2017年06月

【IS系メディア・アマーク通信】米軍の空爆で破壊されたモスルの歴史的モスクの映像を公開

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2017年6月23日、イスラム国(IS)系メディアの「アマーク通信」は、イラクのモスルで米軍の空爆によって破壊された歴史的モスクとミナレット(光塔)の動画を公開した。

↓被害現場の上空からの映像SnapShot(50)
↓破壊されたハドバー・ミナレット(光塔)
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米軍の空爆により破壊されたハドバー・ミナレットは、12世紀に創建されたヌーリ・モスク当時の姿を残す唯一の建造物である。「ハドバー」とは、「猫背の」「腰の曲がった」という意味のアラビア語であり、長い年月を経て傾いた塔の形状に因んで名づけられた。モスル市民の間では「長老」という愛称で呼ばれ親しまれてきた。

↓米軍のミサイルの残骸。アマーク通信は空爆による破壊の証拠としている。
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↓現場でモスル市民にインタビュー中に近くの居住区で空爆があった。
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↓モスル市民「有志連合はアラーの光(ヌール)を消すためにヌーリ・モスクを破壊した」
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↓モスル市民「有志連合が『解放』したいのは土地であって人ではない」
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【IS系メディア・アマーク通信】アメリカ軍がイラクのモスルで歴史的なモスクを空爆

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イスラム国(IS)系メディアの「アマーク通信」は6月21日付の速報で、イラクのモスル中心部にある「ヌーリ・モスク」とハドバー・ミナレット(光塔)がアメリカ軍の空爆によって破壊されたと伝えた。一方、イラク軍は「ISが自ら爆破した」などと主張しており、NHK時事通信など、日本の主要メディアはイラク軍の発表にそった報道をしている。バグダディ指導者の死亡説をどれほど繰り返しても、イラク軍の発表の信頼性は確固たるもので揺らがないようだ。

イスラム国をめぐっては、「IS=絶対悪」というポリティカル・コレクトネスを前提とした報道が行われている。ISをめぐる複雑な国際情勢に関して、日本人の平均的な理解レベルを鑑みれば、テレビ局や大手紙など影響力の大きい報道機関は、こうした態度を取らざるを得ない。両論併記では「絶対悪」に配慮し過ぎという判断となる。従って、今回のアマーク通信社の報道も、ほぼ無視されているのが現状である。

ところで、アマーク通信社の信憑性については、産経新聞の佐藤貴生という記者が、「ISの通信社、宣伝機関に転換か 「誤報」しばしば、信憑性に疑問符」という記事を執筆している。記事で佐藤氏は、イスラム教徒を敵視するフィリピン治安当局や、イスラエルに対する攻撃なら条件反射で歓迎するハマスの主張には疑念をむけることなく、イスラム国(IS)の主張を一蹴している。その上で、次のように主張する。

「・・・最近のISの犯行声明は傘下にあるとされる通信社、アマクを通じて出されることが多い。かつては信頼度が高いとみられていたが、欧米のテロ専門家の間では、アマクは若者たちを扇動するためのプロパガンダ(政治宣伝)機関になったとの意見もある。虚偽の出来事を事実であるかのように報じる「フェイクニュース」を発信していると皮肉る見方さえ出ている・・・」

まず基本的な知識として、ISの「犯行声明」がアマク通信社から出されることはない。赤色と青色の公式声明の画像は、イスラム国「本部」から必ず配信される。アマク通信社から出されるのは、「攻撃を行ったのはイスラム国の戦士である」といった事実関係に関する内容の報道であり、これが本来の声明に先行することが多いため、事実上の「犯行声明」として、世界のメディアによって扱われているのが実態である。

また、産経新聞の佐藤貴生氏は「欧米のテロ専門家」の発言を引用し、アマク通信がプロパガンダ機関になり、フェイクニュースを発信しているとしているが、いわゆる「プロパガンダ」を行う広報部門ならISに別途存在するので、アマク通信がこれを行う必要はない。ISの広報に対する初歩的理解を欠いていると言わざるを得ない。日本より議論のレベルが高い「欧米のテロ専門家」で、こうした大雑把な主張はめずらしいが、一体誰なのだろうか。

また、アマク通信の配信記事を日々フォローしていればわかることだが、アマク通信は誤りを訂正する柔軟性を備えているなど、内容の正確さの追求及びその信憑性の高さは、腐敗した中東諸国の国営通信などとは比較にならない。

※アマク通信による誤りの訂正の例
アブハシャブという町の場所を訂正したケース
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Amaq

