イスラム国(旧リビア領内の3州)
関連する宣伝動画のリンクを随時追加予定。
内容はほぼ同様で、戦闘員がジハードの成功を祝い、欧米諸国に警告する内容。最初に公開されたニナワ県広報部の動画のブログ記事を参照。
↑2016年3月27日公開 ユーフラテス県広報部(旧シリア・イラク領)
『目には目を』 フランス語話者のジハード戦士たちが登場
↑2016年3月26日公開 ラッカ県広報部(旧シリア領)
『そして彼らの心に恐怖を打ち込んだ』
オランダ語話者のベルギー出身戦闘員が登場(アラビア語字幕付)
↑2016年3月26日公開 トリポリタニア州広報部(旧リビア領)
『この次はより悲惨で苦々しいものとなろう』
英語話者のジハード戦士が登場する。
↑2016年3月25日公開 カイル県広報部(旧シリア領)
『汝らが痛みを感じるように、彼らも痛みを感じている』
ベルギーでの攻撃に関し、イスラム国領内の市民の喜びの声を伝える
↑2016年3月25日公開 ニナワ県広報部(旧イラク領)
『等しい報い』 この動画の内容詳細は当ブログ記事を参照。
内容はほぼ同様で、戦闘員がジハードの成功を祝い、欧米諸国に警告する内容。最初に公開されたニナワ県広報部の動画のブログ記事を参照。
↑2016年3月27日公開 ユーフラテス県広報部(旧シリア・イラク領)
『目には目を』 フランス語話者のジハード戦士たちが登場
↑2016年3月26日公開 ラッカ県広報部(旧シリア領)
『そして彼らの心に恐怖を打ち込んだ』
オランダ語話者のベルギー出身戦闘員が登場(アラビア語字幕付)
↑2016年3月26日公開 トリポリタニア州広報部(旧リビア領)
『この次はより悲惨で苦々しいものとなろう』
英語話者のジハード戦士が登場する。
↑2016年3月25日公開 カイル県広報部(旧シリア領)
『汝らが痛みを感じるように、彼らも痛みを感じている』
ベルギーでの攻撃に関し、イスラム国領内の市民の喜びの声を伝える
↑2016年3月25日公開 ニナワ県広報部(旧イラク領)
『等しい報い』 この動画の内容詳細は当ブログ記事を参照。
↑画像をクリックして動画を視聴又はダウンロード↑
題名:غزوة الشيخ أبي المغيرة القحطاني (تقبله الله
和訳:故アブムギーラ・カハターニ師に捧げる戦い
公開:2016年2月14日
組織:イスラム国(IS、旧ISIS又はISIL)
出所:キレナイカ州広報部(イスラム国傘下、旧リビア領)
音声:アラビア語
重要:★★★☆☆
【内容及び解説】
イスラム国のリビア支部の一つ「キレナイカ州」のジハード戦士たちが、地中海沿岸の都市ラスラヌフの石油施設を襲撃し、これを見事に攻略するとともに、大量の武器弾薬を獲得したことをアピールする宣伝動画。シドラ湾の石油施設は、極めて重要性の高い戦略上の要衝である。
イスラム国はこの攻撃作戦の名前に、故アブムギーラ・カハターニ師の名前を冠しており、その並々ならぬ意気込みが伝わってくる。カハターニ師とは、イスラム国のリビア支部3州(トリポリタニア州、キレナイカ州、フェザーン州)の前総司令官であるが、既に殉教を遂げている。なお、2015年9月発行のイスラム国公式英語広報誌「ダビク」に、カハターニ師のインタビュー記事が掲載されている。
↓『ダービク』第11号に掲載されたカハターニ師のインタビュー
カハターニ師の生前の勇姿は、2014年7月に公開されたイスラム国の宣伝動画『預言者の手法にて(على منهاج النبوة)』の中で見ることができる。イラクのサーマッラに対する攻撃作戦を前に、ジハード戦士たちを鼓舞する伝説的な演説が収録されている。
↓画像をクリックしてカハターニ師の演説映像を含む動画を視聴
以下、今回の宣伝動画の場面を紹介
↓『石油の三日月地帯』に対する攻撃
↑石油施設を防衛する背教者の民兵組織の拠点に進撃
↓勇猛果敢に戦うイスラム国のジハード戦士
↓イスラム国の攻撃により黒煙を上げる石油施設
↓石油施設に向けて突撃するジハード戦士の車両
↓戦いの最中にあってもアラーへの祈りを欠かさない
トリポリを拠点とする「リビアの夜明け部隊」の軍用機が民兵に加勢
