画像をクリックして動画を視聴またはダウンロード
↑画像をクリックして動画を視聴又はダウンロード↑

番号:223
題名:اتبعون اهدكم سبيل الرشاد 3
和訳:続け、汝らを正しき道に導かん3
公開:2015年10月12日
組織:イスラム国(IS、旧ISIS又はISIL)
出所:ジャジーラ県広報部(イスラム国傘下)
音声:トルコ語(アラビア語字幕)

【動画の内容及び解説】
 イスラム国のジャジーラ県(イラク)広報部が配信した、トルコ人ジハード戦士たちのグループによる宣伝動画。動画の前半部分では、1人のジハード戦士が仲間にジハードについてトルコ語で講義し、後半部分では、3人の戦闘員が登場し、その内の1人がイスラム国への移住とジハードへの参加を呼び掛けるオーソドックスな内容。だが、このタイミングでの動画の公開は、トルコに対する敵対姿勢を誇示するというイスラム国の意図が垣間見える。

 イスラム国がシリア及びイラクの広範な地域に勢力を拡大して以降も、トルコとの関係はしばらくの間は左程悪化しなかった。モスル制圧時に拘束されたトルコ人外交官49人は、2014年9月に無事全員解放されている。また、シリア・トルコ国境地帯のコバニでイスラム国がクルド人部隊と激しく衝突していた頃にも、トルコは中立を維持していた。他方、イスラム国の側も、シリア領内のトルコの飛び地であるスレイマン・シャー廟について、周辺地区を支配後も占拠や破壊を行わなかった。

 しかし、トルコ政府は最近になって、国内の不穏分子であるクルド人武装勢力の掃討をアメリカやヨーロッパ諸国に黙認させる見返りとして、アメリカや日本等でつくる「有志国連合(十字軍連合)」への積極的な協力姿勢を打ち出すようになっていた。トルコ政府はイスラム国メンバーの摘発や活動の取締りに本腰を入れている。他方、イスラム国側も、トルコ領内で殉教作戦を行っている(2015年10月10日に首都アンカラで95人が死亡した爆発事件についても、トルコ政府はイスラム国の関与の可能性を示唆している)。

 動画に登場する多数のトルコ人ジハード戦士たちは全員素顔を晒しており、母国とは完全に決別する覚悟だろう。この動画は内容的には新味はないが、トルコとイスラム国が完全な敵対関係に入ったことを象徴するものとして重要である。

↓画像をクリックして動画を視聴又はダウンロード↓
画像をクリックして動画を視聴またはダウンロード