アマク通信が配信の対象としているのは、情報統制された独裁国家の住民ではなく、全世界のスンニ派イスラム教徒であり、常に厳しい検証の目に晒されている。そのため、真実をすべて伝えることはなくとも、虚偽の情報を流すことは全く利益にならないのである。

こうしたアマク通信の特異性については、佐藤氏自身が記事の中で「かつては信頼度が高いとみられていた」と書いているとおりであり、実際のところ今も変わりはないのである。

↓産経新聞カイロ支局・佐藤貴生氏によるISの関与を否定する主張
産経新聞

【イスラム国】公式スポークスマンのムハジル師声明。フィリピンのマラウィ制圧とイラン国会・ホメイニ廟の襲撃を祝福

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2017年6月13日未明(日本時間)イスラム国の公式スポークスマンであるアブルハサン・ムハジル師による音声の声明が公表された。

最近のイスラム国の動向に関連する発言としては、「東アジア州のカリフ国の民」がフィリピン南部のマラウィを制圧したことを祝福しているほか、イランの国会議事堂とホメイニ廟の襲撃事件についても、「ペルシャにいるスンニ派教徒のカリフ国の戦士たち」を祝福するとともに、先般の事件はイスラム教徒にとって喜びであったとしている。また、「ゾロアスター教徒ども(イラン人)の家はクモの巣よりも弱い」として、更なる攻撃を行うよう呼び掛けている。

【イスラム国】チェチェン人ジハード戦士が親ロシアのチェチェン人部隊のシリア派遣について言及

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題名:أبو سيف الله الشيشاني - Абу Сайфуллах Шишани
和訳:殉教者のキャラバン「アブ・サイフッラー・シシャーニ」
公開:2017年6月11日 
組織:イスラム国(IS、旧ISIS又はISIL)
出所:フラート・メディア(※イスラム国公式の広報部門でない)
音声:ロシア語(アラビア語字幕付き)
尺長:7分5秒

イスラム国のチェチェン人ジハード戦士「アブ・サイフッラー・シシャーニ」が、殉教攻撃を行う前に遺したメッセージ動画。カフカースの同胞に向けてジハードに立ち上がり、殉教攻撃を行うよう呼びかけている。動画の後半では、爆発物を搭載した車両による殉教攻撃の様子をドローンで撮影した映像となる。

興味深いのは、チェチェン人のジハード戦士が、動画の前半で次のとおり述べていることだ。

「・・・チェチェンの背教者どもの集団がシリアに送り込まれたとの知らせが、我らの下に届いている。アラーに称賛あれ。我らはジハードのために国を出たが、お前たちを殺すために帰らねばならないと思っていた。ところが、アラーはお前たちを我らに差し向けてくださったのだ。これこそアラーの我らへのご慈悲である。我らの手によりお前たちの血が流されるだろう・・・」

親ロシアのチェチェン人部隊が、ウクライナ東部に派遣されて暗躍していたのは公然の秘密であるが、シリアに派遣されているということは、あまり知られていないのではないか。イスラム国にはチェチェン人のジハード戦士が数千人いると見られ、その掃討には同じチェチェン人の傭兵がうってつけという、ロシア当局の判断なのだろうか。

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【イラン国会攻撃】テヘランの国会議事堂に突撃したIS戦士が内部で撮影した動画 ※IS公式声明等を追記

2017年6月7日、イランの首都テヘランやその周辺で、武装したグループが国会議事堂とホメイニ廟を襲撃した。イランの国営テレビは少なくとも12人が死亡したと伝えている。

イスラム国(IS)系メディアのアマク通信は、3本の速報バナー画像で、
「イスラム国の戦士たちがテヘランでホメイニ廟及びイラン国会議事堂を攻撃した」
「テヘランのホメイニ廟の中で、爆弾ベルトにより2回の殉教攻撃」
「テヘランのイラン国会議事堂の中での攻撃はまだ続いている」
と伝えた。
また、アマーク通信は、実行犯の一人が国会議事堂内で撮影したとする動画を公開した。
テヘラン国会議事堂を襲撃

動画のオリジナル版の尺は24秒であり、ケガ人が倒れている場面があり、実行犯と思しき人物の声で「我々がいなくなるとでも思ったか! 我々は存続しつづける!」とアラビア語で叫んでいる。

さらに6月8日には、アマーク通信から実行犯5人からのメッセージ動画が公開された。

オリジナル動画の尺は4分24秒でアラビア語の字幕付き。中央の黒いマスクの人物がペルシャ語で話し、イスラム教徒に対してイスラム国に参加してジハードを行うよう呼びかけるほか、イランの次はサウジアラビアを攻撃すると予告している。

