イスラム国(IS、旧ISIS、ISIL)

【イスラム国】ロシア語話者のジハード戦士がプーチン大統領に警告 『我らはロシアに行きお前たちを殺す』

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題名:همم الرجال
和訳:男たちの決意
公開:2016年7月30日
組織:イスラム国(IS、旧ISIS又はISIL)
出所:ユーフラテス(Al-Furat)県広報部(旧イラク領)
音声:アラビア語、一部ロシア語(アラビア語字幕)
尺長:9分9秒

【キャプション】
旧イラク領西部アンバール県にあるイラク政府軍の基地2カ所が、イスラム国の戦闘員にによって攻略され、イラク政府軍の兵士たちは逃亡し、残された戦利品が鹵獲されるまでを描いた宣伝動画。

当ブログ管理人の正体を知る方から、最近公開された「ロシアのプーチン大統領の殺害を予告する宣伝動画」に関する問い合わせを受けたので、この記事を掲載することとした。ロイターの関連報道を受けての調査ということだったが、この動画で間違いなかろう。しかし、これを以て、ロシア大統領に対する「殺害予告」とまで受け取るのは、さすがに過剰反応ではないかと思う。

【サウンドバイト】
動画の終わり近くの8分23秒あたりから(ロシア語話者の戦闘員が登場)
「聞け、プーチンよ。我らはロシアに行き、お前たちの国でお前たちを殺すだろう、アラーがお望みであれば。我らが同志たちよ。アラーのためのジハードに立ち上がれ。奴らと戦え、奴らを殺せ。至高のアラーは聖典クルアーンにてこう仰られた。「多神教徒どもは見つけ次第殺せ」と。そしてアラーの使徒(アラーよ彼に祝福と安寧を与えたまえ)は多神教徒のクライシュ族に対しこう述べた。「我らはお前たちを殺しに来た」と。そして我らは、アラーの敵であるお前たちにこう言う。「我らはお前たちを殺しに来た」と。アラーの御許しにより、我らは勝利者となるだろう」

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【イスラム国】英語広報誌『DABIQ(ダビク)』第15号配信 イスラム法の断固とした適用を力説 「日本人がイスラム教への改宗を拒むなら更に原爆を投下して考えを改めさせただろう」

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2016年7月31日、イスラム国の英語広報誌『DABIQ(ダビク)』第15号「BREAK THE CROSS(十字架を砕け)」が、インターネットのツイッターやテレグラムを通じて配信された。ダビクの配信は、2016年4月13日以来およそ3か月ぶり。遺体の写真等も含まれているため、リンクからの閲覧およびダウンロードの際には注意願いたい。
なお、『ダビク』バックナンバー全号のリンクはこちらから。

78ページ以降に掲載されている「By the Sword(剣によって)」と題されたコラムに、日本に関する記述がある。

このコラムによると、イスラム教では、剣(武力)によって異教徒の地を征服した後には、引き続き剣によって創造主が定めた法を断固として施行せねばならず、このことはイスラム教に先行する啓示宗教であるユダヤ教及びキリスト教の聖典にも明記されているが、現代のユダヤ教徒及びキリスト教徒はそれを怠っていると指摘している。
その上で、次のように主張している。


<該当部分(80ページ左側中段)の引用>
"The clear difference between Muslims and the corrupt and deviant Jews and Christians is that Muslims are not ashamed of abiding by the rules sent down from their Lord regarding war and enforcement of divine law. So if it were the Muslims, instead of the Crusaders, who had fought the Japanese and Vietnamese or invaded the lands of the Native Americans, there would have been no regrets in killing and enslaving those therein. And since those mujahidin would have done so bound by the Law, they would have been thorough and without some “politically correct” need to apologize years later. The Japanese, for example, would have been forcefully converted to Islam from their pagan ways – and if they stubbornly declined, perhaps another nuke would change their mind."

(当ブログ管理人の和訳、※は訳者による補足)
「イスラム教徒が、堕落し逸脱したユダヤ教徒及びキリスト教徒と明らに異なるのは、戦争と神の法の適用について、創造主から下された掟を施行することに何ら恥じないという点である。仮に日本人やベトナム人と戦争したり、ネイティブ・アメリカン(※いわゆるインディアン)の地を侵略したのが、十字軍(※キリスト教徒)ではなくてイスラム教徒であったならば、そこにいた人間を殺害したり奴隷としたりしたことに対して、何の後悔の念も抱かなかっただろう。なぜなら、(※イスラム教徒の)ジハード戦士は、神の掟に従って行動したのだから完全に正しいのであり、後年に「ポリティカル・コレクト」的な立場から謝罪する必要などないのである。例えば、日本人に対しては、多神教からイスラム教への改宗を強制したであろうし、なおも日本人が頑迷に拒否したなら、おそらくは更なる核兵器を使って考えを改めさせたであろう」(※引用箇所の和訳終わり)

おそらくは、アメリカのオバマ大統領のベトナム・広島訪問などを意識して執筆されたものと受け取れる。日本人がイスラム教への改宗を拒むなら、核兵器の利用も辞さないなどと威勢はよいが、神の掟に従うイスラム教徒には「ポリティカル・コレクト」の必要性はないなどと一方で書いておきながら、「ネイティブ・アメリカン」という余りにも典型的な「ポリティカル・コレクト」表現を使用しているのは滑稽である。コラムの筆者は、唯一絶対神に深く帰依したつもりかもしれないが、人間が一度刷り込まれた価値観から自由になるのは、斯くも困難なのである。

【イスラム国】ドイツ南部アンスバッハ爆発事件の実行者の経歴や作戦の詳細を広報紙に掲載

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2016年7月26日にイスラム国が配信したアラビア語広報紙「アルナバ」第40号に、ドイツ南部バイエルン州アンスバッハで24日夜に起きた爆発事件の実行者ムハンマド・ダリル氏に関する特集記事が掲載されている。イスラム国の戦闘員としてのクンヤ(コードネーム)は「アブ・ユーセフ・カッラール」としている。

