いである。

↓アブ・フライラ・アメリーキの画像
アブ・フライラ・アメリーキ
アブ・フライラ・アメリーキ2
アブ・フライラ・アメリーキ3
アブ・フライラ・アメリーキ4

↓殉教作戦に出撃する直前、仲間たちとの別れ
アブ・フライラ・アメリーキ5

↓アブ・フライラ・アメリーキが乗った爆発物を積載した車両
アブ・フライラ・アメリーキ7

↓爆発の瞬間の映像
アブ・フライラ・アメリーキ6

【イスラム国】アマーク通信「パリ郊外で警官と妻を刺殺」 ※追記:アルバヤン放送「カリフ国の兵士が殺害」

アマーク通信速報(英語)
 イスラム国公認の報道機関「アマーク通信」の速報によると、イスラム国の戦士が、パリ近くのレ・ミュローで警官とその妻を刃物で刺殺したと報じた。

アマーク通信速報(アラビア語)
 アマーク通信社(フランス語)

※追記 公式ラジオ放送「アルバヤン」のニュース(日本時間14日18:50ごろ配信)
画像をクリックして音声ファイルを再生又はダウンロード
↑画像をクリックして「アルバヤン」音声ニュースのファイルを再生

【該当部分の和訳】
「ニュースの最後はフランスである。
至高のアラーのお力添えにより、パリに近い「レ・ミュロー」にいるカリフ国の兵士の一人が、警察署の副所長とその妻を刃物で刺殺できた。まさに称賛と慈悲はアラーにこそある。」

ニュースのPDFファイル(アラビア語テキスト起こし)はこちらから。

※追記 2016年6月15日
イスラム国ホラサン州(旧アフガニスタン領)広報部配信
アメリカとフランスの作戦を喜ぶカリフ国ホラサン州の若獅子たち
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【イスラム国】公式ラジオ放送「アルバヤン」がフロリダ州での銃乱射について報道 ※追記「実行者はイスラム国と何らかの直接的な繋がり」

アルバヤン テキスト版
↑イスラム国公式ラジオ放送「アルバヤン」の音声ニュースを再生またはダウンロード

2016年6月13日17:50(日本時間)ごろ、イスラム国の公式ラジオ放送「アルバヤン」から、フロリダ州のナイトクラブ銃撃に関するニュースが報じられた。

以下、アラビア語ニュースの関連箇所の和訳(※は訳者による注)。
「トップニュースはアメリカからである。アメリカのカリフ国の兵士の一人である「オマル・マティーン」同志は、アラーのお恵みを賜り、襲撃作戦を行った。フロリダ州オーランド市にある、ロトの民の従属者(※同性愛者)向けのナイトクラブで、十字軍の者たちが集まっていた所に入り、アラーのお力により、汚らわしい十字軍どもを疲弊させ、同志が殺されるまでに100人以上を死傷させた。(アラーよ彼を受け入れたまえ)。特筆すべきことに、今回の襲撃では、16年前のマンハッタン襲撃(※9・11事件)以来、最多の死者が出た。まさに賞賛されるはアラーのみである。」

アルバヤン放送のニュースのPDF版(アラビア語テキスト起こし)はこちらからダウンロード。


※追記 その1 ワシム・ナスル氏「容疑者はイスラム国と何らかの直接的な繋がりを持つ」
フランスの「F24」放送の解説員Wassim Nasr氏は、アルバヤン放送の関連報道での「カリフ国の兵士の一人」という表現に着目している。テキサス州ガーランド市の展覧会襲撃事件(2015年5月)の前例(当ブログ過去記事を参照)に言及しながら、他方でカリフォルニア州サンバーナディーノ郡での事件(2015年12月)当ブログ過去記事を参照)を起こしたイスラム国の単なる「共感者」に対しては、こうした表現が用いられなかったという精緻な分析を展開している。そしてこれを根拠に、乱射事件の容疑者であるオマル・マティーン氏は、イスラム国と何らかの直接的な繋がり(Direct Link)を持つ人物だと断定している。


