米軍の無人機による空爆で、アルカイダにより人質として拘束されていた米国人経済アドバイザーのウォーレン・ワインスタイン氏が巻き添えになり、死亡していたことが明らかになった。以下、AFP通信の報道の引用。

【4月24日 AFP】バラク・オバマ(Barack Obama)米大統領は23日、アフガニスタンとパキスタンの国境地帯で1月に行われた対テロ秘密作戦で、国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)の人質になっていた米国人とイタリア人計2人を誤って死亡させたと発表し、自らその悲劇の「全責任を負う」と述べた。

2013年の12月には、米政府に解放のための努力を訴えるワインスタイン氏の動画が公開されていた。以下、CNNの報道の引用。

(CNN) 国際テロ組織アルカイダは25日、パキスタンで2年以上前に拉致した米国人男性ウォーレン・ワインスタインさん(72)のビデオをインターネット上で公開した。ワインスタインさんは「見捨てられ、忘れられた心境だ」と述べ、オバマ米政権に助けを求めている。

ところで、一般にはほとんど知られていないが、実は2014年の8月、アルカイダ側は、ワインスタイン氏の家族に向けてに次のような声明を発していた。

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アルカイダはこの声明で、「お前たちの(米)政府は、拘束されている人質に死んでもらいたいと考えている。そうすれば、この問題が片付くからだ。実際にお前たちの政府は、解放のための何の努力も行っていない。我々と連絡さえ取っていない」としている。

今回の米軍による無人機での人質殺害により、米政府が「人質に死んでもらいたいと考えている」というアルカイダ側の主張を、皮肉にも裏付けする形となってしまった。