チュニジアのテレビ局「エルヒワル・エルトゥニシ」の討論番組「7/24」の3月19日放送分で、チュニジア内務省のラフィーク・エルシッリ次官が出演し、日本人3人を含む20人が死亡したボルドー博物館襲撃事件の捜査状況について語っている。

エルシッリ次官は番組で、「博物館襲撃はイスラム国による犯行」と断定している。作戦に関わった者は全員イスラム国のメンバーであると言い切った。

実行者は昨年の12月に密かに隣国リビアへ出国し、リビアのアンサール・シャリーアが管理する訓練キャンプで武器の使用法について訓練を受けていた。訓練にはリビアのイスラム国メンバーが協力していた可能性があるという。

また、襲撃作戦を支援した4人の容疑者をすでに逮捕しているとエルシッリ次官は明言した。その内の一人は、ジハード主義思想に深く傾倒しており、今回の作戦を支援するために居住先のベルギーから帰国していた。この4人が事件現場に運び込んだ武器の中には、自爆ベルトも含まれていた。次官は押収した自爆ベルトの写真を番組で公開する。

番組では、独自に入手した事件当時に現場で撮影された銃撃戦の模様の動画も公開しているほか、突如謎の犯行声明を発したSNSアカウント運営者「イフリキヤ・イアラーム」についても特集している。ロイター通信をはじめ、中東・北アフリカ地域に知見のあるメディアがこの番組のインタビュー内容を「内務省発表」として次々と引用しており、今回の事件を考察する上で必見の番組である。

今回の日本人殺害事件がイスラム国によるものであれば、フリージャーナリストの後藤健二氏を殺害する動画での「これから日本人の悪夢が始まる」との宣言が、まさに実行された形となる。