この特集記事によると、ムハンマド・ダリルは、イスラム国の前身組織「イラクとシリアのイスラム国」に既に戦闘員として参加していたが、アサド政権の情報機関から不審に思われないように故郷のアレッポに戻り、父親の商店の手伝いをしながら、密かに活動を続けていた。それ以前には、いくつかの反政府勢力で、アサド政権の拠点に対して火炎瓶などで攻撃していたこともあったが、反政府勢力の諸組織の腐敗や堕落ぶりに幻滅して、イスラム国に辿りついた(ヌスラ戦線が分離した際には、イスラム国に移籍している)。

ムハンマド・ダリルはシリア北部アレッポでの戦闘で、迫撃弾の破片を受けて負傷したため、治療のためシリアから離れざるを得なくなった。滞在先のヨーロッパでカリフ制復興宣言などの激動を目の当たりにし、ジハードに復帰すべく何度もシリアへ帰国しようとしたが失敗してしまった。そこで、インターネットのSNSを通じたイスラム国の広報活動に従事していたところ、移住できなければ滞在先の現地でジハードをせよとの呼びかけに接することとなる。

だが、自動車も所有していないため、火炎瓶や爆弾を作るための物資を調達できなかった。そこで、より日常的な物資を利用した爆発物で、群衆の中で爆発する計画に変更した。新たな作戦の準備には、3か月ほど要したが、その期間中にドイツ警察のガサ入れがあったという。ところが警察は、ムハンマド・ダリルが隠していた爆弾を見つけられなかったとしている。作戦予定日の前日には、標的に定めたコンサート会場の下見にも訪れている。またこの間、常に協力者もいたという。

結局、当初の標的であったコンサート会場には入ることができず、目標を人が集まっていた酒場に変更して爆発した。また、この作戦によるメッセージを正確に伝えるため、ムハンマド・ダリルは事前に動画を遺しており、その中でバグダディ指導者に改めて忠誠を誓い、ジハードを座視している者たちに立ち上がるよう呼びかけたとしている(この動画については、当ブログ過去記事を参照)。

なお、『アルナバ』のバックナンバー全号リンクはこちらから

【イスラム国】広報紙「アルナバ」に故ウマル・シシャニ幹部の遺言を掲載 ※追記あり

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2016年7月26日に配信された、イスラム国のアラビア語広報紙「アルナバ」の第40号(毎週火曜日発行)に、イラクでの戦闘中に死亡した最高幹部の一人、ウマル・シシャニの遺言が掲載された。グルジア語で記された遺言を、イスラム国の公式広報部門「アルハヤト・メディア・センター」がアラビア語に翻訳したものと記されている(画像をクリックすると「アルナバ」のPDFファイルを閲覧可能)。

死亡した幹部の遺言が公表されるのは異例である。モスル南部のシルカートにおける戦闘で死亡したとされるシシャニ氏には、重傷を負った後に死を覚悟する時間があったのかもしれない。遺言では、血縁や地縁といった出自ではなく、アラーへの畏怖と責任感による人材登用を訴えたり、バグダディ指導者にムハージル(外国からイスラム国への移住者)への配慮を願うなど、非アラブ系の大幹部らしい内容である。

故ウマル・シシャニ幹部の遺言と、その和訳は次のとおり。なお、『アルナバ』のバックナンバー全号リンクはこちらから

↓ウマル・シシャニ幹部の遺言(アルナバ40号15ページ)
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・第一の遺言
私の指揮下にあったジハード戦士たちへ。諸君らにかけた迷惑について許してほしい。私の方からは、諸君らに対して全てのことを許した。アラーに許しをを求め、懺悔するように。

・第二の遺言
移住とジハードをあきらめてはならぬ。この2つの中にこそ、諸君らの魂の救済はある。勝利は我らの宗教にあるだろう。

・第三の遺言
アミール(幹部)たちへ伝えてほしい。諸君らは腹心や側近を、出自に基づいて任命しているようだが、どうかアラーへの畏怖と責任感の強さに基づいて任命してほしい。

・第四の遺言
現世や金銭に執着してはならぬ。最後の審判の日には、諸君らが手にしていた金銭について問われることを忘れるな。次のハディースを思い出せ。預言者は仰られた、「お前たちが正しくアラーにおすがりさえすれば、鳥に餌を与えるかの如く、お前たちにも恵みを与えられる」と。現世で金銭を追い求めて、時間を無駄にしてはならぬ。

・第五の遺言
信徒たちの長(※バグダディ指導者)へ。
貴方にアラーのご加護を。飢えに苦しみ散り散りに暮らしている か弱い信徒たちが貴方の下に集えるように、アラーが貴方の命を長らえてくださいますように。貴方の手によって、二聖モスク(※メッカとメディナ)と聖なる家(※エルサレム)が征服されますように。信徒たちの長よ、私が貴方の命令に従わなかった、あるいは命令を果たせなかったことがあったなら、どうかお許しください。あなたのお墨付きをいただけないことに、私が金銭を費やしてしまったとしたなら、どうかお許しください。私の判断のみで行ったことは、さほど多くはないと願っています。
信徒たちの長よ、あなたが正しくあり続け、アラーとともにいる限り、ムハージル(※イスラム国への移住者)たちは、あなたの下に留まるでしょう。くれぐれもムハージルたちのことを、よろしくお願いします。そして、信徒たちの長に最後のお願いです。どうか、カフカースの同志たちのことをお忘れにならないでください。

※2016年7月29日追記
イスラム国キルクーク県広報部から、故ウマル・シシャニの遺言がジハード戦士たちに配布されている様子の写真3枚が配信された。
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【イスラム国】フランス北部でキリスト教会立てこもり 人質の神父を殺害 実行者の動画2本公開

【最新情報】
・2016年7月28日、イスラム国系メディアのアマーク通信(アマク通信、アーマク通信といった表記もあり)は、フランス北部ノルマンディ地方でのキリスト教会襲撃事件の実行者2人の内の1人、アブデルマリク・プチジャンの動画を公開した。動画の中で、イスラム教徒の同胞にフランスや対イスラム国有志連合の国々に対する攻撃を呼びかけている。


