ジハード戦士の動画・声明の記録





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2016年12月

【イスラム国】ベルリンでの大型トラック突っ込み事件の実行者の遺言映像(アマーク通信の配信動画)



報道によると、ドイツの首都ベルリンで開かれていたクリスマスの屋外市場に大型トラックを突っ込ませ、12人を死亡させた事件で、2016年12月23日にチュニジア人のアニス・アムリ容疑者が、イタリア北部のミラノで警察官と銃で撃ち合い、殺害された。次のとおり、イスラム国系メディアのアマク通信も速報で報じている。
20161223_IS_Amaq_Berlin_Milan_Attack

無題 (2)


さらにアマク通信から、「ベルリンとミラノでの攻撃を行ったイスラム国の戦士からの遺言」と題する、アニス・アムリの自撮り動画も配信された。動画の冒頭、アニス・アムリはイスラム国のバグダディ指導者に忠誠を誓っている。そして、「毎日イスラム教徒を空爆している十字軍たちへのメッセージ」として、「豚め、我々はお前たちを殺す。唯一神を信じるイスラム教徒たちの後ろには、我らでつくるウンマ(※イスラム教スンニ派の共同体)がいるのだ。彼らが空爆されたら、その血が無駄に流されることはない。我々が必ず復讐するからだ」と警告している。また、イスラム教徒に向けて「ジハードに立ち上がれ、ヨーロッパで豚の十字軍と全力で戦え」と呼びかけている。
↑アマーク通信が配信したアニス・アムリの自撮り動画

【イスラム国】モスルのIS戦闘員がベルリンの市場でのトラック突っ込み事件に祝意(アマク通信配信動画)

【キャプション】
2016年12月21日、イスラム国系メディア「アマーク通信」は、 イラク北部のニナワ県(モスル)でイラク政府軍やシーア派の民兵組織と戦っているジハード戦士たちが、ドイツの首都ベルリンのクリスマス市場で起きたトラック突っ込み事件や、ヨルダン中部の観光都市カラクでの銃撃事件などについて、実行者たちに向けて祝意のメッセージを送る動画を配信した。

3番目にドイツ語話者の戦闘員が登場する。
画像をクリックして動画を視聴またはダウンロード 
ドイツ語話者のイスラム国ジハード戦士
【サウンドバイト】
「不信心者の国に居る一神教の信徒(※スンニ派のイスラム教徒)たちに告ぐ。立ち上がれ、イスラム国に移住して、アラーのために戦え。移住できないなら、カリフ(※バグダディ指導者)のお言葉に従え。敵の夜を昼に転じ、地獄を見せてやれ。表に出て、アラーのためにできることをするのだ。敵を叩け、殺せ、ナイフで刺せ、我らの仲間がチェチェンやドイツ、ヨルダンで行ったように、不信心者と戦うのだ。アラーよ、我らの仲間たちを受け入れたまえ」

【イスラム国】ベルリンでのトラック突っ込み事件に関するアマク通信速報「イスラム国の戦士が実行」

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2016年12月19日、ドイツの首都ベルリンで市場に大型トラックが突っ込み、12人が死亡した事件で、イスラム国系メディアの「アマーク通信」は2016年12月20日付の速報で、「セキュリティ筋の情報」として、「ドイツのベルリンでのひき殺し作戦の実行者は、イスラム国の戦士であり、有志連合の国の市民を標的にせよという呼びかけに応じて作戦を実行したものである」と報じた。アマーク通信が上の速報画像を配信した時刻は、日本時間の21日午前4時過ぎであった。

なお、12月11日に起きたエジプトの首都カイロのキリスト教(コプト正教)の教会での爆破事件や、12月18日に起きたヨルダン中部の観光都市カラクでの銃撃事件についても、イスラム国の戦士が行ったものとする公式の声明がでており、最近イスラム国による対外作戦が相次いでいる。