↓巨大な石油施設に向かうイスラム国のジハード戦士たち
↓見事にラスラヌフの石油タンクを制圧
↓戦車や重火器を含む大量の武器弾薬を戦利品として確保
↓画像をクリックして動画を視聴またはダウンロード
↑画像をクリックして動画を視聴又はダウンロード↑
題名:الحافظون لحدود الله
和訳:アラーの掟を守る者たち
公開:2016年2月9日
組織:イスラム国(IS、旧ISIS又はISIL)
出所:トリポリタニア州広報部(イスラム国傘下、旧リビア領)
音声:アラビア語
重要:★☆☆☆☆
【内容及び解説】
イスラム国の宗教警察「ヒスバ」が、リビア中部の都市シルトにおける活動を紹介する宣伝動画。
↓画像をクリックして動画を視聴又はダウンロード↓
↓宗教警察「ヒスバ」のパトロール車両が出発
↓不正な商品が販売されていないか調査する
↓賞味期限切れの賞品は没収される
↓没収された不正な商品は廃棄・焼却処分される
↓タバコやアルコール類の販売も禁止
↓墓標は偶像崇拝の一種として破壊される
↓楽器も禁止されており、没収された後に破壊される
↓身だしなみも厳しくチェックされ、長すぎるズボンの裾は禁止
AFP通信によると、2016年1月7日、リビア西部の都市ズリテンにある警察の訓練センターで爆弾を積載したトラックが爆発し、数十人が死傷した。
この事件については、日本時間1月8日午前0時現在において、実行組織からの声明等は一切出されていないが、アルジャジーラが早々と「イスラム国が犯行声明を出した」などと、日経新聞も真っ青の飛ばし記事を配信し、SNSで嘲笑の的になっている。アルジャジーラは、イスラム国に関する報道ではド素人のような間抜けぶりを晒しており、最早何の信頼もない。以下、その証拠を晒しておく。
とはいえ、ズリテンでの攻撃は、イスラム国によって行われた可能性も否定できない。というのも、最近になってイスラム国はリビアで支配地域を急速に拡大させているためである。果たして今回の事件もその一環なのか、今後の情勢の推移が注目される(※末尾に関連の追記あり)。
イスラム国がリビア中部の都市シルトを拠点としていることは周知の事実であるが、実際には、その東のベンジャワドや、シドラの石油施設までをも既に制圧している。イスラム国には英語版の広報誌『ダビク(※ダービクとの表記もあり)』以外にも、支配領域内の市民向けに『ナバア』というアラビア語広報誌も発行しており、最新刊である『ナバア』第12号において、リビアでの支配地域拡大に関する記事が掲載されている。
↓画像をクリックして『ナバア』第12号を閲覧又はダウンロード↓
↓イスラム国が制圧したシドラの石油施設の画像↓
また、イスラム国公認の報道機関「アウマーク通信社」は、イスラム国が制圧したベンジャワド市内の様子や、シドラの石油施設の動画も公開している(撮影の日付が2015年のままになっているのは、ヒジュラ暦がメインで西暦は便宜的なものに過ぎないイスラム国的なご愛敬といったところか)。
↓画像をクリックしてベンジャワド市内の動画を視聴又はダウンロード↓
↓画像をクリックして制圧されたシドラの石油施設の動画を視聴またはダウンロード↓
※2016年1月9日追記
リビアのズリテンでの警察の訓練施設に対する攻撃作戦について、イスラム国トリポリタニア州から公式の声明が漸く出された。7日の事件発生から丸一日以上が経過していることから、遠隔地での計画・実行&本部事後承認という従来型の作戦と見られる。声明によれば、爆薬を搭載したトラックによる殉教攻撃で、およそ80人を殺害、150人を負傷させたとしている。
※2016年1月11日追記
リビア東部を拠点とするイスラム国の地方支部「キレナイカ州」から、シドラ湾の石油施設に対する攻撃の写真が公開された。この地区を「石油の三日月地帯」と称しており、高い戦略的重要性を認めていることがわかる。
↓画像をクリックして写真を閲覧またはダウンロード↓
↑画像をクリックして動画を視聴又はダウンロード↑
番号:286
題名:الشرطة الإسلامية في مدينة سرت