また、マティーン氏の知人には、ヌスラ戦線のメンバーとして、2014年の夏に米国人として初の殉教作戦を行った「アブ・フライラ」という人物がいるとも指摘している。プロ中のプロによる卓越した解説の動画は、まさに必見である。

他方、NHKは、イスラム過激派に詳しい日本エネルギー経済研究所の専門家の指摘として、「ISが直接的に関与したとは言いづらい」という見方を紹介している。以下、記事の該当部分引用。


米銃乱射事件 専門家「ISが力の誇示に事件を利用か」(6月13日 18時48分)
アメリカ・フロリダ州の銃の乱射事件で、過激派組織IS=イスラミックステートにつながりのある通信社が「ISの戦闘員によって実行された」と伝えたことについて、イスラム過激派に詳しい日本エネルギー経済研究所の保坂修司研究理事は「これだけではISが直接的に関与したとは言いづらい」と指摘しました。
保坂研究理事は「容疑者がISに忠誠を誓ったという報道が出たあとに、通信社の報道があった」と述べ、断定はできないとしながらも戦況の悪化が伝えられるISが自分たちの力を誇示するために今回の事件を利用した可能性があると指摘しました。


※追記 その2
アルバヤン英語版からも関連報道があった。

英語版の音声ファイルは、こちらからダウンロード。
英語版のPDFファイル(英語テキスト起こし)は、こちらからダウンロード。

↓画像をクリックして、アルバヤンの公式サイトへ移動

20160613_IS_Albayan_english
 

【イスラム国】フロリダ州のナイトクラブでの銃乱射に関するアマーク通信の速報

20160612_IS_Amaq_Orland_Florida_Attack_English

NHKが、イスラム国公式の報道機関「アマーク通信」を引用して、フロリダ州のナイトクラブでの銃乱射事件について報じている。NHK以外も同様に伝えており、アマーク通信の記者らの地道な努力の積み重ねで、報道機関として漸く認められたようで感慨深い。上下の画像は、SNSを通じて配信されたアマーク通信の速報バナーである。現在のアマーク通信のサイトはこちら

20160612_IS_Amaq_Orland_Florida_Attack_Arabic
(アラビア語版の和訳)
アマーク通信速報 2016年6月12日
アマーク通信の取材源:フロリダ州オーランド市の同性愛者向けナイトクラブを狙い、100人以上の死傷者を出した武力攻撃は、イスラム国の戦士の1人によって実行された。

以下は、NHKの関連報道の一部引用である。


IS系メディア「IS戦闘員によって実行」(6月13日 5時21分)
フロリダ州のナイトクラブで12日に起きた銃の乱射事件について、過激派組織IS=イスラミックステートにつながりがあるアマーク通信は、「同性愛者のナイトクラブで100人以上が死傷した攻撃は、ISの戦闘員によって実行された」と伝えました。
 
アマーク通信は、去年12月にアメリカ西部のカリフォルニア州で、男女2人が銃を乱射し14人が殺害された事件や、ことし3月にベルギーで起きた連続テロ事件でも、ISの戦闘員や支持者による犯行だと伝えた経緯があります。

【イスラム国】ダマスカス近郊で殉教攻撃 80人超が死傷



↑現地の被害状況を伝えるシリア国営通信(SANA)配信の映像

2016年6月11日、NHKはシリア国営通信を引用して、次のとおり報じた。


・・・シリアの首都ダマスカスの近郊で11日、爆発が相次ぎ、合わせて12人が死亡して50人以上がけがをし、過激派組織IS=イスラミックステートが犯行を認める声明をインターネット上に出しました。
シリアの首都ダマスカス近郊にあるイスラム教シーア派が多く暮らす町で、11日、何者かが体に巻きつけた爆発物を爆発させたのに続き、別の場所でも爆発物を積んだ車が爆発しました。
シリアの国営通信によりますと、この爆発で合わせて12人が死亡し、55人がけがをしたということで、女性や子どもも含まれているということです。(以下略)