↓ヨルダン中部のカラクにおける銃撃事件に関するイスラム国声明
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↓エジプトのキリスト教会爆破事件に関するイスラム国声明
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↓ISが配信したキリスト教の教会を爆破した殉教者「アブアブドラ・ミスリ」の画像
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【イスラム国】イギリス人ジャーナリストのジョン・キャントリー氏、イラク軍の機甲部隊の墓場となったモスルの病院からリポート

OPENING
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↑画像をクリックして動画を視聴又はダウンロード↑

題名:صيادو الدروع
和訳:装甲の狩人
公開:2016年12月13日
組織:イスラム国(IS、旧ISIS又はISIL)
出所:ニナワ県広報部(旧イラク領)
音声:アラビア語、英語(アラビア語字幕付)
尺長:47分11秒

【キャプション】
イラク軍が使用しているアメリカ製の戦車や装甲車などに対するイスラム国の戦闘員たちの勇猛果敢な戦いぶりを紹介する宣伝動画。イギリス人ジャーナリストのジョン・キャントリー氏が登場し、モスル南東部のサラーム病院をめぐる戦闘で破壊されたイラク軍の戦車や装甲車の残骸について現地レポートする。

【サウンドバイト】
SnapShot(1)
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「私の前にあるスクリーンに映っていたのは、アメリカ製のエイブラムズ戦車です。近代戦用テクノロジーの結晶で、航空機用のタービンエンジンを動力とし、レーザー安定化ターゲットシステムと複合装甲を搭載しています。1991年、この戦車は旧サダム・フセイン政権の軍隊をたった3日で壊滅させたほか、2003年のアメリカによる対イラク侵攻でも活躍しました。それ以降、世界中の軍隊に売却され、莫大な利益を上げました。そして現在、ジハード戦士との戦いに投入されています」


SnapShot(2)
「エイブラムズ戦車の価格は、1台9億ドルといったところでしょうか。まったく高価なオモチャです。常勤の整備クルーが必要で、年に1度オイル交換をすれば足りる訳ではありません。それでも、信仰心をも打ち砕くほどの兵器とはいえないのです。2004年以降、ジハード戦士たちは試行錯誤を重ねながら工夫を凝らした武器でエイブラムズを破壊してきました」


SnapShot(3)
「安物の火炎瓶や、IED(着用爆弾ベルト)、SPG-9、そして今では、ロシア製のコルネット・ミサイルが使われています。私はイスラム国に捕虜として滞在し、ジハード戦士たちが僅か数百ドル以下の武器を駆使してエイブラムズの進攻を阻止する場面を目撃しました。2011年、アメリカはイラクから撤退し、オバマ大統領は再び軍が戻ることはないと約束しました。ところが、アブムハンマド・アドナニ師は、米軍が戻って来ると予言し、ジハード戦士たちは、それを待ち構えていたのです」


SnapShot(4)
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「イラク軍の兵士たちは、アメリカ製の武器を手に入れた自分たちは最強だと思い込みました。エイブラムス戦車だけでなく、ハンヴィーや、M4カービン銃まであるのだからと。しかも米兵の訓練を受けたのだと。あるいは映画を見て、ランボーになったつもりだったのでしょう。しかし、イラク兵には精神力が欠けています」


SnapShot(6)
「他方、ジハード戦士にはアラーがいます。どんな兵器よりも強力です。映像の『アブルワリード』と『アブフザイファ』という2人のジハード戦士は、エイブラムズ戦車に突撃しました。彼らの武器といえば、手榴弾のほかには勇気だけでした。この捨て身の攻撃で、アブルワリードは聴力を失い、アブフザイファも負傷、別の一人は命を落としました。しかし、ジハード戦士は死を恐れません。現世よりも天国へ行くことを望んでいるからです。死ぬことは敗北ではないのです」


