Blood For Blood

 AFP通信によると、ロシア中西部スルグト(Surgut)で8月19日午前、黒色の衣服に目出し帽をかぶった男が通行人らを次々と刃物で襲い、7人が負傷した。男は現場で警官に射殺されたと報じている。

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この事件について、イスラム国(IS)系メディアの「アマーク通信」は、19日付速報バナー画像を配信し、「ロシアの都市スルグトでの攻撃を行った者は、イスラム国の戦士である」と報じて「事実上の犯行声明」を出した。一方、ロシア治安当局は、「犯人は精神疾患を抱えていた」などとして、テロの可能性は低いと主張していた(NHKがこの事件について一切報じていないのは、ロシア当局の発表を重視しているためと見られる)。

 Blood For Blood

こうした中、非公式でありながらイスラム国(IS)の宣伝活動を行っている「フラート・メディア」から、実行犯とされるロシア語話者の男によるメッセージ動画『スルグト、血には血を』が配信された。なお、動画の冒頭には、「ハッターブ・ルーシ」と称するロシア語話者の少年兵による捕虜の処刑シーンがあるため、当ブログでのリンクの掲載は控える(「フラート・メディア」の動画を紹介しているSNSアカウントは、ジハーディスト・ウオッチャーの間では広く知られているので、その筋の方であれば見つけることは容易であろう)。

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アマーク通信ロシア語版の速報バナー画像

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実行犯の氏名を「マスウード・スルグーティ」としている。

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実行犯の男は動画の冒頭でバグダディIS指導者に忠誠を誓う

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「不信心者の国」から飛び立つ戦闘機が、多くのイスラム教徒を連日殺害しているとして、イスラム国への移住が叶わないイスラム教徒に向けて、銃がなくとも刃物により不信心者に対する攻撃を行うよう呼びかけている。