↓一方、イスラム国からは、次の声明がでている。

20160611_IS_Dimashq_Saiidah_Zainab_Attack
 (ブログ管理人作成の和訳)
イスラム国 ダマスカス県 ヒジュラ暦1437年 ラマダン月6日
緊急「ダマスカスのサイダ・ザイナブ地区で80人超の背教者が死傷」
アラーのお恵みとお力添えにより、3人の殉教の騎士(アブ・ウダイ・シャーミ、アブ・ヤアクーブ・ジャウラーニ、アブ・ウマル・フィリスティーニ、アラーよ彼らを受け入れたまえ)が、ダマスカスのサイダ・ザイナブ地区のティーン通り及びディヤービヤの入口において、多神教徒のラーフィダ(シーア)派及びヌサイリー(アラウィ)派が集まっていたところで、爆弾を積載した自動車1台と爆弾ベルト2本を爆発させ、80人超を死傷させることができた。まさに称賛は、世界の主のアラーにこそある。

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アマーク通信社による速報バナー

【アルカイダ】ザワヒリ師はアクンザーダ師をタリバンの新指導者と認め忠誠を誓う (※お詫び追記)


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題名:على العهد نمضي
和訳:誓約の上に我らは進む
公開:2016年6月10日
組織:ジハードのアルカイダ集団(جماعة قاعدة الجهاد)
出所:サハーブ・メディア(アルカイダ公式広報部門)
音声:アラビア語
重要:★★☆☆☆

【内容及び解説】
アルカイダ本部の指導者アイマン・ザワヒリ師による音声の声明。アフガニスタン・イスラム首長国(旧称タリバン)の新指導者であるハイバトッラ・アクンザーダ師に向けて発せられている。

ザワヒリ師はこの声明で、米軍の無人機による空爆で殉教したマンスール師に哀悼の意を表し、旧ソ連やアメリカとのジハードといった生前の功績を称えているほか、新たにアフガニスタン・イスラム首長国の指導者となったアクンザーダ師を「信徒たちの長」という称号で呼び、アフガニスタン・イスラム首長国の指導者として明確に認めるとともに、バイア(忠誠)を誓っている。

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※おわび追記
 当初、「ザワヒリ師はアクンザーダ師をタリバンの指導者と認めるも忠誠を誓わず」という内容の記事をアップしておりましたが、声明を改めて精査したところ、ザワヒリ師はアクンザーダ師に忠誠を誓っておりました。記事から誤った内容を削除しましたが、既にお読みいただいた方には、ご迷惑をおかけしましたことをお詫び申し上げます。

【アフガニスタン・イスラム首長国】「タリバン」の英語の声明 マンスール前指導者の暗殺について米国とアフガニスタンの大統領に報復を予告


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題名:دعمري لښکر استشهادي کنډک د بیعت مراسم، تسليت او بيعت
和訳:殉教者部隊による宣誓式典 哀悼と忠誠
公開:2016年6月10日
組織:アフガニスタン・イスラム首長国(タリバン)
音声:パシュトゥー語、英語、一部アラビア語含む

【内容及び解説】
アフガニスタン・イスラム首長国(タリバン)の戦闘員たちが、米軍の無人機による空爆で殉教した故マンスール指導者に哀悼の意を表するとともに、新たに指導者に就任したアクンザーダ師に忠誠を誓う。英語による声明があり、アメリカのオバマ大統領やアフガニスタンのガニ大統領らに対し、マンスール師暗殺に対する報復を宣言するほか、ホワイトハウスの破壊を予告する。