SnapShot(7)
「真のイスラム教徒は、現世の安楽に執着しません。家や家族、そして、金銭の誘惑を断ち切り、ジハード戦士として戦うためにイスラム国にやって来ます。臆病者のイラク兵とは全く異なるのです」


SnapShot(8)
「例えば、デンマークでの豊かな暮らしを捨てて、戦うためにイスラム国に来たアブアクラマというジハード戦士がいます。」


SnapShot(9)
「アブアクラマは、エイブラムズ戦車3両を破壊しました。使ったのは手榴弾だけです。恐れずに戦車まで歩いて近づく、とんでもない勇気の持主です。50トンの鉄の塊に立ち向かうには、快適な戦車の中で標的が現れるのを座って待っている者とは比較にならない精神力と勇気が必要なのです」


SnapShot(10)
「ジハード戦士たちの勇敢さは、アメリカだったら輝かしい勲章に値したことでしょう。彼らを題材とした映画が製作されたことでしょう。しかし、彼らはイスラム教徒であるが故に、メディアからはテロリストと呼ばれています」


SnapShot(11)
「私たちは今、戦闘が行われているモスル東部の前線に来ています。私の背後には、まるでスティーブン・スピルバーグの映画のような光景が広がっていますが、これは現実です」


SnapShot(12)
「ここはかつて、イラク軍がモスルでの基地として駐留していましたが、ご覧のとおり完全に破壊されました。数えてみますと、破壊されたBMPは18両から25両ぐらい。ハンヴィーもたくさんあります。まさに修羅場です。ジハード戦士によりますと、イラク軍は餌に喰らいつく魚のように、まんまと罠に嵌まったとしています。ジハード戦士たちは、大量のイラク軍の車両をこの場所へに誘い込んだのです」


SnapShot(13)
「ちょっと数えてみましょう、1、2、3、4、5、6、7台。ブルドーザーやBMPがプラスチックのオモチャのようにバラバラに破壊されています」


SnapShot(14)
「これを見て下さい。アメリカの警告文が書かれています。ここにヘルファイア・ミサイルが落とされたことが分かります」


SnapShot(15)
「こちらは、M16自動小銃の残骸ですね。もう役には立ちません。それでは下に降りて、あちらの方を見てみましょうか。それでは、注意して行きましょう。足元に不発弾があるかもしれません」


SnapShot(17)
「これこそモスルの戦いです。このハンヴィーを見てください。完全に破壊されてしまいました。見事に燃え尽きて、何も残っていません」


SnapShot(18)
「地面に落ちているのは、吹き飛ばされたBMPの砲塔ですね。オモチャのように転がっています。奥のブルドーザーは、まだ使えそうです。ジハード戦士の役に立ってくれるでしょう」


SnapShot(19)
「ここはサラーム病院といい、以前は患者もいました。幸いにも、ジハード戦士たちのおかげで、ほとんどの患者は戦闘が起きる前に避難できました。しかし、病院自体は完全に破壊されてしまいました。現在、ブルドーザーなどを使って残骸の撤去作業が行われています」


SnapShot(20)
「このBMPは、対戦車攻撃を専門とするジハード戦士たちの部隊によって破壊されたものです。イスラム国建国から3年で、彼らは対戦車戦の専門家となりました。これらの車両を狙いどおりの場所へ誘い込み、様々な兵器で奇襲を仕掛けました。次々にミサイルを撃ち込んだのです。分厚い装甲だったのでしょうが、砲塔は破壊され、まるで紙切れのように破れていますね。相当な数のミサイルが使われたのでしょう。キャタピラも子どものオモチャのように壊れています。こんな光景は長らく見た憶えがありません」


SnapShot(21)
「おや、こんなところにイラク軍のヘルメットが。しかし、こりゃ無用の長物ですな」


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【イスラム国】世界遺産都市パルミラを再制圧 預言者ムハンマド生誕祭に新型ロシア製兵器のプレゼント ※追記あり


