ウクバ・ビン・ナーフィア部隊

チュニジア博物館襲撃への関与を疑われたウクバ・イブン・ナーフィア旅団の宣伝動画 スパイだと自供した羊飼い2人を処刑

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番号:243
題名:إن الله لا يحب الخائنين
和訳:アラーは裏切り者を好まれない
公開:2015年11月11日
組織:ウクバ・イブン・ナーフィア旅団(チュニジア)※ウクバ・ビン・ナーフィウ部隊との表記もあり
出所:ウクバ・イブン・ナーフィア・メディア
音声:アラビア語

【動画の内容及び解説】
今年3月にチュニジアで発生し、日本人観光客も犠牲になったバルドー博物館襲撃事件で、一時関与が疑われ名前が浮上した組織「ウクバ・イブン・ナーフィア旅団」(※ウクバ・ビン・ナーフィウ部隊との表記もあり)の宣伝動画。なお、バルドー博物館襲撃については、イスラム国が行ったとする公式声明が出ている。

ウクバ部隊が拠点としている山岳地帯で、チュニジア治安機関が羊飼い2人をスパイとしてリクルートし、ジハード戦士の追跡や監視を行わせていたとして、2人を処刑したとする宣伝動画。3人目の男については、容疑が固まらなかったとして釈放したとしている。

ウクバ部隊はイスラム・マグレブ諸国のアルカイダの傘下組織であり、アルカイダと密接な関係にある。そのことは、今回の動画においても、ビンラディン前指導者やザワヒリ指導者の声明が引用されていることから明らかである。また、チュニジアのアンサール・シャリーアの映像も引用されており、両組織が協力関係にあることもうかがわせる。

バルドー博物館襲撃については、イスラム国の浸透を認めたくないチュニジア政府がウクバ部隊によるものとのプロパガンダを行った結果、イスラム国による声明は完全に無視されたままである。ところが、シナイ半島のロシア旅客機撃墜事件においては、エジプト政府が原因は未解明としているにもかかわらず、イスラム国によって爆破されたものという見方が定まりつつある。バルドー博物館襲撃の件についても、ぜひとも再考を促したい。



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チュニジアの「ウクバ・イブン・ナーフィア旅団」 遂に宣伝動画に登場

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番号:199
題名:وكان حقا علينا نصر المؤمنين
和訳:敬虔な信徒たちの勝利は必然
公開:2015年5月9日
組織:イスラム国(IS、旧ISIS又はISIL)
出所:ファーティハ・メディア(ウクバ・イブン・ナーフィア旅団傘下)
音声:アラビア語

【動画の内容及び解説】
今年3月にチュニジアで発生し、日本人観光客も犠牲になったバルドー博物館襲撃事件で、一時関与が疑われ名前が浮上した組織「ウクバ・イブン・ナーフィア旅団」(※ウクバ・ビン・ナーフィウ部隊との表記もあり)からの、初の公式宣伝動画。

なお、上記動画の宣伝バナーにも記されているように、この宣伝動画の末尾でも「イスラム・マグリブ諸国のアルカイダ」(AQIM)の傘下組織であることを堂々と謳っている。したがって、イスラーム国の一部と見なすのは適切ではない。

冒頭は報道番組からの引用。政府関係者と思しき人物が登場し「テロリストは既に一掃した。この問題は解決した」などと発言している。
その後、AQIMのアブミスアブ・アブドルウドゥード指導者の画像と音声が流れ、現世に執着せず来世のため戦えと鼓舞する。そして、遂にウクバ旅団の戦闘員たちの訓練の様子が流れ、チュニジアのシアンビ山地において政府軍の基地を襲撃した際の動画が公開される。また、治安機関によってテロ関与の容疑で家族を拘束・殺害された人々の怒り・嘆きの声を伝える。
負傷し搬入される仲間を見てショック状態のチュニジア軍兵士の様子や、ウクバ部隊が獲得した戦利品の様子なども紹介される。また、これまでウクバ部隊のスポークスマン的役割を果たしてきたイスラム導師、ワナース・ファキーフ師の演説も引用されており、同師とウクバ部隊の関係の密接さを再確認できる。