日本でパシュトゥー語の通訳は多くはないが、(イスラム教に関するアラビア語表現が多いものの)英語による声明があるので、報道機関の方々にとっても、アーカイブ資料として利用しやすいと思われる。過去に紹介した動画と併せて参考にしていただきたい。

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20160611_Taliban_Afghanistan_Umari Lashkar Baiat Final

【イスラム国】宣伝動画の傑作10選 ダイジェスト動画 ヒジュラ暦1437年シャアバン月分

20160608_IS_Alhayat_Selected_10
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題名:SELECTED 10 VIDEOS FROM THE WILAYAT OF THE ISLAMIC STATE
和訳:イスラム国各州・県からの動画10選 ヒジュラ暦1437年シャアバン月分
公開:2016年6月8日
組織:イスラム国(IS、旧ISIS又はISIL)
出所:アルハヤト・メディア・センター(イスラム国公式)
音声:アラビア語(英語字幕)


【内容及び解説】 
イスラム国からヒジュラ暦1437年シャアバン月中(※先月)に公開された動画の中から、傑作10本をまとめて簡潔に紹介する内容。これまでにも、下記のような大型宣伝バナーが「ダビク」などに掲載されていたが、先月よりダイジェスト動画が作成されるようになった

堂々の第一位は、インドネシア人ジハード戦士によるナシード「グラバー」の熱唱が感動的な「激戦地の世代」であった。詳細は、当ブログの過去記事を参照。

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20160608_IS_Alhayat_Selected_10_List

※ラジャブ月(先月)の動画傑作10選はこちらから

【イスラム国 西アフリカ州】ニジェール軍・ナイジェリア軍との戦闘の動画を公開 ※追記あり


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2016年6月7日、イスラム国の公認報道機関「アマーク通信社」は、イスラム国の「西アフリカ州」(旧称「宣教とジハードのためのスンニ派集団」、報道の俗称「ボコ・ハラム」)が、ニジェール南東部のボッソにおけるニジェール軍及びナイジェリア軍との戦闘の動画を公開した。詳細については、AFP通信の報道を参照ありたい。

アマーク通信社による「西アフリカ州」の動画配信は珍しい。報道関係者の方々におかれては、機会があれば資料映像としてご活用いただきたい。宣伝用動画と異なり、BGMやナレーションなどが入っていないので活用しやすいはずである。

参考までに、この動画で扱われている西アフリカ州の攻撃作戦に関する公式声明の画像(2016年6月4日配信)と、その英訳も併せて掲載しておこう。この戦闘でニジェール軍とナイジェリア軍の背教者兵士35人超を殺害、およそ70人を負傷させたとしている。
イスラム国西アフリカ州の声明(2016年6月4日)

Killing 35 Apostates and Injuring Approximately 70 from the Armies of Niger and Nigeria in Southeastern Niger

By the grace of Allah, the soldiers of the Khilafah launched a massive assault with various types of weapons on a military base crowded with the apostates armies of Niger and Nigeria in Bosso city, southeast of Nigeriaa. The Mujahideen managed to kill over 35 apostates and injure approximately 70 others from both armies,  and took a large quantity of various weapons and ammunition.The Mujahidin returned to their locations safely, and all praise is due to Allah.

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↓※2016年7月5日配信 ボッソ戦の宣伝動画 『ニジェール進攻』 
20160705_IS_WestAfrica_Ghazuu_Niger

【イスラム国】祝ラマダン月

20160605_IS_Amaq_Ramadan
イスラム国公認の報道機関「アマーク通信社」の速報のとおり、イスラム国の月監視シャリーア委員会より、本日(※西暦では2016年6月6日月曜日)よりラマダン月に入ることが発表された。


↓画像をクリックしてラマダン入り発表の音声ファイルを再生
20160606_IS_RamaDHaan_Taqweem

イスラム国からのラマダン月のプレゼントは、聖典クルアーンのハトマ(全章の朗読)音声ファイルである。イスラム教徒にとって、これ以上の贈物はないだろう。アジュナード・メディアに祝福あれ。

