アフガニスタン・イスラム首長国(「タリバン」)

【カブール爆弾攻撃】なぜイスラム国の「犯行声明」がでないのか?


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NHKによると、2017年5月31日、アフガニスタンの首都カブールで、各国の大使館が集まる地区で大量の爆発物を積んだバキュームカーが爆発して、90人が死亡、日本人2人をふくむ400人以上がけがをした。これまでのところ犯行声明は出ていないが、現地の警察は「爆弾テロ」として捜査している。

なお、アフガニスタン・イスラム首長国(通称「タリバン」)のスポークスマンは公式ホームページで、この事件への関与を否定する声明を発している。一方、時事通信の報道によると、アフガニスタンの情報当局は「ハッカニ・ネットワーク」の関与の可能性を指摘している。

「ハッカニ・ネットワーク」説は、いかにも消去法であり、説得力があまり感じられない。当ブログ管理人は手口や爆発の規模から見て、イスラム国が行った可能性が高いと見ている。それならば何故「犯行声明」がでないのか?

おそらく今回の殉教作戦は、現地の組織が主導する形で計画及び実行がなされたものの、標的としていた大使館の外国人らを殺害できず、犠牲者は現場に居合わせたアフガニスタンの一般市民ばかりという惨憺たる結果を受けて、イスラム国本部から公式に承認されなかったのだろうと考えている。

イスラム国のアフガニスタン支部「ホラサン州」においては、2015年にも東部のジャララバードの銀行前で殉教攻撃が行われ、イスラム国を名乗る組織から一時「犯行声明」が出されたものの、犠牲者が一般のアフガニスタン市民ばかりであったことから、後にイスラム国が関与を否定する声明を出した事例がある。このケースについては、当ブログの過去記事を参照ありたい。

「タリバン」のジハード戦士がラジオ体操?



2016年7月4日、アフガニスタン・イスラム首長国(通称タリバン)の広報部門「Al Emarah Studio」は、クンドゥズ州の軍事キャンプでのジハード戦士たちの訓練を伝える宣伝動画を配信した。

この動画の中で、ジハード戦士たちが準備運動をするシーンがあるのだが、それが日本のラジオ体操に非常によく似ている。何とも不思議な親近感を覚えるのは当ブログ管理人だけだろうか。1時間を超える長編の中から、当該部分のみを抜粋・編集してみたので、上の動画を是非視聴していただきたい。

↓なお、オリジナルの宣伝動画はこちらをクリック

 『クンドゥズ州のウマル・イブン・ハッターブ・キャンプにて』

【イスラム国 ホラサン州】ネパール人兵士が乗るバスへの殉教攻撃で16人死亡 「タリバン」も声明で実行を主張

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↑カブールでネパール人兵士のバスを攻撃した殉教者アルファナッラ・アフマド

イスラム国のホラサン州(※アフガニスタン支部)が発出した声明によると、2016年6月20日、首都カブールのバーニ地区で、アメリカ大使館の警護を担当していたネパール人兵士が乗っていたバスに対して、アルファナッラ・アフマドという人物が爆弾ベルトで殉教攻撃を行い、ネパール人兵士16人が死亡した。
↓イスラム国 ホラサン州から発出された声明の画像

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ところが、この事件について、「タリバン」(※アフガニスタン首長国)が声明を出したとの報道もある。


一方、アフガニスタン・イスラム首長国の英語版サイトで確認出来る限りでは、「タリバン」側の主張は以下の内容に留まっている。
”Over 20 invaders killed and wounded in Kabul martyr attack
KABUL, Jun. 20 – Reports arriving from the country’s capital say that a martyrdom seeker of Islamic Emirate targeted a mini-bus carrying guards of foreign invaders in Banaie area, PD9 of Kabul city.
Officials say that the attack killed and wounded over 20 foreign invaders and destroyed the vehicle.
More details will be updated later.”

殉教者の画像を公開するなど、イスラム国は「タリバン」よりも具体的かつ詳細な内容の声明を出しており、現時点での信憑性としては、圧倒的にイスラム国の方が高いと言えるだろう。

以下、参考までにNHKの関連報道の引用。


アフガン 自爆テロで14人死亡 タリバンが声明
6月20日 16時57分
アフガニスタンの首都カブールで、外国企業を守る警備員を狙った自爆テロがあり、少なくとも14人が死亡して反政府武装勢力タリバンが犯行を認める声明を出しました。現地ではタリバンに対する警戒を強めているところでした。
アフガニスタンの首都カブールで20日朝早く、警備会社の宿舎を出たマイクロバスの近くで爆発が起き、乗っていたネパール人の警備員など少なくとも14人が死亡しました。
内務省によりますと、道路脇にいた男がバスに近づき、身に着けていた爆弾を爆発させたということです。
カブールでは各国の大使館や企業を守るため、多くのネパール出身の警備員が働いていますが、自爆テロ事件のあと、反政府武装勢力タリバンが声明を出し、警備員を狙ったと犯行を認めました。
タリバンを巡っては先月、最高指導者のマンスール師がアメリカ軍による空爆を受けて殺害されたばかりで、カブールではタリバンからの報復に備え警察が警戒を強めていました。