【その他関連情報】 
・2016年7月27日、イスラム国系メディアのアマーク通信(アマク通信、アーマク通信などの表記もあり)は、フランス北部ノルマンディ地方でのキリスト教会襲撃事件の実行者2人の動画を公開した。26日付の動画で2人は、イスラム国のバグダディ指導者に忠誠を誓っている。



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NHKの報道によると、2016年7月26日、フランス北部にあるキリスト教の教会で、刃物を持った男2人が神父や信者などを人質にとって立てこもり、その後、警察の特殊部隊に射殺され、人質のうち神父が死亡した。また、フランスのオランド大統領が、2人のテロリストが、ISの名のもとに神父を殺害したと述べ、ISが絡んだテロ事件だとして強く非難したと報じている。

イスラム国系メディアのアマーク通信は、フランス北部ノルマンディの教会を攻撃した2人は、イスラム国の戦士だとする次の速報バナー(英語版とアラビア語版)を、インターネットで配信した。
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(※アマーク通信については、アマク通信、アーマク通信、アマック通信など、メディアによって日本語の表記が揺れている)

【イスラム国】イラク・アンバール県でアメリカの軍用機を撃墜

2016年7月25日、イスラム国系メディアの「アマーク通信」は、イラク西部アンバール県のアイン・アサド空軍基地の付近で、アメリカの軍用機を撃墜したとの速報バナーをインターネットで配信した。この軍用機の乗員は死亡したとも報じている(※アマーク通信については、アマク通信、アーマク通信、アマック通信といった表記もあり)。

また、イスラム国「ユーフラテス県」の広報部門も、撃墜した軍用機から回収した物品の写真を公開している。

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【イスラム国】ドイツ南部での爆発事件は「イスラム国の戦士が実行」 写真と動画も公開

2016年7月26日午前6時頃(日本時間)に「アマーク通信」が配信した続報。イスラム国系メディアのアマーク通信は、24日夜にバイエルン州アンスバッハのコンサート会場入り口付近で爆発物を爆発させた人物、ムハンマド・ダリル氏の写真を公開した。
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さらにアマーク通信は、事件前に撮影されたと見られるムハンマド・ダリル氏の動画も公開した。この動画でダリル氏はアラビア語で、イスラム国のバグダディ指導者に忠誠を誓っているほか、対イスラム国有志連合による犯罪行為の報復として、ドイツのアンスバッハで殉教作戦を行うと宣言している。
(※アマーク通信については、アマク通信、アーマク通信、アマック通信等の表記もあり)

【以下、これまでの情報】
 
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NHKの報道によると、ドイツ南部バイエルン州のアンスバッハで、2016年7月24日午後10時すぎ(日本時間の25日朝早く)、27歳のシリア人の男が、屋外コンサートの会場に入ろうとしたものの入場を拒否され、入り口付近で持っていた爆発物を爆発させた。男は死亡、12人がけがをし、この内3人は重傷だとしている。

この事件に関して、25日午後11時半ごろ(日本時間)、イスラム国系メディアのアマーク通信は、このドイツ南部での殉教作戦を行ったのは、イスラム国の戦士であり、イスラム国と戦う有志連合の国々を標的にせよという呼びかけに応じて行ったものとする内容の速報バナーを、次のとおりインターネットを通じて英語とアラビア語で配信した。

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最近、世界各地でイスラム国の戦士によるものとされる攻撃が相次いで発生している。アマーク通信は2016年7月26日午前2時ごろ(日本時間)、十字軍連合諸国の市民に対する主要な攻撃の死傷者数について、次のインフォグラフィックを配信した。今回のアンスバッハの事件も含まれている。

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20160725_IS_有志連合の国々の市民に対する主な攻撃の統計
 

【イスラム国】フランスのニースでの大型トラック轢き殺し事件を正当化

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題名:سكوتكم يتسبب في قتلكم
和訳:お前たちが殺される理由はお前たちの沈黙にある
公開:2016年7月20日
組織:イスラム国(IS、旧ISIS又はISIL)
出所:ユーフラテス県広報部(旧イラク領)
音声:フランス語(アラビア語字幕)
尺長:5分6秒

【キャプション】
フランス語話者の戦闘員が登場し、フランスのニースでのトラックによる轢き殺し事件を正当化するとともに、イスラム教徒に対し更なる攻撃を行うよう呼びかける宣伝動画。戦闘員はフランス国民に対し、フランス政府がシリアやイラクでイスラム教徒を殺害しているのに、政府に対して沈黙しているから、こうした殺害事件が起こるのだと警告している。

【サウンドバイト】
02:36-02:50
「(※イスラム教徒に向けて)アラーの敵によるイスラム教徒への仕打ちを見たのなら、アラーを畏れ蜂起せよ。イスラム教徒の血のために復讐せよ。あらゆる手段を用いて十字軍どもを容赦なく殺せ」

03:37-03:46
「(※フランス国民に向けて)お前たちの安全を脅かし、連日の殺害事件が起きる原因を作っているのは、お前たちの無謀な政府である」

04:45-04:52
「(※フランス国民に向けて)お前たちが政府に対して沈黙しているから、お前たちは殺されるのだ」


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【イスラム国】小学校の教科書が話題

イスラム国の支持者でつくるSNSコミュニティでは、イスラム国の支配地域の小学校で使用されている教科書が話題になっている。

やはり、世界60か国の十字軍連合と戦時中にあるという世相が繁栄されている。例えば、次の小学校3年生「算数」の表紙のデザインは、まさに戦時中を感じさせる。

غلاف

次に、小学校2年生「算数」から筆算の問題。
ジハード戦士と筆算
「70人のジハード戦士がスクナ(※シリア中部の都市)解放作戦に参加しました。進攻できたジハード戦士は29人だけでした。進攻できなかったジハード戦士は何人でしょう?」

また、イスラム国の教育課程では、小学校4年生から英語が始まる。グローバル・ジハード時代への対応には、カリフ国であっても英語の早期教育は必須ということだろうか。
ちなみに、こちらが英語の教科書の表紙である。