和訳:シルトのイスラム警察
公開:2015年12月20日
組織:イスラム国(IS、旧ISIS又はISIL)
出所:トリポリタニア州広報部(イスラム国傘下、旧リビア領)
音声:アラビア語
重要:★★☆☆☆
【内容及び解説】
リビア中部の地中海沿岸都市シルトは、イスラム国の支部「トリポリタニア州」の支配下にあり、そこで活動する「イスラム警察」に関する宣伝動画が公開された。内容としては、整列するイスラム警察の隊員たちを前に行われる激励や、市民からの感謝の声、検問やパトロールの様子が紹介されている。
↓画像をクリックして動画を視聴又はダウンロード↓
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269(画像上):قُلْ إِنِّي عَلَى بَيِّنَةٍ مِّن رَّبِّي
『言ってやれ、我こそはアラーの明証に立つ者と』
サラハディン県広報部(イスラム国傘下、旧イラク領)
270(画像中):صبرا بلاد الحرمين
『二聖モスクの国よ、耐え忍べ』
ニナワ県広報部(イスラム国傘下、旧イラク領)
271(画像下):رسائل إلى بلاد الحرمين
『二聖モスクの国へメッセージ』
アルジャジーラ県広報部(イスラム国傘下、旧イラク領)
公開:2015年12月16日
組織:イスラム国(IS、旧ISIS又はISIL)
音声:アラビア語
重要:★★☆☆☆
【動画の内容及び解説】
2015年12月15日、サウジアラビアのムハンマド副皇太子兼国防相が、テロとの戦いを目的としてイスラム諸国でつくる「イスラム軍事連合」の設立を宣言し、作戦指令室を首都リヤドに設置することなどを明らかにした。
それからわずかに1日後の12月16日、こうした動きに対してサウジアラビアを挑発するかのように、イスラム国からサウジ王家を徹底批判する内容の動画3本が繰り出された。考え抜かれたタイミングで相応しい内容の動画を直ちに制作して公開するという、イスラム国のメディア戦略は相変わらず卓越している。内容はさほど重要でないが、抜群のタイミングと3本もまとめた努力を評価して★一つ分サービスである。
預言者ムハンマドゆかりの地であるアラビア半島から、邪教徒を追い出さねばならぬのに、サウジ王家は欧米諸国やシーア派のイランと結託し、イスラムの教えとはかけ離れた統治を行い、享楽的な生活に耽っていると批判している。そのほか、イスラム国のジハード戦士たちからサウジアラビアの国民へのアジテーションや獄中の同志への激励などが内容。
↓画像をクリックして、269番(サラハディン県広報部発)の動画を視聴又はダウンロード↓
※2015年12月18日追記
イスラム国からサウジ王家批判の宣伝動画がさらに3本追加された。
↓画像をクリックして動画を視聴またはダウンロード
No.272 キレナイカ州(リビア)『アラビア半島の悪魔どもに告ぐ』
↓画像をクリックして動画を視聴またはダウンロード
No.273 ハドラマウト県(イエメン)『嫉妬深き者どもに告ぐ』
↓画像をクリックして動画を視聴またはダウンロード
No.274 ラッカ県広報部 『囚われのアラビア半島の地』
※追記その2 更に9本追加
No.275 ジャヌーブ県広報部『サルール家には忠誠も決別もなし』
No.276 アンバール県広報部『多神教徒をアラビア半島から追い出せ』
No.277 ホムス県広報部『わが民の知るところとなれ』
No.278 ファルージャ県広報部『啓示の国よ、耐えるのだ』
No.279 ユーフラテス県広報部 『奴らは敵だ、警戒せよ』
No.280 アレッポ県広報部 『啓示の下りし地へ』
No.281 シナイ州広報部 『二聖モスクの国の人々にメッセージ』
No.282 バラカ県広報部 『明日は明日の風が吹く』
No.283 カイル県広報部 『囚われの二聖モスクの国の悪しき種子』
↑画像をクリックして動画を視聴又はダウンロード↑
269(画像上):قُلْ إِنِّي عَلَى بَيِّنَةٍ مِّن رَّبِّي
『言ってやれ、我こそはアラーの明証に立つ者と』
