フランスのメディアで活躍中のジハード主義組織を専門とする著名なジャーナリストが、ジハード戦士による「殉教攻撃」を「カミカゼ」と表現していた。

ところで、意外に思われるかもしれないが、ジハード戦士による「殉教攻撃」は、必ずしも死ぬことを前提として行われるものではない。そのため、「カミカゼ」はもとより、「自爆攻撃」、「自殺攻撃」などといった訳語は正確ではない。敵の標的を破壊するという目的を達成して、なお生還できるのであれば、当然ながら生還すべきなのである。そもそもイスラム教においては自殺は大罪であり、100%死ぬことを前提とした作戦はありえない。

次の動画は、シリアのアルカイダ系ジハード主義組織「ヌスラ戦線」が最近公開した動画である。


この動画では、2人のジハード戦士が殉教攻撃を行うが、その内一人は生還を果たす。爆発物を満載した車両を敵陣奥深くに進めてから脱出し、遠隔操作で車両を爆破した後、仲間のジハード戦士たちのところへ見事帰還するのである。果たして仲間の反応はどうであろうか
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動画の最後のシーンを見ていただければ分かるように、仲間たちは歓呼して殉教攻撃からの生還を祝うのである(画像は仲間の一人が飲み水を与えているシーン)

これが「カミカゼ」であったとすれば、「生き恥を晒した」、「先に死んでいった者たちに申し訳が立たぬと思わぬか」などと理不尽に罵倒され、大変な不名誉ということになろう。イスラム教のジハード主義組織は、旧日本軍のように非合理的で野蛮な組織ではない。