小学校4年生(英語)
中身もなかなかユニークで面白いが、また機会があれば紹介したい。

何と言っても、流石にカリフ国というだけあり、イスラム教の世界観が、理科教育にも反映されている。
例えば、小学校1年生「理科」では、生き物は羽、毛、皮、殻、鱗で覆われているという説明が図とともに記されているが、その大前提として、こうした生き物は至高のアラーによって創造されたものだと明記されている。

生き物はアラーが御創りになった

全体として、多くの学習時間は、イスラム教の教育に当てられており、聖典クルアーンや預言者ムハンマドの伝記といった教科がある。これらの教科書を読むと、いわば「生まれながらの」イスラム教徒たちが、幼少時からどのようにイスラム教について自然に学んでいくのかを知ることができる。日本人の研究者のように、大人になってから小難しい専門書を読んでイスラム教を知るのとは、大きく違う世界がそこには広がっている。

当ブログ管理人は、こうした教科書を大量に入手したので、今後解析を進めるとともに、時折このブログで紹介していきたい。

【イスラム国 アマーク通信・アルバヤン放送】ドイツの列車内での斧を使った攻撃事件は「イスラム国の戦士が実行」 実行者の動画も公開

※関連情報は随時更新予定。
【最新情報】
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2016年7月19日午後10時過ぎ(日本時間)、イスラム国系メディアのアマーク通信は、ドイツの列車内での斧を使った襲撃事件について、実行者とされるムハンマド・リヤドという人物の動画を公開した(アラビア語字幕版のほか、英語字幕版もある)。男は動画でナイフを振り回しながら語り、自分を「カリフ国の戦士の一人」だとしているほか、ドイツで殉教作戦をするつもりだと述べている。また、動画の後半では、「斧を使って首を斬る」などとも話しており、事件を予告する内容となっている。

【公式ラジオ放送局アルバヤンによる声明】 

2016年7月19日午後7時半頃(日本時間)、イスラム国の公式ラジオ放送「アルバヤン」は、デイリーニュースの冒頭で、ドイツの列車内での斧を使った攻撃事件について声明を発した。音声ファイルのリンクはこちら。上の動画は当ブログ管理人が独自に編集し、日本語字幕を付したものである。声明の該当部分の和訳は動画を視聴してほしい。


【アマーク通信による第一報の速報バナー】
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NHKの報道によると、ドイツ南部のビュルツブルクで、18日午後9時すぎ(日本時間19日午前4時すぎ)、走行中の列車の中で男がおのを振り回して乗客に襲いかかり、4人が重傷で、1人が軽いけがをした。男はアフガニスタン出身の17歳の難民の少年で、列車から逃げようとしたところを、駆けつけた警察官に射殺されたという。

イスラム国系メディアのアマーク通信は19日、この事件に関する速報バナーを配信し、斧による攻撃の実行者について、「イスラム国の戦士の一人」であり、「イスラム国と戦う有志連合の国々を標的にせよという呼びかけに応じて作戦を行った」と報じた。なお、この速報は、アラビア語と英語で配信された(上下の画像参照)。

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(※アマーク通信については、アマク通信、アーマク通信、アマック通信等の表記もあり)
 

【イスラム国 アマーク通信】アサド政権の支配地区へ向かうトラックを捕捉し積荷の酒類を廃棄


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題名:Seizing a Truckload of Alcohol Headed for Syrian Regime Areas in Hasakah
和訳:ハサカ県の政権支配地区行きのトラックに積載されていたアルコール飲料を押収
公開:2016年7月17日
組織:イスラム国(IS、旧ISIS又はISIL)
出所:アマーク通信(イスラム国系メディア)
音声:アラビア語
尺長:1分32秒

【キャプション】
シリア北部ラッカ県の北部地区で、ハサカ県のアサド政権支配地区に向かっていた大型トラックの荷台から、清涼飲料水の積荷の下に隠されていたアルコール飲料を押収し、破棄する様子を伝える動画。冒頭、イスラム国の宗教警察「ヒスバ」の隊員が登場し、状況を説明する。周知のとおり、イスラム教では飲酒は禁止されている。

【サウンドバイト】
(イスラム国のヒスバ(宗教警察)隊員ON)
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「アラーの名において。アラーの使徒に平安あれ。アラーのおかげで、ラッカ県の北部地区のマンスール通行所において、酒類が積まれたトラック2台を捕捉した。1台の車両には、酒瓶1ダース入りの箱が千個積まれており、昨日我々が廃棄した。もう一台の車両には、千八十箱積まれており、我々ヒスバが廃棄しているところである」


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【イスラム国 アマーク通信】衛星放送のアンテナを撤去して情報統制


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題名:
Raqqah Authorities and Volunteers Remove Satellite Dishes from Rooftops
和訳:ラッカ当局とボランティアが屋上から衛星放送のアンテナを撤去
公開:2016年7月16日
組織:イスラム国(IS、旧ISIS又はISIL)
出所:アマーク通信(イスラム国系メディア)
音声:アラビア語
尺長:1分19秒

【キャプション】
イスラム国が支配する地域では、欧米や他のアラブ諸国の放送局が配信している「有害な」テレビ番組の視聴を禁止する目的で、衛星放送のアンテナの撤去が進められている。
イスラム国系メディアのアマーク通信が配信したこの動画では、イスラム国の宗教警察である「ヒスバ」の隊員が、シリア北部ラッカの地元住民らの協力を得て、屋上に取り付けられている円盤状のアンテナを撤去する様子が紹介されている。

同様の動画はこれまで多数配信されてきたが、アマーク通信が配信した今回の動画は、BGMなどの演出効果がないため、報道機関による資料映像として利用しやすい。イスラム国による情報統制の実例として活用されては、いかがだろうか。

【サウンドバイト】
<ヒスバ隊員のON(0:16-0:30)>
「アラーのおかげで、ラッカ県の一部の地区では、ヒスバ(宗教警察)の同僚たちによる撤去作業を、イスラム教徒の仲間たちが手伝っている」