サラハディン県広報部(イスラム国傘下、旧イラク領)
270(画像中):صبرا بلاد الحرمين
『二聖モスクの国よ、耐え忍べ』
ニナワ県広報部(イスラム国傘下、旧イラク領)
271(画像下):رسائل إلى بلاد الحرمين
『二聖モスクの国へメッセージ』
アルジャジーラ県広報部(イスラム国傘下、旧イラク領)
公開:2015年12月16日
組織:イスラム国(IS、旧ISIS又はISIL)
音声:アラビア語
重要:★★☆☆☆
【動画の内容及び解説】
2015年12月15日、サウジアラビアのムハンマド副皇太子兼国防相が、テロとの戦いを目的としてイスラム諸国でつくる「イスラム軍事連合」の設立を宣言し、作戦指令室を首都リヤドに設置することなどを明らかにした。
それからわずかに1日後の12月16日、こうした動きに対してサウジアラビアを挑発するかのように、イスラム国からサウジ王家を徹底批判する内容の動画3本が繰り出された。考え抜かれたタイミングで相応しい内容の動画を直ちに制作して公開するという、イスラム国のメディア戦略は相変わらず卓越している。内容はさほど重要でないが、抜群のタイミングと3本もまとめた努力を評価して★一つ分サービスである。
預言者ムハンマドゆかりの地であるアラビア半島から、邪教徒を追い出さねばならぬのに、サウジ王家は欧米諸国やシーア派のイランと結託し、イスラムの教えとはかけ離れた統治を行い、享楽的な生活に耽っていると批判している。そのほか、イスラム国のジハード戦士たちからサウジアラビアの国民へのアジテーションや獄中の同志への激励などが内容。
↓画像をクリックして、269番(サラハディン県広報部発)の動画を視聴又はダウンロード↓
※2015年12月18日追記
イスラム国からサウジ王家批判の宣伝動画がさらに3本追加された。
↓画像をクリックして動画を視聴またはダウンロード
No.272 キレナイカ州(リビア)『アラビア半島の悪魔どもに告ぐ』
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No.273 ハドラマウト県(イエメン)『嫉妬深き者どもに告ぐ』
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No.274 ラッカ県広報部 『囚われのアラビア半島の地』
※追記その2 更に9本追加
No.275 ジャヌーブ県広報部『サルール家には忠誠も決別もなし』
No.276 アンバール県広報部『多神教徒をアラビア半島から追い出せ』
No.277 ホムス県広報部『わが民の知るところとなれ』
No.278 ファルージャ県広報部『啓示の国よ、耐えるのだ』
No.279 ユーフラテス県広報部 『奴らは敵だ、警戒せよ』
No.280 アレッポ県広報部 『啓示の下りし地へ』
No.281 シナイ州広報部 『二聖モスクの国の人々にメッセージ』
No.282 バラカ県広報部 『明日は明日の風が吹く』
No.283 カイル県広報部 『囚われの二聖モスクの国の悪しき種子』
リビアのイスラム国支部「トリポリタニア州」の広報部が15日、以下の写真6枚を公開した。リビア北部の沿岸都市シルトで、イスラム国によるパリ連続襲撃作戦の成功を祝うため、ジハード戦士が市民に菓子を配っている様子だとしている。
シルトは、リビアの故カダフィ指導者の出身地であり、2011年2月からの内戦(2月17日革命)においては、最終段階まで反体制勢力に抵抗していた。そして、カダフィ政権が打倒されて以降は、新たな政治プロセスから事実上排除されていた。そのため、故カダフィ指導者の出身部族であるカザーズィファ族の人々を中心に不満が高まっていたが、そうした状況と混乱に乗じて、イスラム国が支配地域とすることに成功した経緯がある。フランスは内戦において反体制勢力を支援して軍事介入し、カダフィ政権の機甲部隊や重火器を空爆していたため、シルト市民の反仏感情は強い。
↓画像をクリックすると写真を拡大↓