動画のクオリティは非常に高く、イスラム国のものと比較しても遜色ない。今回の動画公開にあたり、新たに「ファーティハ・メディア」という広報部門を立ち上げており、宣伝態勢を強化したことが窺える。

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「ウクバ・ビン・ナーフィウ旅団」のジハード戦士たち チュニジア山岳地帯を移動中の写真

ウクバ・イブン・ナーフィア部隊

上記画像は、アフリカにおける複数のジハード主義組織の宣伝活動を行うSNSアカウント運営者「イフリキヤ報道」が2015年4月19日に配信した、チュニジアの山岳地帯を移動中の「ウクバ・イブン・ナーフィア旅団」のジハード戦士たちを撮影したものである。「ウクバ部隊」の画像・動画と確認できる素材は少なく、彼らの姿が分かる貴重な資料である。

チュニジアのジハード主義組織『ウクバ・ビン・ナーフィア部隊』のスポークスマン的イスラム導師 治安部隊によるルクマン・アブサクル司令官の殺害を認める





動画ナンバー:166
題名:كلمة للأخ وناس الفقيه في رثاء فرسان كتيبة عقبة بن نافع
和訳:ワナース・ファキーフ師がウクバ・ビン・ナーフィア部隊の騎士に弔意 
公開日:2015年4月1日
組織名:ウクバ・ビン・ナーフィア部隊(※ウクバ・イブン・ナーフィア旅団との表記もあり)
※言語はアラビア語

【動画の内容及び解説】
2015年3月29日付のアルジャジーラの報道よると、チュニジア治安当局が「バルドー博物館襲撃事件の犯行組織」としている「ウクバ・ビン・ナーフィア部隊」の幹部、ルクマン・アブサクルが殺害された。チュニジア内務省の発表として、28日土曜日に治安部隊がウクバ・ビン・ナーフィア部隊の武装者9人を殺害し、その中に幹部のルクマン・アブサクルが含まれていたとしている。

イスラム導師のワナース・ファキーフ師は、ウクバ・ビン・ナーフィア部隊への直接の所属は明らかではないが、これまで同部隊のスポークスマン的な存在として声明を発してきた。ファキーフ師は4月1日、SNSを通じて音声と静止画による声明を発し、ルクマン・アブサクルの殺害を認め、殉教者と称えて弔意を表明した。バルドー博物館襲撃事件以降、ウクバ・ビン・ナーフィア部隊が発した初の公式声明と考えて良いだろう。

注目される点は、アルカイダを例に挙げつつ、組織の幹部を殺害してもジハードを止めることはできないと警告している点(※ウクバ部隊とアルカイダの関係の深さをうかがわせる)。そしてもう一つは、バルドー博物館襲撃事件について一切言及していない点である。

ジハード主義組織は、幹部の殺害について、組織の敗北を示すことでも隠蔽することはない。それどころか、むしろ殉教者として称え、積極的に公表する。何らかの大規模な作戦を実行したときも、ジハードの一環として称揚する。

一般常識に照らして組織側にとって都合が悪いと考えられる事実でも、イスラム法に照らして評価すべき事例と見なされるなら、積極的に広報するのである。(この点は、イスラム国によるヤジディ教徒女性の奴隷化公認の事例にもよく表れている。)

すなわち、重要幹部の殉教にあたり、当該幹部による生前の「功績」とされてもよいはずのバルドー博物館襲撃事件について何の言及もない点は、逆にウクバ・ビン・ナーフィア部隊による事件への関与の可能性を疑わせるものである。

なお、当ブログにて最近累次取り上げている、アフリカのジハード主義組織のSNS広報アカウント運営者「イフリキヤ報道」も、ルクマン・アブサクルの殺害を認め、次のようなバナーを公開し、弔意を表明している。
ルクマン・アブサクル

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