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【参考資料】
ISの支配地域の住民に衛星放送アンテナの撤去を命じるパンフレット
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【イスラム国 アマーク通信・ラジオ放送「アルバヤン」】フランスのニースでのトラックひき殺し攻撃はイスラム国の戦士が実行 ※追記あり

 
IS公式ラジオ「アルバヤンの声明」
2016年7月16日午後10時5分(日本時間)ごろ、公式ラジオ放送アルバヤンのフランス語版でも、南部のニースでのトラックによるひき殺し攻撃(14日夜に発生)を行ったのはイスラム国の戦士であるという声明が発出された(上の画像は、フランス語テキスト版起こしの該当部分の抜粋)。内容は以下のアラビア語版と同じである。

【以下、これまでの関連情報】


2016年7月16日午後6時15分(日本時間)ごろ、イスラム国公式ラジオ放送の「アルバヤン」(アラビア語版)は、フランスのニースでの大型トラックによる攻撃作戦について、イスラム国の戦士の一人が行ったものとする声明を、デイリーニュースの一部として冒頭で発表した(上の動画は当ブログ管理人が独自に編集し字幕を付したもの)。

↓画像をクリックして「アルバヤン」の音声ファイル(アラビア語)を再生
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アルバヤン放送での該当する部分の和訳はつぎのとおり。
音声ファイル 01:04-01:52
「最初はフランスから。
カリフ国と敵対する十字軍連合の国を標的にせよというイスラム国の呼びかけに答えて、イスラム国の戦士の一人が、新たに強力な作戦を実行した。フランスのニースで行われていたナショナルデーを祝う行事において、大型トラックを使用してフランスの十字軍市民たちをひき殺した。この大胆な作戦により、およそ100人を殺害したほか、何十人かを負傷させた。重体の者がいるため、戦果はさらに増える可能性もある。
思い知るがいい、十字軍諸国よ。どれほど治安警備を強化しようとも、ジハード戦士の攻撃を阻止することはできない。彼らはお前たちの国内で襲撃を続けるだろう。」

※2016年7月18日追記
NHKが、イスラム国公式ラジオ放送の内容について、丸1日以上遅れながらも、やっと次のとおり報じていた。「アルバヤン」という固有名詞をまだ使用しないつもりのようだが、「アマーク通信」のように、いずれ必須の報道用語となるだろう。先進諸国の報道機関の先駆けとなられることを期待したい。
*     *     *
画像をクリックしてNHKの報道へ移動
仏 暴走テロ ISラジオ 容疑者の男は「ISの戦士」
7月17日 22時14分
フランス南部のニースで花火の見物客に大型トラックが突っ込んだテロ事件で、過激派組織IS=イスラミックステートが運営するラジオは、容疑者の男について「ISの戦士だ」と主張するとともに、今後も、こうしたテロを繰り返す可能性を示唆しました。
フランス南部のニースで、14日夜、花火を見物する人々が集まった遊歩道に大型トラックが突っ込んで暴走し、これまでに84人が死亡しました。
この事件でトラックを運転していて警察に射殺されたニース在住のチュニジア人、モハメド・ラフエジブフレル容疑者(31)について過激派組織ISが運営するラジオは16日、インターネットを通じた放送で「ISの戦士だ」と主張しました。そのうえで、「有志連合の国々はいくら治安機関の能力を駆使しても、戦士たちの攻撃を防ぐことはできないと認識すべきだ」として、ISと戦う有志連合の参加国で、今後もこうしたテロを繰り返す可能性を示唆しました。
ラフエジブフレル容疑者について、フランスのカズヌーブ内相は短時間で過激な思想の影響を受け犯行に及んだという見方を示していて、捜査当局が動機や背後関係の解明を進めています。
*     *     *

【以下、アマーク通信による本件の第一報】
 
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アマーク通信の英語版速報バナー画像

・イスラム国系メディアのアマーク通信は、2016年7月16日付配信の速報バナーで、「アマーク通信のセキュリティ取材源:フランスのニースにおける(※トラックを使った)ひき殺し作戦の実行者は、イスラム国の戦士の一人である。イスラム国と戦う(有志)連合の国々の市民を標的にせよという呼びかけに応じて行われた」と報じた(※はブログ管理人による補足、和訳はアラビア語版に基づく)。

【イスラム国 アマーク通信】最高幹部ウマル・シシャニが死亡

さらば 殉教者ウマル・シシャーニ師

2016年7月13日、イスラム国系メディアのアマーク通信は、最高幹部の一人であるウマル・シシャニ師が、モスルの南方の町シルカートで、モスル奪還作戦を進めるイラク政府軍との戦闘に参加していたところ、殉教したと速報した。


↓画像をクリックして速報バナー画像を拡大
20160713_IS_AMAQ_ウマル・シシャーニ師逝く

20160713_IS_Amaq_Umar_Shishani_Martyrdom

米軍は2016年の3月、シリア北東部のシャッダーディで、ウマル・シシャニを空爆により殺害したと発表していた。これに対し、イスラム国側は5月の公式声明で、シシャニ師の健在を示唆していた。

【イスラム国 アマーク通信】米軍の空爆で破壊されたモスルの大学や市街地からジョン・キャントリー氏がレポート


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題名:
John Cantlie Speaking about the US Bombing Mosul University and Popular Areas in the City
和訳:米軍によるモスル大学及び市街地の空爆についてジョン・キャントリーが語る
公開:2016年7月12日
組織:イスラム国(IS、旧ISIS又はISIL)
出所:アマーク通信(イスラム国公認のメディア)
音声:英語(アラビア語字幕)
尺長:3分13秒

【キャプション】
イスラム国によって当初は人質として拘束され、その後イスラム国の広報・宣伝動画にレポーター役として活躍するようになった英国人ジャーナリスト、ジョン・キャントリー氏が登場する動画。イスラム国系メディアのアマーク通信が配信した。ジョン・キャントリー氏がアマーク通信のレポーターとして登場するのは、3月19日の配信動画以来2回目である。ジョン・キャントリー氏の過去の動画については、こちらを参照。