↓聖典クルアーンのハトマ パート1(RAR圧縮ファイル)ダウンロード
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↓聖典クルアーンのハトマ パート2(RAR圧縮ファイル)ダウンロード
20160606_IS_quran_ajnad_banner3

全章は多すぎるという方は、こちら又はこちらから個別に好きな章ダウンロード

【イスラム国】アメリカのクルド人勢力肩入れに反発しマンベジの若者140人がイスラム国の戦闘員に


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2016年6月4日、イスラム国公認の報道機関「アマーク通信社」は、シリア北部の都市マンビジの若者140人がイスラム国に忠誠を誓って新たに戦闘員となったとする動画を公開した。動画では、モスクに集まった若者たちに武器が配られるほか、戦闘員の一人が、背教者のクルド人勢力及びその支援者である十字軍連合に対し、メンベジには絶対入れさせないと警告する。

イスラム国の打倒を目的とする「十字軍連合」を率いるアメリカは、クルド人勢力を主体とする「シリア民主軍」なる組織を軍事的に支援し、シリア北部のイスラム国支配地域に対する攻勢を強めている。このため、世俗系の極左主義者であるクルド人勢力の侵攻に対し、イスラム教スンニ派のアラブ人住民の間で反発が広がっており、皮肉にも住民の間でイスラム国への支持と結束が高まっているようだ。

アメリカはイラクでもシーア派に露骨に肩入れし、抑圧されたスンニ派勢力をイスラム国への支持へと向かわせたが、シリアでも同様の構図となりつつある。


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【安田純平氏の拘束】ノルウェー人人質のケースとの類似性が気がかり

アルカイダ系の組織である「ヌスラ戦線」に拘束されていると見られる日本人ジャーナリスト、安田純平氏が、オレンジの囚人服を着せられ助けを求めている画像が、先日公開された。手書きのボードで「これが最後のチャンスです」と訴えるなど、以前公開された動画の様子とは異なり、事態は緊迫化、解放は難航の様相を呈している。

ヌスラ戦線によって過去に拘束された欧米人の人質らは、時間がかかったとしても最終的には解放されてきており、なぜ安田氏の交渉だけが進展しないのだろうか。いくつかの基本事項を整理しつつ、今後の動向について考察してみたい。

問1.ヌスラ戦線は、アサド政権やイスラム国といった敵対者でなくても、人質として拘束するのか?
答 YES


 日経新聞の報道によると、ヌスラ戦線には人質解放交渉を専門に扱うチームがあるといい、この交渉チームと各国政府がそれぞれ仲介者を用意、仲介者同士で協議を始めるのが一般的という。その後、交渉チームが直接、政府側仲介者と接触し具体的な話を進めるとされる。
 これまで欧米人の人質は、こうした交渉の結果、無事に解放されてきたようだ。2016年5月に解放されたスペイン人記者3人のケースは、まだ記憶に新しい。その他の事例については、当ブログの過去記事を参照。

問2.ヌスラ戦線が、そうした人質を拘束する目的は?
答 身代金の確保、または、ヌスラ戦線のメンバーや価値ある人物との「捕虜交換」


 欧米人が人質のケースは、身代金の支払いで決着していると見られる。そうした場合でも、人質の国籍国の政府は、いわゆる「テロ組織」に資金を渡したとは公にできないので、交渉過程について何一つ明かさないまま、単に仲介国(者)に謝意だけ表明するのが通例である(※身代金を「払った」とも「払わない」とも決して言わない)。
 また、「捕虜交換」とは、互いに拘束した戦闘員同士の交換のみを必ずしも意味するものでなく、実態としては「人質交換」とでも呼ぶべきケースも含まれる。ヌスラ戦線側が拘束していたマアルーラのキリスト教修道女と、アサド政権側が拘束していたイスラム国の指導者であるアブ・バクル・バグダディ師の元妻サジャ・ドレイミらの「捕虜交換」が行われたケース(2014年3月)が良く知られている(※その後サジャ・ドレイミはレバノン軍によって拘束されたが、これもまた、レバノン政府による「捕虜交換」用の切り札確保の一環だった)。
 過去の事案を見る限り、人質(捕虜)が解放されるのは、この2つの目的のいずれかが達成された時に限られている。したがって、捕らえられた人質に悪意はないとか、シリア情勢を憂う善人であるとか、何か誤解を解けば許されるなど、誠意をもって話しあえば解決する類の問題ではない。