シルトは、リビアの故カダフィ指導者の出身地であり、2011年2月からの内戦(2月17日革命)においては、最終段階まで反体制勢力に抵抗していた。そして、カダフィ政権が打倒されて以降は、新たな政治プロセスから事実上排除されていた。そのため、故カダフィ指導者の出身部族であるカザーズィファ族の人々を中心に不満が高まっていたが、そうした状況と混乱に乗じて、イスラム国が支配地域とすることに成功した経緯がある。フランスは内戦において反体制勢力を支援して軍事介入し、カダフィ政権の機甲部隊や重火器を空爆していたため、シルト市民の反仏感情は強い。
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番号:228
題名:حصاد الصحوات
和訳:「サハワート」を収獲
公開:2015年10月17日
組織:イスラム国(IS、旧ISIS又はISIL)
出所:キレナイカ州広報部(イスラム国傘下)
音声:アラビア語
【動画の内容及び解説】
リビア東部キレナイカ地方を拠点とする「イスラム国キレナイカ州」が、現地で敵対するイスラム主義勢力「ダルナ・革命派シューラー評議会」のスパイ2人を拘束し、処刑したとする宣伝動画。なお、「革命派シューラー評議会」を「サハワート(※「覚醒」の意)と呼称しているが、この名称は元々、かつてイラクでジハード主義組織の掃討を担っていたスンニ派部族の治安部隊に対する呼び名である。
スパイとされる2人は、それぞれ武器弾薬の貯蔵と、イスラム国の拠点の偵察を担当していたと自供する。その後、前者のスパイは自ら墓穴を掘った後に銃殺されるが、その際にカメラに向かって「サハワート」の仲間に対し一刻も早く悔悛して離脱するよう呼びかけている。後者のスパイは足をロープで車につながれ、引き回されて処刑される。その他に戦闘シーンやジハード戦士のコメントもある。
空爆などによる暗殺作戦を強く警戒するイスラム国は、その抑止のために大量のスパイの処刑動画を公開しており、当ブログではそのすべてを取り上げてはいない。しかし今回の動画については、ダルナ(※デルナとの表記もあり)では一時、イスラム国は既にダルナから掃討されたとの情報も識者から伝えられていたところ、イスラム国が未だ健在であることを示す動画として重要である。
リビア北東部の都市ダルナは、2011年の「2 月 17 日革命」においてカダフィ独裁政権の支配から最も早い時期に解放された都市の一つである。その当時、カダフィ政権側は「ダルナ・イスラム首長国」が誕生したと非難し、欧米諸国が懸念する「イスラム過激派」が革命派の正体であるとの宣伝を行った。ダルナが国際的なジハード主義者揺籃の地として有名であることを踏まえた主張であった。かつての旧ソ連によるアフガニスタン侵攻、アメリカによるイラク戦争、そして現在のシリア内戦に至るまで、ダルナからは多くのジハード戦士たちが、イスラム世界を守るための義勇兵として現地に馳せ参じた。
こうしたジハード戦士揺籃の地としての背景については、1920 年代のイタリアによる植民地支配に対する抵抗にまで遡る反骨の気風を指摘する研究者もいる。また、多くのジハード主義者の家族や知人たちが、アフガニスタンの義勇兵としての活躍に敬意を払っていたにも拘わらず、そうした義勇兵の多くがリビアに帰国した後に、カダフィ政権の治安機関によって拘束されたことに対し、強い不満と反感を抱くようになったことが、住民のジハード主義思想への共感の背景とも指摘されている。
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番号:196
題名:بنغازي معاني الثبات
和訳:ベンガジ「着実の意味」
公開:2015年5月8日
組織:イスラム国(IS、旧ISIS又はISIL)
出所:キレナイカ県広報部(イスラム国傘下)
音声:アラビア語
【動画の内容及び解説】
リビア東部キレナイカ地方最大の都市ベンガジでの、イスラム国のジハード戦士とリビア軍のハフタル元将官派と思しき勢力との戦闘の動画。