2016年12月11日、シリア中部の世界遺産都市パルミラを再制圧したイスラム国は、系列メディアのアマク通信を通じて、パルミラ市内で鹵獲したロシア製兵器の動画を公開した。その中には、「BPM-97」や「ウラル-4320」といった新しい軍用車両が確認できる。イスラム教の預言者ムハンマド生誕祭の祝日にあわせて、シリア軍とロシア軍からイスラム国のジハード戦士たちへの気前のよいプレゼントとなった。

イスラム国が鹵獲したロシア製装甲車「BPM-97」
BMP-97
 
 イスラム国が鹵獲したロシア製輸送車「ウラル-4320」
Ural-4320
 

※追記 イスラム国の戦闘員が登場しパルミラの制圧を宣言。拘束した捕虜を尋問、シーア派の礼拝所を摘発。遺跡の雑感など。
 (2016年12月12日付「アマーク通信」配信映像)


 

【イスラム国】シリアの世界遺産都市パルミラを再び制圧 ※追記あり

Parthenon
2016年12月11日、イスラム国系メディア「アマク通信」は速報で、世界遺産に登録されている古代ローマ時代の遺跡がある、シリア中部のパルミラを完全に制圧したと伝えた。パルミラを防衛していたアサド政権の部隊とシーア派民兵組織は崩壊したとしている。

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イスラム国の戦闘員がパルミラの町外れに到達した時点での町の様子
(2016年12月11日付「アマーク通信」配信動画)


イスラム国の戦闘員がパルミラの穀物サイロを襲撃・制圧した際の映像
(2016年12月11日付「アマーク通信」配信動画)  

ラッカの街頭で菓子を配り、パルミラでの勝利を祝うイスラム国の戦闘員の写真

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※2016年12月12日追記
 パルミラ市内に入ったイスラム国戦闘員たちの様子
(2016年12月11日付アマク通信配信動画)


  

【イスラム国】イスラエルの軍事諜報サイト「デブカファイル」 『年内のモスル奪回は不可能』 『イラク兵5万4千人と米兵5千人はISジハード戦士9千人に勝てず』

モスル南東サラーム病院のイラク軍部隊が壊滅

米軍の支援を受けるイラク軍によるモスル解放作戦の開始から、まもなく丸2カ月を迎えようとしているが、イラク軍の大部隊はイスラム国(IS)のジハード戦士の抵抗の前に苦戦を強いられている。12月7日にはモスル南東部のサラーム病院に駐留していたイラク軍の部隊が、イスラム国側の連続殉教攻撃などによってほぼ壊滅するという大打撃を被っており、大破したイラク軍の車両多数が無残な姿をさらしている映像が、イスラム国メディアの「アマク通信」によって配信されている。

ポリティカル・コレクトネスへの配慮からか、イスラム国に有利な内容のニュースは、たとえ事実であろうとも一般のメディアでは一切報じられない。そんな中、イスラエルの軍事・諜報情報サイト「デブカ・ファイル(DEBKAfile)」は、『モスル攻撃の失敗、対応はトランプ次期政権へ持ち越し』と題する興味深い記事を配信した。記事によると、イスラム国の幹部たちは、ラッカ・モスル間を何の支障もなく移動できるほか、総勢6万近いイラク・米連合軍には、わずか9千人のジハード戦士を打ち負かす能力さえないとしている。

デブカファイルの記事の当ブログ管理人による和訳は以下のとおり。

 アメリカ軍の支援を受けるイラク軍が、モスル解放作戦を始めてから9週間が経過し、最早その失敗は否定できないだろう。12月4日、イスラム国の幹部たちの一団は、シリアのラッカから移動して何の支障もなくモスルを訪れていた。

 軍事・諜報筋の「デブカ・ファイル」への報告によると、イスラム国の幹部たちがラッカからモスルを訪れたのは、モスルを支配している幹部たちが、町から撤退せずに留まることに方針を転換したのを踏まえ、ラッカとモスルという二つの拠点における作戦を、どのように並行して展開させていくかについて協議することが目的であった。

