リビアのアンサールシャリーアは、傘下の宣伝部門「ラーヤ・メディア」を通じて、「これぞ諸君のウンマ、ただ一つのウンマ(※ウンマ=イスラム教徒の精神的共同体)」と題する週刊広報紙を発行している。
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「アンサール・シャリーア」とは、端的に言うならば「アルカイダの第2ブランド」である。この点は、池内恵氏の次の著書が詳しい。
伝説の9・11事件から10年超が経過する中、「アルカイダ」のブランドはジハード主義者たちの間で色あせつつあった。その刷新ブランドとして考案されたのが、「イスラム法の信奉者たち」を意味する「アンサール・シャリーア」である。リビアだけでなく、イエメンやチュニジアなどでも同じブランド名を冠した組織が活動しているが、それぞれの指揮系統は分離しており、別個のものである。
今回発行された広報紙を見て、注目されるのは次の2点であろう。
●東部のアジュダビヤで地元勢力と連携し治安維持パトロールを実施するなど、これまで拠点と考えられていたダルナ以外でも活動の範囲を広げている。
●アルカイダ系組織として、アラビア半島のアルカイダ(AQAP)幹部アーネシ師の死亡に弔意を表明する一方、イスラム国の活動についても好意的に紹介しており、イスラム国と厳しく対立しているアルカイダ本部の姿勢とは一線を画している。
リビアのアンサール・シャリーアは、先般バルドー博物館を襲撃したイスラム国メンバーに対しても、軍事訓練キャンプの利用で便宜を図る等、イスラム国には協力の用意を示している。すなわち、北アフリカのジハード主義組織には、西アジアのジハード主義組織に関する常識が必ずしも当てはまらないことを示している。
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「アンサール・シャリーア」とは、端的に言うならば「アルカイダの第2ブランド」である。この点は、池内恵氏の次の著書が詳しい。
伝説の9・11事件から10年超が経過する中、「アルカイダ」のブランドはジハード主義者たちの間で色あせつつあった。その刷新ブランドとして考案されたのが、「イスラム法の信奉者たち」を意味する「アンサール・シャリーア」である。リビアだけでなく、イエメンやチュニジアなどでも同じブランド名を冠した組織が活動しているが、それぞれの指揮系統は分離しており、別個のものである。
今回発行された広報紙を見て、注目されるのは次の2点であろう。
●東部のアジュダビヤで地元勢力と連携し治安維持パトロールを実施するなど、これまで拠点と考えられていたダルナ以外でも活動の範囲を広げている。
●アルカイダ系組織として、アラビア半島のアルカイダ(AQAP)幹部アーネシ師の死亡に弔意を表明する一方、イスラム国の活動についても好意的に紹介しており、イスラム国と厳しく対立しているアルカイダ本部の姿勢とは一線を画している。
リビアのアンサール・シャリーアは、先般バルドー博物館を襲撃したイスラム国メンバーに対しても、軍事訓練キャンプの利用で便宜を図る等、イスラム国には協力の用意を示している。すなわち、北アフリカのジハード主義組織には、西アジアのジハード主義組織に関する常識が必ずしも当てはまらないことを示している。