リビア東部のイスラム国「キレナイカ県」のジハード戦士たちが、集団でバグダディ指導者への忠誠を誓うシーンから始まる。市街戦の様子。爆発物を満載した車両で決死の突撃を行う「殉教作戦」、制圧した警察署の爆破、捕虜の銃殺、ジハード戦士たちの声明などが内容。
これまでリビアのイスラム国は、中部のシルト、東部のダルナを主な拠点としていると見られてきたが、既にキレナイカ地方最大の都市、ベンガジにも勢力を拡張させつつあることを印象付ける。
↓買い物カートを利用して戦うイスラム国のジハード戦士↓
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動画ナンバー:183
和訳:彼らに明証が来たるまで
公開日:2015年4月19日
組織名:イスラム国(IS、旧ISIS又はISIL)
情報元:フルカーン・メディア(イスラム国傘下)
※言語はアラビア語(各国語字幕翻訳版もあり)
【動画の内容及び解説】
動画冒頭より、イスラム教の視点からキリスト教を解説する。イスラム国ではシャリーア(イスラム法)に則り、キリスト教徒はイスラム教に改宗しなくとも、人頭税「ジズヤ」を支払えば生命及び財産の安全が保証されるとしている。実際にイスラム国領内であるシリア東部ラッカのキリスト教徒たちのインタビューも紹介し、ジズヤを支払い、平穏な生活を送っていると述べ、逃げ出したキリスト教徒の仲間たちに帰還を勧めている。一方、イスラム国からの呼びかけに応えず、イスラム教への改宗又はジズヤの支払いのいずれも選ぼうとしないイラク北部のモスルのキリスト教徒に対しては、追放したとしている。また、イスラム化が進んだ以降の時期に建てられたキリスト教会の施設は破壊される。そして、リビアで拘束されたエチオピア人キリスト教徒は、イスラム国に敵対的であるとし、イスラム教徒殺害の報復として集団処刑される。
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題名: رسالة الى القاعدين (1
和訳:(他者によるジハードを)座視している者たちに告ぐ
公開日:2015年4月3日
組織名:イスラム国(IS、旧ISIS又はISIL)
情報元:ユーフラテス県広報部(イスラム国傘下)
※言語はアラビア語
題名:(( رسالة إلى أخوة التوحيد 2 ))
和訳:一神教信仰の同胞たちにメッセージ2
公開日:2015年3月12日
組織名:イスラム国(IS、旧ISIS又はISIL)
情報元:トリポリタニア広報部(リビアのイスラム国傘下)
※動画の音声はトゥブ語、アラビア語字幕
【動画の内容】
イスラム国のトゥブ人戦闘員が、トゥブ人の同胞にイスラム国への移民とジハードへの参加を促す。トゥブ語のインタビューは非常に珍しい。なお、イスラム国は今年の1月には、リビアのベルベル(アマジグ)系遊牧民族であるトゥアレグ人の戦闘員による動画を公開している。
<参考:トゥブ人について>
トゥブ人は、サハラ砂漠のティベスティ山地一帯(リビア南部及びチャド北部)とその近隣(ニジェール北部及びスーダン西部)を根拠地としている。リビアにおけるトゥブ人の主な根拠地は、南東部のオアシス都市であるクフラとその周辺都市や、南西部のフェザーン地方の都市であるセブハ、ムルズク、カトルンなどである。リビアにおけるトゥブ人の人口は 1 万 2 千人から 1 万 5 千人程度との推計があり、これは全人口(約 600 万人強)の0.2%程度に相当する。また、チャド、ニジェール及びスーダンには、合わせて約 38 万人のトゥブ人がいるとの推計もある。
言語や文化面ではサブ・サハラ地域の諸民族との間で共通点が見られ、他のリビアのアラブ系住民とは異なる固有の民族的特質を有している。またトゥブ人もトゥアレグ人と同様に、超領域的な活動を通じて隣国の同胞との部族的紐帯を維持しており、周辺国との商取引(特にリビア政府の補助金で安価に入手できる生活必需品や燃料を、管理の不十分な国境を違法に超えて無関税で密輸すること)に従事してきた。