 イスラム国が方針を改めたのは、イラク軍とこれを支援するアメリカ軍にはモスルを奪回する能力がないと見ているためだ。オバマ大統領はモスル現地のアメリカ軍幹部らに対して、12月末までにモスルを奪回せよとの指示を出していたが、それが果たされそうにないことは、アメリカ政府内でも明らかになっている。オバマ大統領は、在任中にモスルを奪回できないまま、ホワイトハウスを去ることになるだろう。

 10月から始まったモスル解放作戦では、戦闘機90機と大砲150門の支援を受けながら、5万4千人のイラク軍兵士と5千人の米軍兵士が投入された。ところが、たった9千人のジハード戦士を打ち負かすことができない体たらくである。

 イラク軍が制圧できたのは、当初想定されていた地区のわずか10分の1に過ぎない。作戦が進まないため、当初の意気込みは削がれ、部隊の士気は下がってしまった。イラク政府は戦果を誇張し、新たな戦線を開いたなどと吹聴しているが、実際のところイラク軍は足踏み状態にあり、イスラム国の戦闘員と単に撃ち合いをしているだけである。

 イスラム国が戦術を転換して、イラク軍と徹底抗戦することに決めたという兆候は、ジハード戦士たちによって巧妙に制作され11月27日に配信された動画でも窺うことができる。この動画は、イスラム国によるモスル防衛の様子に関するもので、臨戦態勢にある戦闘員たちや狙撃手の配置ぶり、重要地点における自動車爆弾の存在、バリケードを張り巡らした市街などが公開されている。なお、イスラム国が撤退した地区では、有毒な化学物質を含んだ砲弾類がわざと残されており、「こうした武器で攻撃される危険を承知で来てみろ」という警告をイラク軍に送っている。

 また、デブカファイルの情報源によると、イラク軍によるモスル奪回作戦の初期に、イスラム国の戦闘員たちの中にはモスルを脱出した者たちもいたが、彼らは行政部門の責任者たちとともにモスルに戻ってきているという。

 一方、クルド自治政府の治安部隊「ペシュメルガ」は既に3週間前に、モスル奪回作戦から引き揚げており、イスラム国という危険な隣人と共存せざるを得ないということを認識している。アルビルを始めとするクルド人自治区の都市を守るために、モスルに対する強力な防衛線を築くことにエネルギーを注いでいる。

 モスル戦線の危機的な状況を踏まえ、アメリカ国防省は膠着した戦況を打開するために、部隊の増派計画を策定した。この計画は、次期政権のトランプ大統領とマティス国防長官による了承が待たれている。

【イスラム国】多言語広報誌『ルミヤ』 「ローマとコンスタンティノープル、どちらが先に征服されるか」との問いに、預言者ムハンマドの回答は?

イスラム国の多言語広報誌「ルミヤ」は月刊ベースで順調に配信されており、既に4号に達した。以下は英語版ダウンロード用のバナー広告である。

 「RUMIYAH(ルミヤ)」2016年12月8日配信 第4
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「RUMIYAH(ルミヤ)」2016年11月11日配信 第3号
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「RUMIYAH(ルミヤ)」2016年10月5日配信 第2号
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「RUMIYAH(ルミヤ)」2016年9月5日配信 第1号
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「ルミヤ(RUMIYAH)」とは、現在のイタリアの首都ローマを意味するアラビア語である(現代アラビア語では、「ローマー」と表記されることが多い)。

ところで、「ルミヤ」の創刊後に配信されなくなった、もう一つの広報誌である『ダビク(DABIQ)』は、世界の終末にキリスト教徒とイスラム教徒の最終決戦が行われる場所とされる、シリア北部の町に因んで名づけられている。それでは、新たな機関紙の名称が『ルミヤ』とされたのは、どんな理由があるのだろうか。