今回の動画でジョン・キャントリー氏はイラク北部のモスルから、米軍が率いる有志連合の空爆によって破壊されたモスル大学の校舎、居住区のヤービサート地区及び中心地区にある銀行の被害状況を伝え、こうした施設や場所を標的とし、民間人の生命を危険に晒すことを厭わない有志連合の姿勢に対し疑問を呈している。


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【イスラム国 アマーク通信】ロシア軍のヘリコプターを撃墜した時の動画


テイルローターのあたりから火が上がった後、制御不能となった機体がクルクルと回転し、無惨に地面に叩きつけられて炎上する。その見事な戦果に「アラーは偉大なり」の歓声があがる。
イスラム国系メディアの「アマーク通信」は、シリアのパルミラ東部でロシア軍のヘリコプターを撃墜した際の映像を、2016年7月9日付の配信ニュースとして公開した。

日本テレビの報道によると、ロシア側も撃墜を認めており、ヘリに乗っていた兵士2人が死亡したとしている。
日本テレビによる関連報道

この動画の公開に先立つ7月8日、イスラム国は以下の公式声明でも、パルミラ東部でロシア軍のヘリコプターを撃墜したと発表していた。イスラム国の発表の信憑性の高さが改めて示された。

20160708_IS_Tadmur_Russian_Helicopter_Clash
アマーク通信速報バナー

【イスラム国】ラマダン月明け祭を祝うラッカとモスルの雰囲気を伝える動画2本

20160709_IS_Ninawa_Hadha_Iidna_This_is_Our_Eid
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題名:هذا عيدنا
和訳:これぞ我らの断食月明け祭
公開:2016年7月9日
組織:イスラム国(IS、旧ISIS又はISIL)
出所:ニナワ県広報部(旧イラク領)
音声:アラビア語
尺長:7分57秒


20160709_IS_Raqqah_Tukabbir_Allah_Ma_Hadakum
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題名:ولتكبروا الله على ما هداكم
和訳:汝らを導いたことにつきアラーは偉大なりと唱えよ
公開:2016年7月9日
組織:イスラム国(IS、旧ISIS又はISIL)
出所:ラッカ県広報部(旧シリア領)
音声:アラビア語
尺長:16分6秒

【イスラム国 アマーク通信】トルコ政府とクルド人勢力の密約を暴露


シリア北部のマンビジでは、欧米諸国などでつくる有志連合の支援を受けたクルド人勢力とイスラム国の間で激しい戦闘が繰り広げられている。

2016年7月4日、イスラム国系メディアの「アマーク通信」は「クルド人民防衛隊(YPG)」の幹部「ファイサル・アブ・ライラ」の兄弟で、同じく幹部の「ユーセフ・アブド・サアドゥン」というクルド人を捕虜として拘束したとする動画を公開した。

この動画に登場するアブド・サアドゥン氏の発言によると、アブ・ライラ氏は戦闘中に頭部を負傷し、米軍によってスレイマニヤの病院へ搬送されたものの、3日後に死亡したとしている。また、10日もあれば、イスラム国をマンビジから撤退させられると考えていたが、多数の死傷者を出すなど、予想外の苦戦を強いられていると明かしている。


↓アブ・ライラの墓前に座して祈るアブド・サアドゥン氏
20160705_IS_Amaq_Abedo_Sa'aduun_Abu_Laila

さらにアマーク通信は、7月5日付配信記事で、捕虜となったアブド・サアドゥンの自供として、トルコ政府とクルド人勢力の間の密約を暴露した。すなわち、クルド人勢力がトルコ領内のヌサイビン(シリアの都市カーミシュリの北方)などから撤退する見返りとして、イスラム国の支配下にあるシリア北部のマンビジを制圧することを認められたとしている。

最近、シリア北部のクルド人部隊が欧米の支援を受けて、イスラム国の支配地域に対する大規模な攻撃を仕掛け、勢力範囲の拡大を目論んでいるのに対し、クルド人勢力を宿敵と見なすトルコが沈黙しているのは何とも奇妙であった。しかし、このアマーク通信の報道のとおり、トルコ領内からのクルド人部隊の撤退を条件とした取引であったとするならば、まさに合点がいく。外部の者には非常に分かりにくいシリアでの仁義なき合従連衡は、今日も繰り広げられている。

【イスラム国】カリフ国の統治機構を解説

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題名:The Structure of Khilafah
和訳:カリフ国の統治機構
公開:2016年7月6日
組織:イスラム国(IS、旧ISIS又はISIL)
出所:フルカーン・メディア(イスラム国公式広報部門の一つ)
音声:英語版、アラビア語版あり
尺長:14分58秒

【キャプション】
・イスラム国の統治機構に関する解説動画。2016年のイスラム教の断食月=ラマダン月明け祭初日に公開された。研究・分析には非常に役に立つ資料である。
・指導者であるカリフ及びその使命、最高意思決定機関であるシューラー評議会
・イスラム国の統治を担う下部機関に、事務局「マクタブ」、委員会「ハイア」、省庁「ディワーン(※ダワーウィンはアラビア語の複数形)」があり、それぞれが特定の事項を所轄。
・地方行政単位(旧イラク・シリア領内には19の「県(ウィラーヤ)」、領外には16の「州(ウィラーヤ)」がある。)
・リンク先動画の終わりには処刑シーンがあるので、視聴の際には注意願いたい。


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20160706_IS_Furqan_banner_structure of the khilafah_AR

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20160706_IS_Fruqan_banner_structure of the khilafah_EN

【キャプチャ画像(クリックして拡大)】
↓イスラム国の統治機構全体のチャート図
Structure of Khilafah

↓全イスラム世界の最高指導者であるカリフの任務
Structure of Khalifah 2

↓イスラム国各県(19)・州(16)の数
Wilayat of Khilafah 19+16=35

↓広報部門及び各メディアの紹介
Diwan of Media @Khilafah
動画や画像の配信を担う支持者(サポーター)も組み込まれている

【バングラデシュ日本人人質殺害】イスラム国ラッカ県のジハード戦士3人が事件を称賛 今後の攻撃を警告


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題名:إلى فرسان الخلافة في البنغال
和訳:ベンガルのカリフ国の騎士たちへ
公開:2016年7月5日
組織:イスラム国(IS、旧ISIS又はISIL)
出所:ラッカ県広報部(旧シリア領)
音声:ベンガル語、英語(アラビア語字幕)
尺長:5分50秒

