2016年11月

【イスラム国】ナイフによる殺害の仕方と爆弾の製造方法を解説 欧米諸国での攻撃実行を呼びかけ

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題名:عليك بهم أيها الموحد
和訳:唯一神の信徒よ 貴方は彼らと戦わねばならない
公開:2016年11月26日
組織:イスラム国(IS、旧ISIS又はISIL)
出所:ラッカ県広報部(旧シリア領)、アルハヤト・メディアセンター(翻訳)
音声:フランス語(英語、アラビア語字幕あり)、アラビア語(英語字幕あり)
尺長:29分9秒

【キャプション】
フランスをはじめとする欧米諸国に在住のイスラム国支持者に向けて、ナイフや手製の爆弾を使って不信心者を殺害するよう呼びかける動画。イスラム国のジハード戦士が登場し、ナイフによる殺害の仕方や爆弾の製造方法を実演している。スパイとされる人物の殺害シーンも含まれるので、リンク先動画の視聴の際には注意願いたい。

動画の前半部分では、「アブ・スレイマン・フィランシ」と名のるフランス語話者のジハード戦士が、ナイフによる殺害方法について解説及び実演する。
ジハード戦士によるナイフ使用の指導
ジハード戦士がナイフによる殺害方法を解説

動画の後半部分では、「アブ・ヌール・シャーミ」と名のるアラビア語話者のジハード戦士が、キッチンで身近な材料を使った爆薬、起爆装置及び爆弾の製造方法について解説及び実演する。
ジハード戦士による爆薬の作り方解説
ジハード戦士による爆薬の作り方解説2
ジハード戦士による起爆装置の作り方解説
ジハード戦士による爆弾の作り方解説

【イスラム・マグレブ諸国のアルカイダ】アルジェリアのガス生産施設での日本人人質10人殺害事件の首謀者がリビア南部で生存か

モフタール・ベルモフタール

 国際アラビア語紙「アッシャルクル・アウサト」の2016年11月23日付配信記事によると、イスラム・マグレブ諸国のアルカイダ(AQIM)の傘下組織である「ムラビトゥン」の指導者、モフタール・ベルモフタール(別名ハーリド・アブルアッバス)が、リビア南部で生存していると報じている。この情報は、リビア治安当局によって拘束されたベルモフタールの妻の供述に基づくものとしている。ベルモフタールの妻は、出産のためリビア中部のジュフラから東部のダルナの病院を訪れていたところ、治安当局に通報され、ジュフラへ戻る途中に拘束されたという。

2013年1月、アルジェリア南東部にあるイナメナスのガス生産施設が、ベルモフタールが当時率いていた組織「血盟団」に襲撃され、日本人を含む多数の外国人労働者が人質となる事件が発生し、プラント建設大手「日揮」の従業員ら日本人10人を含む計17人のスタッフが殺害された。この事件に関し、神奈川県警が人質強要処罰法違反容疑でベルモフタールの逮捕状を取っており、警察庁を通じて国際刑事警察機構
(ICPO)が国際手配を行っている。

【イスラム国】モスルの一般市民とともに戦うジハード戦士

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題名:وعد الله
和訳:アラーの約束
公開:2016年11月14日
組織:イスラム国(IS、旧ISIS又はISIL)
出所:ニナワ県広報部(旧イラク領)
音声:アラビア語
尺長:26分13秒

【キャプション】
イラク北部の都市モスルを支配するイスラム国と、その奪回を目指すイラク政府軍の戦闘の動画。イスラム国の戦闘員による殉教攻撃の様子をドローンを使って上空から撮影した映像が多数含まれている。

また、イスラム国のジハード戦士たちに協力して、ともにイラク軍と戦う一般市民の姿も紹介されている。


↓左の青いシャツの人物は、最前線で戦う市民であるとのテロップがある↓
イスラム国と共に戦うモスルの一般市民

↓中央に最前線で戦況を見つめている少年らしき姿もある↓
モスルの戦況を見守る少年

↓過去のモスルに対する米軍の空爆の際、アマーク通信の動画で負傷者の市民として登場した人物が、今回の宣伝動画ではジハード戦士として登場している
空爆で負傷したモスル市民
かつての市民がジハード戦士として登場