旧カダフィ政権はリビア国家のアラブ性を強調する一方で、自国の領土拡大の野心からかつてトゥブ人を利用していた。カダフィ政権は 1970 年代より、天然資源が埋蔵されているチャド北部のアオゾウ地区(Aouzou Strip)の領有権を主張して同地区に侵攻するとともに、アオゾウ地区の 3 万人超のトゥブ人に対しリビア市民権を付与するなど、チャド政府の領有権に対抗していた。ところが、1980 年代後半にチャドとの紛争に敗北した後、1990年代以降は一転してトゥブ人からの市民権の剥奪が進められた。
更に 2007 年には、クフラに住む多数のトゥブ人から市民権が剥奪されたため、2008 年にクフラで旧カダフィ政権側部隊とトゥブ人の間で衝突事件が発生している。また、南東部の中核都市クフラなどのオアシスを活用した農業や商取引の拠点をめぐって、トゥブ人はアラブ系有力部族のズワイヤ族と歴史的な対立関係にあった。
リビアでの2 月 17 日革命に際しては、東部キレナイカ地方を拠点とするズワイヤ族と、カダフィ政権に長年疎外されてきたトゥブ人の双方が反体制運動への支持で一致し、カダフィ政権打倒のための一時的な協力関係が実現した。リビアにおけるトゥブ人の武装集団のリーダーであるイーサ・アブドルマジード・マンスール(Issa Abdulmajid Mansour)は、NTC からリビア南東部の国境治安監視の責任者に任命された。なお、この人物はリビアにおけるトゥブ人の権利向上を目的として 2007 年に設立された「リビア救済トゥブ戦線」(TFSL:Tubu Front for the Salvation of Libya)のリーダーである。
トゥブ人の勢力は南部国境を経由するカダフィ政権の補給ルートを遮断するなど、リビアの反体制運動において重要な役割を果たした。この結果、クフラは 5 月のカダフィ政権との戦闘を最後に、南部では最も早く反体制派が制圧した都市となった。ところがカダフィ政権が崩壊して共通の目標がなくなると、トゥブ人とズワイヤ族の間で密輸関連の利権をめぐる争いが再び表面化するようになった。
2012 年 2 月にはクフラで双方間の大規模な衝突が続き、100 人以上が死亡する事件が起きた。元来からのアラブ系住民のアフリカ系人種に対する差別意識とも相まって、2008 年のクフラでの衝突事件以降、ズワイヤ族を中心とするリビアのアラブ系住民は、トゥブ人がチャドやニジェールといった外国から支援を受けてリビア国家の分断を謀っていると見なし、根強い不信感を向けている。他方、トゥブ人はリビア市民としての同等の権利を求めてきたものの、カダフィ政権の崩壊後も境遇が一向に改善しないために疎外感を強めている。こうした状況を背景に、その後も双方間の衝突が続いてきた。
↓画像をクリックして動画を視聴・ダウンロード↓
動画ナンバー:146
動画ナンバー:146
題名:قوافل الإستشهاديين 1
和訳:殉教攻撃者のキャラバン1
公開日:2015年2月23日
組織名:イスラム国(IS、旧ISIS又はISIL)
情報元:トリポリタニア県広報部(イスラム国傘下)
※動画の音声はアラビア語
【動画の内容】
1月27日、リビア首都トリポリのコリンシアホテルをイスラム国戦闘員が襲撃する事件が発生したが、事前に撮影されたと見られる事件の実行者2人のメッセージ動画。トゥブルクを拠点とするリビアの世俗系勢力の政府等を非難するとともに、リビアのイスラム教徒たちにイスラム国への参加を促している。
1月27日、リビア首都トリポリのコリンシアホテルをイスラム国戦闘員が襲撃する事件が発生したが、事前に撮影されたと見られる事件の実行者2人のメッセージ動画。トゥブルクを拠点とするリビアの世俗系勢力の政府等を非難するとともに、リビアのイスラム教徒たちにイスラム国への参加を促している。
題名:رسالة إلى إخواننا الموحدين
和訳:唯一神信仰者の同胞へメッセージ
公開日:2015年1月23日
組織名:イスラム国(IS、旧ISIS又はISIL)
情報元:トリポリタニア県広報部(イスラム国傘下)
※動画の音声はトゥアレグ語、アラビア語字幕付き
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