【キャプション】
イスラム国ラッカ県の戦闘員たちが、バングラデシュでの外国人人質殺害事件を称賛し、敵対する国々に更なる攻撃を警告する宣伝動画。

冒頭、報道から借用した映像(当該事件とは関係のないISによる攻撃のものも含む)をバックに、公式スポークスマンのアブ・ムハンマド・アドナニ師の声明が流れる(5月に配信されたラマダン期間中のジハードを呼びかける内容)。その後、3人のバングラデシュ人ジハード戦士が、各々メッセージを発する。


【サウンドバイト(短く印象的な発言のみを抜粋)】
1人目バングラデシュ人戦闘員「アブ・イーサ・ベンガリ」(一部英語あり)
バングラデシュ人戦闘員その1
『バングラデシュで起きた事件は、今後何度も行われる攻撃の一部に過ぎない』

2人目バングラデシュ戦闘員「アブ・バラ・ベンガリ」
バングラデシュ人戦闘員その2
「ダッカのレストランを襲った理由は、イスラム世界は一体であるという預言者ムハンマドの教えに従ったためだ」

3人目バングラデシュ人戦闘員「アブ・ハーリド・ベンガリ」
バングラデシュ人ジハード戦士その3
「今回の事件の記事について知ったとき、筆舌に尽くしがたい喜びを感じた」

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20160705_IS_Raqqah_Ila_Fursaan_Khilafah_Fi_Bengal

※追記 この動画に関するNHKの7月6日付関連報道引用↓
IS 新たにテロ行う可能性を示唆
シリア北部にあるISの支部は6日、インターネット上に、新たにテロを行う可能性を示唆する映像を公開しました。
映像には、バングラデシュ人とみられる戦闘員の男3人が登場し、今回のテロはISが行ったものだと改めて主張したうえで、「この戦いはわれわれが勝利するまで止めることはできない」と、場所は特定せずに新たなテロの可能性を示唆しています。
この映像についてイスラム過激派組織の動向に詳しい中東調査会の高岡豊上席研究員は「使われているロゴなどから、IS内の組織が出したものであることはほぼ間違いないが、公式なメディア部門ではないことから、ISとしての正式な見解を反映しているとはいえない」と話しています。そのうえで、「バングラデシュ政府が、今回の武装グループとISとのつながりを否定しているため、実際にISに加わっているバングラデシュ人がいることを示すことで、ISが行ったテロだと強調するねらいがあるのではないか」と分析しています。

【イスラム国】ベンガル語の宗教歌「ナシード」を公開 バングラデシュのジハード戦士の戦意を高揚


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題名:立ち上がれ ジハード戦士
和訳:জেগে ওঠো মুজাহিদ قم يا مجاهد
公開:2016年7月4日
組織:イスラム国(IS、旧ISIS又はISIL)
出所:アルハヤト・メディア・センター(イスラム国公式広報部門の一つ)
音声:ベンガル語

↓クリックで音声ファイルをダウンロード
20160704_IS_Alhayat_Nasheed_Bengali_Rise_O_Mujahid

【内容及び解説】
ジハード戦士たちの戦意高揚を目的として作成されたベンガル語のナシード(イスラム教の宗教歌)。バングラデシュの首都ダッカでのレストラン立て籠もり及び人質殺害事件から間を置かないタイミングで配信された。元ラッパーのドイツ人ジハード戦士アブ・タルハ・アルマーニ(デニス・カスパート)のナシード作品『ハイヤ・アラル・ジハード(ジハードへ行こう)』がベースとなっている(下の画像からリンク先へ移動して比較できる)。

↓クリックしてベースとなった宣伝動画を視聴
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【イスラム国】バングラデシュ日本人7人殺害事件 実行者5人の画像を公開

日本時間7月3日午前0時40分ごろ、イスラム国はSNS「テレグラム」のアカウントを通じて、バングラデシュでの日本人7人殺害事件の実行者とする5人の画像を配信した。

↓アブ・アミール・ベンガリ
01アブ・アミール・ベンガリ

↓アブ・サルマ・ベンガリ
02アブ・サルマ・ベンガリ

↓アブ・ラヒーク・ベンガリ
03アブ・ラヒーク・ベンガリ

↓アブ・ムスリム・ベンガリ
04アブ・ムスリム・ベンガリ

↓アブ・ムハーリブ・ベンガリ
05アブ・ムハーリブ・ベンガリ

【イスラム国】バングラデシュでの日本人7人殺害事件に関する公式声明 ※追記あり

20160702_IS_Statement_Bangladesh

日本時間2016年7月3日午前0時過ぎ、バングラデシュでの日本人7人殺害事件について、イスラム国から上の公式声明が発出された。和訳は次のとおりである。
     *     *     *
イスラム国 バングラデシュ
速報「バングラデシュのダッカでの攻撃により、
十字軍 22人と警察将校 2人を殺害」
ヒジュラ暦 1437年 ラマダン月 27日
アラーの恩寵と祝福のお陰で、綿密な観察と調査により、5人の殉教の騎士たち(アラーよ、彼らを受入れたまえ)が、バングラデシュのダッカで十字軍諸国の市民どもの集いに向かって出撃し、十字軍たち 22人を殺害し、その中には 7人のイタリア人が含まれていた。 また、ベンガル警察の将校2人を殺害し、50人超を負傷させた。 イスラム教徒を空爆で殺害する限り、ジハード戦士たちの攻撃から安全な場所はないということを、十字軍諸国の市民どもに教えた。 この次の攻撃は更に激しく、酷いものになるだろう。 アラーはその命令を必ず施行されるが、ほとんどの人々は そのことを知らない。
     *     *     *

