IS公式ラジオ「アルバヤンの声明」
2016年7月16日午後10時5分(日本時間)ごろ、公式ラジオ放送アルバヤンのフランス語版でも、南部のニースでのトラックによるひき殺し攻撃(14日夜に発生)を行ったのはイスラム国の戦士であるという声明が発出された(上の画像は、フランス語テキスト版起こしの該当部分の抜粋)。内容は以下のアラビア語版と同じである。

【以下、これまでの関連情報】


2016年7月16日午後6時15分(日本時間)ごろ、イスラム国公式ラジオ放送の「アルバヤン」(アラビア語版)は、フランスのニースでの大型トラックによる攻撃作戦について、イスラム国の戦士の一人が行ったものとする声明を、デイリーニュースの一部として冒頭で発表した(上の動画は当ブログ管理人が独自に編集し字幕を付したもの)。

↓画像をクリックして「アルバヤン」の音声ファイル(アラビア語)を再生
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アルバヤン放送での該当する部分の和訳はつぎのとおり。
音声ファイル 01:04-01:52
「最初はフランスから。
カリフ国と敵対する十字軍連合の国を標的にせよというイスラム国の呼びかけに答えて、イスラム国の戦士の一人が、新たに強力な作戦を実行した。フランスのニースで行われていたナショナルデーを祝う行事において、大型トラックを使用してフランスの十字軍市民たちをひき殺した。この大胆な作戦により、およそ100人を殺害したほか、何十人かを負傷させた。重体の者がいるため、戦果はさらに増える可能性もある。
思い知るがいい、十字軍諸国よ。どれほど治安警備を強化しようとも、ジハード戦士の攻撃を阻止することはできない。彼らはお前たちの国内で襲撃を続けるだろう。」

※2016年7月18日追記
NHKが、イスラム国公式ラジオ放送の内容について、丸1日以上遅れながらも、やっと次のとおり報じていた。「アルバヤン」という固有名詞をまだ使用しないつもりのようだが、「アマーク通信」のように、いずれ必須の報道用語となるだろう。先進諸国の報道機関の先駆けとなられることを期待したい。
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画像をクリックしてNHKの報道へ移動
仏 暴走テロ ISラジオ 容疑者の男は「ISの戦士」
7月17日 22時14分
フランス南部のニースで花火の見物客に大型トラックが突っ込んだテロ事件で、過激派組織IS=イスラミックステートが運営するラジオは、容疑者の男について「ISの戦士だ」と主張するとともに、今後も、こうしたテロを繰り返す可能性を示唆しました。
フランス南部のニースで、14日夜、花火を見物する人々が集まった遊歩道に大型トラックが突っ込んで暴走し、これまでに84人が死亡しました。
この事件でトラックを運転していて警察に射殺されたニース在住のチュニジア人、モハメド・ラフエジブフレル容疑者(31)について過激派組織ISが運営するラジオは16日、インターネットを通じた放送で「ISの戦士だ」と主張しました。そのうえで、「有志連合の国々はいくら治安機関の能力を駆使しても、戦士たちの攻撃を防ぐことはできないと認識すべきだ」として、ISと戦う有志連合の参加国で、今後もこうしたテロを繰り返す可能性を示唆しました。
ラフエジブフレル容疑者について、フランスのカズヌーブ内相は短時間で過激な思想の影響を受け犯行に及んだという見方を示していて、捜査当局が動機や背後関係の解明を進めています。
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【以下、アマーク通信による本件の第一報】
 
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アマーク通信の英語版速報バナー画像

・イスラム国系メディアのアマーク通信は、2016年7月16日付配信の速報バナーで、「アマーク通信のセキュリティ取材源:フランスのニースにおける(※トラックを使った)ひき殺し作戦の実行者は、イスラム国の戦士の一人である。イスラム国と戦う(有志)連合の国々の市民を標的にせよという呼びかけに応じて行われた」と報じた(※はブログ管理人による補足、和訳はアラビア語版に基づく)。