『ルミヤ』の巻末に、次のようなイスラム教のハディース(預言者ムハンマドの言行録)が紹介されている。


Allah's Messenger was asked, "which of the two cities will be conquered first? Constantinople or Rumiyah?" He replied, "The city of Heraclius will be conquered first," meaning Constantinople.
(アラーの使徒は、「コンスタンティノープルとローマ、どちらの町が先に征服されるでしょうか?」と問われたところ、「ヘラクレイオスの町が先に征服されるだろう」と答えた、つまり、コンスタンティノープルである。)


預言者ムハンマドの話のとおり、コンスタンティノープルは1453年、イスラム教国家であるオスマン帝国によって陥落し、東ローマ帝国は滅亡した。イスラム国のジハード戦士たちが口ぐちに宣伝動画で、「いつの日かローマを陥落させてみせる」と繰り返し宣言するのは、思い付きや根拠のない強弁ではないのである。

【イスラム国】イラク北部モスルから英国人記者ジョン・キャントリー氏がレポート(「アマク通信」12月7日付配信動画)

モスルにはチグリス河にかかる5つの橋があります
「モスルには、市内を流れるチグリス川を東西に結ぶ橋が5つあります」

有志連合の空爆で残された橋は1つだけ
「しかしこの二十日間で、有志連合の空爆によって4つの橋が破壊され、残った橋は、北へ半キロほどのところにある、小さな橋一つだけです」

あと1メートル後ろに下がると死んでしまう
「ここには5番目の最大の橋がありましたが、完全に破壊されてしまいました。私がここからあと1メートル後ろに下がったら、(穴に落ちて)死んでしまいます」

東西を行き来するモスル市民が困惑している様子
「私の後ろに見える幅1メートルほどの狭い通路のほかには、何も残されていません。東西を行き来するモスル市民の困惑ぶりをご覧ください」

 家族を訪ねたり、仕事や買い物に行くにも一苦労です
「家族を訪ねたり、買い物や仕事に行くのも一苦労です」

ジハード戦士はここにおらず、遠い前線にいます
「有志連合は、イスラム国のジハード戦士の移動を妨害するために破壊したなどと主張していますが、彼らは遠く離れた前線で戦っており、ここにはいません」

 普段通りに仕事に向かうも足止め
「空爆で橋が破壊され、仕事に向かう市民が足止めされています。ジハード戦士と戦うはずの有志連合が、なぜ市民を苦しめるのでしょうか?」

*   *   *

有志連合は水の供給施設を空爆
 「また、有志連合による(橋や水道といったインフラ設備に対する)空爆が始まって以降、水の供給が大きな問題となっています」

 水を汲みにやって来た子どもたち
「私の後ろでは、子どもたちが水汲みに来ています。町の至るところで見られる風景です」

*   *   *
 
 モスルに残された最後の橋に来てみた
「モスルを東西に結ぶチグリス河にかかる最後の橋に来てみました。残されたのは町で一番小さな橋だったので、大変混雑しています」

 余りの混雑のため橋を超えるのに何時間も
「あまりの混雑のため、市民が橋を超えて対岸側へ行くのに何時間もかかっています」

どこにジハード戦士がいるというのか
「一体、どこにジハード戦士がいるのでしょう。ここにいるのは一般市民だけです」


 

【イスラム国】故アブムハンマド・アドナニに代わる新たな公式スポークスマン 「アブルハサン・ムハージル」からの初の声明

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↑画像をクリックして音声ファイルを再生可能なリンク先へ移動↑

題名:فستذكرون ما أقول لكم
和訳:「我がお前たちに述べることを、お前たちは思い出すだろう」
公開:2016年12月5日
組織:イスラム国(IS、旧ISIS又はISIL)
出所:フルカン・メディア(IS公式の広報部門)
音声:アラビア語
尺長:24分51秒