※追記(2016年7月23日) 
この当ブログの和訳記事を利用して、下の画像を引用しながら「テレビ朝日が誤報を流した」などという話が一部で出回っているが、下の画像は、2015年10月にバングラデシュのロングプールで日本人1人が殺害された事件に関する過去の報道であり、今回のダッカでの日本人7人殺害事件とは関係のない声明である。したがって、テレビ朝日の当該報道は誤報などではない。
2015年10月4日の声明
こちらの声明については、当ブログの過去記事も参照してほしい。

【イスラム国 アマーク通信・アルバヤン放送】バングラデシュ首都ダッカのレストランで人質立てこもり事件

関連情報は、随時アップする予定。

【新着】
日本時間7月3日0時40分ごろ配信のアマーク通信記事の内容は以下のとおり。
『イスラム国の戦闘員がバングラデシュのレストランを攻撃し、有志連合諸国の市民22人を殺害』
 アマーク通信 ダッカ発 昨日夕刻、バングラデシュの首都ダッカのジュルシャン地区で、イスラム国の戦士5人が、外国人が よく訪れるレストラン「アルティサン」を攻撃した。
 イスラム国の戦闘員たちは、レストランの客らを拘束して身元を確認し、イスラム教徒については解放し、外国人22人を殺害したほか、バングラデシュ警察の将校2人も、戦闘の際に死亡した。また、この作戦により、およそ50人が負傷した。
アマーク通信の取材源によると、イスラム国の戦闘員たちは、ナイフ、肉切り包丁、自動小銃、手榴弾を使用して攻撃を行った。また、今回の攻撃は、イスラム国と戦う有志連合に対するイスラム国の戦闘員による作戦の一環として行われたとしている。(以上) 


【以下、これまでの情報】
「アルバヤン」トルコ語
・日本時間7月2日22時26分配信のイスラム国公式ラジオ放送「アルバヤン」(トルコ語版)にて、事件は「カリフ国の兵士」によるものと発表。ダウンロード・リンクはこちらから(なぜトルコ語版が先行したのかは不明)。

・共同通信の報道によると、救出された日本人男性は、建設コンサルタント会社社員の渡辺玉興(ワタナベ・タマオキ)氏、Linked Inに渡辺氏の写真付プロフィールがある。また、ロイター通信によると、日本時間7月2日17時現在、日本人7人の安否が不明(※その後、菅官房長官が23時半の記者会見で、7人全員の死亡を確認)。

・イスラム国系メディアの「アマーク通信」は、イスラム国の戦闘員が殺害した外国人の遺体の画像3枚を配信した(当ブログでのリンクの公開は控えることにする)。また、イスラム国のサイバー部門「カリフ国の子孫軍団(Sons of Caliphate Army)」を名乗るSNSアカウントが、この3枚の画像を利用した宣伝バナー画像を配信している(いずれもネット検索で簡単に入手可)。

・イスラム国系メディアの「アマーク通信」は、ダッカのレストラン立てこもり・人質事件について、本記事下部に掲載した速報(日本時間7月2日午前中までに英語、アラビア語で5本ずつ)を配信した。
 
・6月30日から7月1日にかけて、バングラデシュではダッカのレストラン立てこもり以外にも、南東部でイスラム国の戦闘員が、仏教政党の指導者やヒンドゥー教徒を暗殺したとする事件が発生していた(アマーク通信の配信速報による情報。速報画像(英語版)リンクはこちらこちら)。

・6月29日、イスラム国系メディアの「アマーク通信」は、イスラム国の組織がある国々一覧の画像を配信しており、バングラデシュに「秘密組織(Covert Unit)」がすでに存在すると表明していた。


↓英語版アマーク通信の速報バナー(マウスオンで配信時間を表示、クリックで拡大)
0426
0455
日本時間7月2日0505AM配信
0624
1004

 
↓アマーク通信(アラビア語版)速報バナー(マウスオンで配信時間を表示)
0421AR
日本時間7月2日0438AM
日本時間7月2日0455AM配信
0530AR
0913AR

【イスラム国】イスタンブールの空港襲撃に関する声明がでない理由

2016年6月28日夜、イスタンブールの空港で複数回の大きな爆発と銃撃があり、40人超が死亡した事件について、トルコ捜査当局は、イスラム国によるものという見方を示している。しかし、7月1日現在まで、イスラム国からは関連の声明は出されていない。

2015年7月20日の南東部スルチでの爆発事件(30人超が死亡)や、同年10月10日の首都アンカラでの爆発事件(100人超死亡)でも、トルコ捜査当局がイスラム国によるものとの見方を示しながらも、イスラム国からは関連の声明は出ていない。このことから、イスラム国がトルコにおける作戦について声明を出さない理由が、専門家ならずとも気になるところである。

当ブログ管理人としては、イスラム国がトルコでの作戦についてのみ何か特別な理由があって声明を出さないのではなく、一連の作戦によって殺害されたのが一般のスンニ派イスラム教徒ばかりであったため、イスラム国の作戦として最終的に承認されなかったものと考えている。

声明が出されないことを考える上で参考になるのが、2015年4月18日にアフガニスタンのジャララバードの銀行で爆発が起き、多数の死傷者が発生した事件である。この事件では、トルコのケースと同様に、アフガニスタン政府当局はイスラム国によるものとの見方を示したが、イスラム国「ホラサン州」からは、何と事件への関与をわざわざ否定する次の声明が出された。

イスラム国ホラサン州声明


この声明において、イスラム国による作戦の考え方を理解する上で重要な、聖典クルアーンの一節が引用されている。
 
信者を故意に殺した者の応報は、永遠の地獄である。アラーは怒り、呪い、厳罰に処す

すなわち、イスラム国が作戦の標的としているのは、あくまで背教者「ムルタッド」(スンニ派信徒であっても悪の政府の職員や軍の兵士、民兵やスパイといった手先)であり、多神教徒「ムシュリク」(シーア派やアラウィ派など)であり、十字軍「サリービー」(イスラム国に敵対する有志連合諸国の国民)なのであって、一般のスンニ派イスラム教徒ではないのである(故意でなく、巻き添えになってしまうことはあり得る)。

それにしても、決死の作戦を敢行したのに、イスラム国の名の下に殉教者として認められずに終わるとは、実行者としては知る由もないが、さぞや無念であろう。

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