↓「捕虜交換」によってキリスト教修道女が解放された際の動画


↓イスラム国のバグダディ指導者の元妻サジャ・ドレイミの映像


問3.「1か月間の期間内で解放交渉に進展がない場合、安田氏をイスラム国に引き渡す」との報道があるが、ヌスラ戦線とは敵対関係にあるイスラム国への引き渡しはあり得るのか?
答 「引き渡し」は単なる脅しではなく、イスラム国との「捕虜交換」の結果として、安田氏の「引き渡し」は起こり得る。

問4.安田氏の解放交渉がこのまま何ら進展しなかった場合、ヌスラ戦線が身代金などの見返りを得られなかったことを意味するが、それでもイスラム国にとって、安田氏を引き取るに足る理由があるのか?
答 あり。過去には人質を「見捨てた」政府を相手にせず、人質を広報誌「ダービク」の紙面で「売りに出す」ケースも。


 日本政府は先のG7伊勢志摩サミットで、身代金を一切支払わないと明言し、他国にもそのようにするよう求めており、後藤健二氏の前例にも鑑みれば、身代金要求には絶対に応じない姿勢であろう。また、日本側には、安田氏と交換するための「捕虜」や「受刑者」などもいない。従って、ヌスラ戦線側と何らかの取引が成立する可能性は、現時点でほぼ皆無である。
 ただ、国際社会を公然と敵に回すことでコアな支持層を獲得してきたイスラム国にとっては、人質に対する価値判断は当然異なる。後藤健二氏の一件では、日本政府はヨルダンに外務副大臣を長とする現地対策本部を立上げ、周辺国をも巻き込み大規模な対応に追われた。すなわち、日本人の人質を利用して日本側を翻弄した際の高い宣伝効果は、既に実証済みである。イスラム国が捕虜としているヌスラ戦線の戦闘員を解放する見返りとして、安田氏を引き取る可能性は否定できない。
 また昨年配信されたイスラム国の公式広報誌「ダービク」第11号で、「政府に見捨てられた者」として、中国人とノルウェー人の人質を「売りに出した」前例があることも、忘れてはならない。

問5.安田氏の今後の救出の見込みは如何?
答 欧米人の人質解放の豊富な事例に基づく楽観から一転して、非常に厳しい状況にある。


特に、前述のノルウェー人の人質の状況と、次のような類似点があるのが気がかりである。周知のとおり、ノルウェー人の人質は、公式広報誌「ダービク」の第12号で、「不信心者の国と組織に見捨てられた」として、殺害されたことが明らかになった。

(1)ノルウェー政府も、首相及び外相が「身代金は払わない」と明言していた。
(2)人質はトルコからシリア北西部のイドリブへ入った後、消息を絶っている。
つまり、ノルウェー人の人質は、イスラム国の支配地域へ直接入っていないことから、現地を支配する別の武装勢力にまず拉致され、ノルウェー政府との解放交渉が行き詰まった後、イスラム国に引き渡されたと考えられる。Newsweekの報道によれば、ノルウェーの首相は記者会見で次のとおり発言していた。
"In late January we learned of the possible kidnap of a Norwegian citizen. He has since been held by different kidnappers, but there is reason to believe he is now held by IS."

↓ノルウェー人人質のオレ・ヨハン・グリムスガード・オフスタッド氏
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