【キャプション】
今年の8月に有志連合の空爆によって死亡したと見られる前公式スポークスマンの故アブムハンマド・アドナニ氏に代わり、新たに公式スポークスマンに就任した「アブルハサン・ムハジル」氏による初の音声による声明。

アブハサン・ムハジル氏は声明の冒頭から、イスラム国のジハード戦士たちに向けて、イスラム教の聖典クルアーンやハディース(預言者言行録)を引用しながら、目下の苦難をアラーから与えられた試練と受け止めて、シーア派や十字軍連合との戦いに耐え抜くように繰り返し訴えている。また、アブ・ハサン・ムハージル氏は30分足らずの声明の中で、「忍耐」を意味するアラビア語の単語「サバラ(صبر)」「サーバラ(صابر)」を、合計17回も使用しており、イラク北部のモスルなどでの戦闘で厳しい状況下にあるイスラム国の現状を示唆している。

【イスラム国】系列メディア「アマク通信」 モスルでの市街戦の映像

イラク北部のモスルを支配するイスラム国(IS)と、その制圧を目指すイラク政府軍及び民兵組織の間で戦闘が続いている。以下、イスラム国系メディア「アマク通信」の12月2日付配信動画3本は、まさしく市街戦と呼ぶに相応しい臨場感に溢れている。通常の宣伝動画とは異なり、BGMや効果音、ナレーション等がないので素材として利用しやすく、報道関係の方々におかれては、ニュース番組等でモスル情勢を取り上げる際に、IS側の視点として活用されてはいかがだろうか(画像をクリックすると、当該動画のリンク先に移動する)。

その1:12月2日付アマク通信配信「モスル東部インティサル地区での戦闘」
 モスル東部インティサル地区の戦況3
【サウンドバイト】笑顔の戦闘員『神のおかげで仲間がインティサル地区に進撃し、敵の第2土塁に達した。戦いは続いている』(アラビア語)
モスル東部インティサル地区の戦況2
モスル東部インティサル地区の戦況1


 【その2:12月2日付アマク通信配信「モスル北東部ムハリビン地区での戦闘」
モスル北東部ムハリビン地区での戦闘1
モスル北東部ムハリビン地区での戦闘2
モスル北東部ムハリビン地区での戦闘3
【サウンドバイト】IS戦闘員『シーア派よ、お前たちの敗北は語り継がれるだろう。信心なき者は立ち去れ!』(アラビア語)
 

その3:12月2日付アマク通信配信「モスル東部第2カデシヤ地区での戦闘」
モスル東部第2カデシヤ地区での戦闘1
モスル東部第2カデシヤ地区での戦闘2
モスル東部第2カデシヤ地区での戦闘3
モスル東部第2カデシヤ地区での戦闘4

【イスラム国】トランプ次期米大統領がオハイオ州での傷害事件の実行者について「わが国にいるべきでなかった」とツイート

Trump
NHKの報道によると、2016年11月28日、アメリカ中西部のオハイオ州の大学で、男が車で歩道に突っ込んだあと、歩行者をナイフで切りつけ、9人がけがをして病院に運ばれた。けがをした人たちはいずれも命に別状はなく、男は警察に射殺された。警察は、男の身元の確認とともに動機の解明を進めていた。

翌29日、イスラム国系メディアのアマーク通信(※)から、「オハイオ州での攻撃の実行者は、イスラム国の戦士である」との発表がなされた。

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20161129_IS_Amaq_Ohaio_Attack_English

これを受けて、アメリカの次期大統領であるドナルド・トランプ氏は、事件を行ったソマリア難民について「わが国にいるべきでなかった」とツイートした。
Trump
死者が出なかったこともあり、メディアの注目をほとんど集めていなかった事件にもかかわらず、早速トランプ氏はこの機会を捉えて、移民の制限を仄めかすようなツイートを発した。大統領就任前であるが、トランプ氏によるイスラム国との「テロとの戦い」は既に始まっている。


(※)アマク通信、アーマク通信などの表記もある。
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