↓以下、アマーク通信が配信した速報バナー画像
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IS_Iran_Attack_3
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※追記
その後、イスラム国から公式の「犯行声明」が出された。「テヘランで多神教徒の国会議事堂と破滅すべきホメイニの廟に5人が突撃」と題し、場所は「イラン」という表記ではなく、アラビア語で「ペルシャ」とされている。
ISの声明によると、「カリフ国(イスラム国)の戦士5人が、銃や手榴弾で武装し爆弾ベルトを着用して、多神教徒の国会議事堂と悪魔であるホメイニの墓に突撃した」「彼らは殉教する前に、背教者およそ60人を死傷させた」などとしているほか、今後もイランでの攻撃を行うことを示唆している。
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↓アラビア語機関紙「アルナバ」が報じたテヘラン襲撃作戦の詳細
Tehran_Attack_Al-Naba_84

↓イラン国会・ホメイニ廟の襲撃のインフォグラフィック(アマク通信)
هجوم طهران

【ロンドン殺傷】イスラム国系メディア「アマーク通信」による「犯行声明」


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2017年6月5日20時現在、本件に関してイスラム国(IS)からの公式の声明は発出されていない。公式の声明が遅れるケースは、当該作戦の協力者が今も潜伏又は逃亡中で、事件に関する情報の公開を控えているためとも考えられる。

以下、NHKの関連報道を引用。
「ロンドンのテロ事件 IS系メディア「戦士が実行」(2017年6月5日 7時07分)
イギリス、ロンドン中心部の橋の上で男たちが車で歩行者を次々にはねたあと、近くの市場にいた人々をナイフで襲い、7人が死亡した事件で、ISとつながりのあるメディアの「アマーク通信」は4日、インターネット上で「ISの戦士たちのグループがロンドンでの攻撃を実行した」と伝え、ISによる事件への関与を主張しました(以下略)」(引用終わり)


↓事件を受けてIS支持者が制作した「復讐」と題するポスター
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【マニラ発砲放火】イスラム国の「犯行声明」


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2017年6月2日午前1時ごろ(日本時間)、フィリピンの首都マニラにあるホテルやカジノなどが入った複合施設で、男が銃を発砲した後に放火した事件で、36人が死亡した。

翌2日、イスラム国からこの事件に関する声明が出された。「速報 マニラでの捨て身の攻撃により敵であるキリスト教徒およそ100人が死傷」と題し、「同志であるアブ・カイル・アルカビリが、フィリピンのマニラにある「リゾーツ・ワールド」というリゾート施設で、敵であるキリスト教徒たちの集まりに銃を持って突撃した。そして殺害と懲罰を行った後、殉教した。攻撃の成果は、キリスト教徒およそ100人を死傷させた」などとしている。

この声明が出される直前、イスラム国系メディアの「アマーク通信」も速報で、「アマク通信セキュリティ筋によると、イスラム国の戦士たちが、昨日のフィリピンのマニラにおける攻撃を実施した」と短く報じた。複数形で「戦士たち」とされており、単独犯ではなく、共犯ないし協力者がいるものと見られる。

IS

【カブール爆弾攻撃】なぜイスラム国の「犯行声明」がでないのか?


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NHKによると、2017年5月31日、アフガニスタンの首都カブールで、各国の大使館が集まる地区で大量の爆発物を積んだバキュームカーが爆発して、90人が死亡、日本人2人をふくむ400人以上がけがをした。これまでのところ犯行声明は出ていないが、現地の警察は「爆弾テロ」として捜査している。

なお、アフガニスタン・イスラム首長国(通称「タリバン」)のスポークスマンは公式ホームページで、この事件への関与を否定する声明を発している。一方、時事通信の報道によると、アフガニスタンの情報当局は「ハッカニ・ネットワーク」の関与の可能性を指摘している。

「ハッカニ・ネットワーク」説は、いかにも消去法であり、説得力があまり感じられない。当ブログ管理人は手口や爆発の規模から見て、イスラム国が行った可能性が高いと見ている。それならば何故「犯行声明」がでないのか?

おそらく今回の殉教作戦は、現地の組織が主導する形で計画及び実行がなされたものの、標的としていた大使館の外国人らを殺害できず、犠牲者は現場に居合わせたアフガニスタンの一般市民ばかりという惨憺たる結果を受けて、イスラム国本部から公式に承認されなかったのだろうと考えている。

イスラム国のアフガニスタン支部「ホラサン州」においては、2015年にも東部のジャララバードの銀行前で殉教攻撃が行われ、イスラム国を名乗る組織から一時「犯行声明」が出されたものの、犠牲者が一般のアフガニスタン市民ばかりであったことから、後にイスラム国が関与を否定する声明を出した事例がある。このケースについては、当ブログの過去記事を参照ありたい。

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