【アルカイダ】ザワヒリ師はアクンザーダ師をタリバンの新指導者と認め忠誠を誓う (※お詫び追記)


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題名:على العهد نمضي
和訳:誓約の上に我らは進む
公開:2016年6月10日
組織:ジハードのアルカイダ集団(جماعة قاعدة الجهاد)
出所:サハーブ・メディア(アルカイダ公式広報部門)
音声:アラビア語
重要:★★☆☆☆

【内容及び解説】
アルカイダ本部の指導者アイマン・ザワヒリ師による音声の声明。アフガニスタン・イスラム首長国(旧称タリバン)の新指導者であるハイバトッラ・アクンザーダ師に向けて発せられている。

ザワヒリ師はこの声明で、米軍の無人機による空爆で殉教したマンスール師に哀悼の意を表し、旧ソ連やアメリカとのジハードといった生前の功績を称えているほか、新たにアフガニスタン・イスラム首長国の指導者となったアクンザーダ師を「信徒たちの長」という称号で呼び、アフガニスタン・イスラム首長国の指導者として明確に認めるとともに、バイア(忠誠)を誓っている。

↓画像をクリックして動画を視聴又はダウンロード
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※おわび追記
 当初、「ザワヒリ師はアクンザーダ師をタリバンの指導者と認めるも忠誠を誓わず」という内容の記事をアップしておりましたが、声明を改めて精査したところ、ザワヒリ師はアクンザーダ師に忠誠を誓っておりました。記事から誤った内容を削除しましたが、既にお読みいただいた方には、ご迷惑をおかけしましたことをお詫び申し上げます。

【アフガニスタン・イスラム首長国】「タリバン」の英語の声明 マンスール前指導者の暗殺について米国とアフガニスタンの大統領に報復を予告


↑画像をクリックして動画を視聴↑

題名:دعمري لښکر استشهادي کنډک د بیعت مراسم، تسليت او بيعت
和訳:殉教者部隊による宣誓式典 哀悼と忠誠
公開:2016年6月10日
組織:アフガニスタン・イスラム首長国(タリバン)
音声:パシュトゥー語、英語、一部アラビア語含む

【内容及び解説】
アフガニスタン・イスラム首長国(タリバン)の戦闘員たちが、米軍の無人機による空爆で殉教した故マンスール指導者に哀悼の意を表するとともに、新たに指導者に就任したアクンザーダ師に忠誠を誓う。英語による声明があり、アメリカのオバマ大統領やアフガニスタンのガニ大統領らに対し、マンスール師暗殺に対する報復を宣言するほか、ホワイトハウスの破壊を予告する。

日本でパシュトゥー語の通訳は多くはないが、(イスラム教に関するアラビア語表現が多いものの)英語による声明があるので、報道機関の方々にとっても、アーカイブ資料として利用しやすいと思われる。過去に紹介した動画と併せて参考にしていただきたい。

↓画像をクリックして動画を視聴又はダウンロード↓
20160611_Taliban_Afghanistan_Umari Lashkar Baiat Final

【アフガニスタン首長国(タリバン)】ハイバトゥッラ・アクンザーダ新指導者に忠誠を誓う戦闘員たち(※追記あり)



 
2016年5月21日、「アフガニスタン首長国」(アフガニスタンのタリバン)のアクタル・マンスール指導者が、米軍の無人機による空爆で暗殺されたことを受け、ハイバトッラ・アクンザーダという人物が、「信徒たちの長(アミール・ムウミニン)」として新たな指導者に就任したと25日に発表された。

上の動画は、タリバンの戦闘員たちが、アクンザーダ指導者に忠誠を誓う様子を撮影した動画である。2016年5月27日に、タリバンの広報活動を担っているSNS(テレグラム)アカウントから配信された。

当ブログ管理人はパシュトー語は解さないので、詳しい内容は不明だが、忠誠の誓いはアラビア語によって行われている。報道関係の方々は、マンスール指導者の暗殺後のタリバンの資料映像として、是非活用いただきたい(※以下、5月29日に追記した動画の方がインパクトがあり、画質もよいので、そちらをお勧めしたい)。

※2016年5月29日追記
タリバンの殉教攻撃部隊「アハル・ジャンナ(天国の民)」がアクンザーダ師への忠誠を誓う動画(2016年5月29日配信)
↓画像をクリックして動画を視聴またはダウンロード
画像をクリックして動画をダウンロード又は視聴画像をクリックして動画を視聴またはダウンロード



↓「信徒たちの長」ことハイバトッラ・アクンザーダ新指導者
Shaikh Alhadith Mavlavi Hibatullah Akhunzada
 イスラム法学者であり、「クルアーンとハディースの師」という称号の持主

↓米軍の無人機による空爆で暗殺されたマンスール前指導者
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