↓画像をクリックして動画を視聴又はダウンロード
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【イスラム国】バグダディ指導者の声明を発表 『土地に留まることの代償は、そこから撤退することの代償よりも千倍安いことを知りなさい』

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2016年11月3日午前8時(日本時間)ごろ、イスラム国のバグダディ指導者による声明が発せられた。『これぞアラーとその使徒が我らと交わした約束』と題する声明について、NHKは次のとおり報じているが、賢明な当ブログの読者の方々はどう思われるだろうか。

*     *     *
11月3日 14時27分
過激派組織IS=イスラミックステートのイラクでの最大の拠点であるモスルの奪還作戦が進む中、ISは指導者のバグダディ容疑者のものだとする声明を公開し、みずからの戦闘員に対して徹底抗戦を呼びかけました。
過激派組織IS=イスラミックステートは2日、指導者のバグダディ容疑者のものだとする音声の声明をインターネット上に公開しました。

声明は30分余りの長さで、ISが支配するイラク第2の都市モスルやその周辺で戦っているみずからの戦闘員に対して、「土地を守ることは撤退して恥をかくことより、1000倍簡単だ。敵の血を川のように流してやれ」と述べ、徹底抗戦を呼びかけています。

モスルの奪還作戦をめぐっては、イラク軍が周辺の町や村を制圧したあと、今月1日にはモスル市内に部隊を進め、ISへの攻撃を強めています。ISとしてはイラクでの最大の拠点であるモスルを守るため、指導者の声明を出して戦闘員の士気を高める狙いがあると見られます。
*     *     *

「土地を守ることは撤退して恥をかくことより、1000倍簡単だ」とは、十字軍連合の支援を受けるイラク政府軍やクルド人部隊の大軍勢と命を賭けて戦っているジハード戦士たちに対する物言いとしては、あまり相応しいとは感じられない。彼らの戦いは決して簡単なものとは言えず、発言は何とも他人事のようである。これで「戦闘員の士気を高める」ことができるのだろうか。本当にバグダディ指導者が、このようなことを言ったのだろうか。

実際に声明を聴いてみると、バグダディ師は次のように仰られている。

واعلموا أن ثمن بقائكم في أرضكم بعزكم, أهون بألف مرة من ثمن انسحابكم عنها بذلكم  
「名誉を以て諸君らが土地に留まることの代償は、不名誉を以てそこから撤退することの代償よりも、1000倍安いことを知りなさい」

ジハード戦士たちが支配している土地を守りぬくことによって払わねばならない代償(艱難辛苦)は確かに辛いものであるが、あきらめて撤退することの代償(アラーによる報い)と比較すれば、遥かに軽いものだと教えてくださっているのである。これは、バグダディ師個人の勝手な考えではない。続いてバグダディ師は、聖典クルアーンから次の一節を引用する。

 قُل لَّن يَنفَعَكُمُ الْفِرَارُ إِن فَرَرْتُم مِّنَ الْمَوْتِ أَوِ الْقَتْلِ وَإِذاً لَّا تُمَتَّعُونَ إِلَّا قَلِيلاً
『言ってやれ、「逃亡して死を免れても、つかの間の安楽以外に、お前たちの利益になることはないのだ」と』

また、バグダディ指導者は「敵の血を川のように流してやれ」と述べたとされるが、文脈的にはかなり唐突な印象を受ける。実際の声明では、この部分は声明の別の箇所で、土地を守るジハード戦士に対してではなく、殉教攻撃を行うジハード戦士に向けた呼びかけとして収録されている。NHKの報道は、文脈の異なる箇所の発言を強引につなげたものである。

NHKがイスラム国寄りの報道をする必要は全くないが、恣意的な翻訳や編集により、視聴者が聞いて奇異に感じるような印象操作を行うのはいかがなものか。公共放送として、公正な報道をお願いしたいものである。

↓画像をクリックして声明の音声ファイルをダウンロード↓
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